アスクル、新配送モデルを実証。ECを加速させるトリガーとなるか?
アスクル株式会社(本社:東京都江東区/代表:岩田彰一郎)が、新たな配送モデルの実証実験の開始を発表した。
EC事業拡大に伴う、小口配送の課題を解決する新物流モデルとして注目されている。
ECサイトで注文はスマートにできても、そこから配送、消費者の手元に届くまでのタイムラグが長年の課題となっている。
また、近年ではECサイトの活発化によって配送量も増え、配送業者の人手不足も大きな課題となっている。そんな悩みを解決する物流システムを、アスクルは生み出した。
「明日来る」アスクル
アスクルといえば、事務用品を中心とした通販サイトである。社名の由来は「明日来る」が転じたものであり、全国7か所に大規模な物流センターを設けているため、翌日配送というスピーディなサービスを可能としている。
アスクルの新小口配送モデルは、それを凌駕するスピードで配送が可能となる可能性がある。
新配送モデルの流れ
従来は顧客の注文を物流センターで受諾、毎日出荷しているトラックで搬送し、顧客に届けるというシステムだった。
新しい小口配送モデルは、物流センターに保管するのではなく、エリアに応じたビルなどに一時保管するという点だ。
そこにはこれまでのアスクルの発注データから導き出した需要予測に基づき、あらかじめ商品をストックしておくのである。顧客からの注文は物流センターではなく一時保管場所に届けられ、そこからトラックではなく台車などで簡易的な輸送をおこなう、というのが概要である。
解消する問題
この新モデルによって、顧客により近い場所から配送されるので今までよりスピーディな配送が可能となる。
在庫が不足していて納品が遅れることもなくなり、輸送も台車になるので幅広く人員を募集でき、人手不足も解消される。
需要データを活用して在庫をストックできるのは、これまでの実績をもつアスクルならではと言えるだろう。
特許出願中
新小口配送モデルは、いまだ特許出願中となっている。
こちらの実証実験は、7月12日に東京ミッドタウンで、東京ミッドタウンマネジメント株式会社や佐川急便株式会社の協力のもと、実施される予定である。
新モデルが承認されれば、日本の物流業界は大きく変わることになる。EC事業も、ますます活発化していくことだろう。