『ECサイトの使い分け』に関するユーザーの最新動向調査【ドゥ・ハウス調べ】
首都圏を中心に、マーケティングサービス事業を展開する株式会社ドゥ・ハウスは、ECをはじめとした各種オンラインショッピングサービスやプラットフォームについてユーザーがどのように使い分けをしているのかを明らかにする調査を実施し、その結果を公表した。以下その内容を見ていく。
<調査概要>
・調査主題:「ECサイトの使い分け」に関するアンケート
・調査期間:2018年2月21日(水)~3月9日(金)
・調査手法:同社のリサーチサービス『なまごえ!』を活用
・調査対象:20代~60代の男女
・定量調査および定性調査:
【定量調査】弊社モニター1,000名に対し、アンケートを実施
【定性調査】WEBアンケートモニターの中から「楽天プレミアムやAmazonプライム等の有料会員に登録している方」と「メーカーのECサイトユーザー」を抽出して30名に定性調査(なまごえ!)を実施
普段使うECサイトは?
普段購入しているECサイトを聞いたところ、全体で「楽天市場(75.4%)」「Amazon(70.2%)」「Yahoo!ショッピング(36.3%)」の順になった(図1)。「楽天市場」は、女性の割合が男性を上回っている一方、「Amazon」「Yahoo!ショッピング」では男性の割合の方が高くなっている。
ECサイトで重視する点は?
購入重視点を全体でみると「商品の価格(80.3%)」が最も高く、次いで「送料・手数料(78.5%)」の順となった(図2)。
男女別でみると、「送料・手数料」「レビュー・口コミ」「サイトの見やすさ」は、女性の方が男性に比べ10ポイント以上高く、情報を集めて良い買い物、お得に買い物がしたいと考える女性が多いようだとしている。
有料会員サービスの魅力はなに?
サイト閲覧者のうち、有料会員になっている割合が最も高いのは「Yahoo!プレミアム(32.7%)」で、次いで「Amazonプライム(26.9%)」となった。(図3)。
回答者の生の声
今回の調査で回答者からは有料会員サービスから次のような声が聞かれたそうだ。
「いつでもポイントが5倍になり、他のサイトよりもポイントの還元率が高いので、まずはYahoo!ショッピングサイトで検索するようにしています。(50代女性_神奈川県)」
「送料を気にしなくてよくなったので、実店舗で買う回数が減り、Amazonで買う回数が増えたと思います。Amazonプライム会員では、「お急ぎ便」がいつでも無料なので、日用品のストックがなくなったことに気づいた時に助かっています。(30代男性_神奈川県)」
「プライム対象商品の種類も多く、遅くとも翌日配達なので、欲しい時に気軽に注文をするようになりました。いまでは、最安値でなくてもAmazonで購入するケースが増えています。(50代男性_埼玉県)」
また、どのように各メーカーのECサイトを認知するに至ったかについても次のような声が聞かれたそうだ。
「メーカーのECサイトの認知のきっかけを聞いたところ、下記のような声が挙がり、メーカーならではの豊富な商品ラインナップが魅力に思われているようです」
「アサヒビールのサイトのアサヒパークからのメールでアサヒショップを知り、その案内を見て市販されていない興味をそそるウイスキーやワインを見つけた。(60代男性_愛知県_「アサヒショップ」ユーザー)」
「ガンダムのプラモデルでどのような商品があるのか検索していて、たどりつきました。ガンプラの種類を検索していたのですが、ガンダム以外の商品も載っていたので、結果的にいろいろな商品を見て回りました。 (40代男性_東京都_『プレミアムバンダイ』ユーザー)」
「ネットのまとめサイトで無印良品の商品が紹介されていてその時に商品名を検索したら無印良品passportのことを知りました。実店舗で見たことがない商品もあったのでワクワクしました。(30代女性_東京都_『MUJI.net』ユーザー)」
賢くECサイトの「使い分け」をするユーザー
調査結果にある通り、普段購入しているECサイトについて、「楽天市場」は、女性の割合が男性を上回っている一方、「Amazon」「Yahoo!ショッピング」は男性の割合が高いことが分かった。また。ECサイトでの購入で重視する点で、「送料・手数料」「レビュー・口コミ」「サイトの見やすさ」については、女性の方が男性に比べ10ポイント以上高いという結果になった。
また、有料会員向けサービスは、送料・スピード配送、ポイントサービスの充実、動画・音楽に魅力を感じられているメーカーのECサイトは、メーカーならではの豊富な商品ラインナップに魅力が感じられているとの分析ができる。
これらの内容から、男女でそれぞれ各ECサイトの使い分けのポイントが異なり、コンテンツサービスなど有料会員サービスも上手に利用しているユーザーの姿が浮き彫りとなったと言えるだろう。競争が激しくなるEC市場の中にあって、各ECサイトがいかにして自身のエコシステムを広げていくか、そのカギはこうしたつぶさなユーザー動向の把握と、ユーザーの視点に立ったサービスの拡充なのかも知れない。