DeNAがキュレーションプラットフォーム事業を開始

■情報過多な現代社会で、有益なキュレーション

 株式会社ディー・エヌ・エーは、10月1日、キュレーションプラットフォーム運営会社2社を買収したことを発表した。

 英語でキュレーターと言えば博物館や美術館の学芸員を指すが、最近、日本ではインターネット上に散在する情報を「まとめ記事」として編集する人を指す用語となっている。そして、キュレーションプラットフォームとは、キュレーターが独自のテーマにもとづいて1つにまとめ、公開することが可能なウェブサイトまたはアプリを意味する。

 インターネット上にあふれる莫大な情報の中から、自分で有益な情報を探すのは面倒だ。そのため、スマートフォンやタブレットでキュレーターによる「まとめ」記事を隙間時間に気軽に読めるキュレーションサイトが、多くのユーザーから人気を集めている。
 キュレーションサイトを使えば、自分のライフスタイルや趣味嗜好に合った内容を短時間で見つけることができるので、情報源として有益だ。ユーザーの消費行動にも、大きな影響を与えている

■女性向けキュレーションプラットフォーム買収で目指す事業拡大

DeNAが買収した1社は、住まいやインテリアに特化したキュレーションプラットフォーム「iemo(イエモ)」を運営するiemo株式会社。
 2013年12月にサービスを開始した住まい・インテリアの分野に特化した情報を短時間で読めるまとめ形式で配信するキュレーションプラットフォームで、月間アクティブユーザ数(MAU)が150万人(2014年9月)を超えている。

 もう1社は女性向けファッションに特化したキュレーションプラットフォーム「MERY(メリー)」を運営する株式会社ペロリ。
 2013年4月にサービスを開始した女性向けファッションのキュレーションプラットフォームで、美容師、エディターなど様々なキュレーターからトレンド情報を配信し、MAU1,200万人(2014年9月)を超えている。

 両サービスともスマートフォンからのアクセスが90%超、女性ユーザが90%超となっており、バーティカル(特化型)メディアとして国内最大級に成長している。DeNAの動きは、明らかに女性市場を意識したものだ。

 DeNAは子会社化したiemo、ペロリの2社が持つ強みを最大化する体制を整え、ライフスタイルを軸とした他分野のキュレーションプラットフォームをスピーディーに立ち上げる、と発表している。
 この2つのプラットフォームでの相互送客やノウハウの共有を行い、数年後にはキュレーションプラットフォーム全体でMAU5,000万人を目指すという。2つをマッチさせたプラットフォームに発展させることで、新しいビジネスモデルを生み出す可能性もある。

 キュレーションプラットフォームで集客した莫大な数のユーザーをベースに、広告ビジネス展開やeコマースとの連携をしていく考えのようだ。