EC・通販市場の競争激化が浮き彫りに「11回通信販売調査レポート『通信販売事業関与者の実態調査2018』Part1」が公表される【エルテックス調べ】
ECサイト構築/通販システム構築・支援など幅広く展開している株式会社エルテックス(本社:神奈川県横浜市保土ヶ谷区 代表取締役社長 森久尚 以下「エルテックス」)は、通信販売事業関与者の実態調査、「通販事業全般の課題」「困り事・悩み事」「顧客とのコミュニケーション方法~ショートメッセージやSNSの活用」「ECサイトのスマートフォン対応」「AIがEC/通販に及ぼす影響」などを集計・分析した調査結果の2018年版を公表した。
第一弾は「悩み事・困り事」「ビジネス課題」などに関する調査
エルテックス社では2000年頃より、ECサイト/通販システムの開発及び構築を積極的に展開し、関連する市場動向把握のため、今回で11回目の独自調査「通信販売事業関与者の実態調査2018」を実施した。
今回の調査では、通信販売事業に携わるご担当者様の「悩み事・困り事」「通販事業へ対する課題」など、昨年同様の内容の定点調査のほか、スマートフォンの普及に伴う、「顧客とのコミュニケーション方法~ショートメッセージやSNSの活用」「ECサイトのスマートフォン対応」、「AIがEC/通販に及ぼす影響」について集計・分析されている。
その第一弾として、「EC/通販事業者の悩み事・困り事」「通販支援ソフトやサービス導入時の重視点」「EC/通販事業者のビジネス課題」に関する調査結果が公開された。
事業者の抱える課題はありつつも支援するサービスは充実
[質問]
通販事業全般(EC:エレクトロニック・コマースを含む)のお仕事について、過去~今現在での悩み事や困りごとで、あてはまるものをいくつでもお選びください(複数回答)。
[回答に見る特徴]
同社では、EC/通販事業者の悩み事や困り事関する質問は、本調査開始年から実施している、「販売する商品の開発(マーチャンダイジング)」は5年連続で増加。2013年で30.9%だったスコアは54.3%と5年間で「23.4%」も増えている。
その上で、EC/通販市場は全体的に見た場合、いまのところは順調に成長を続けているが、事業者間での競争激化により、自社ストアで販売する商品で「売上げを伸ばしたい」「自社の特長を出したい」「競合他社と差異化したい」といった思惑が高まり、こうした結果になっていると分析している。
一方、「システムの処理速度」「システムの安全性」「受注・決済・倉庫・配送・債権などのトラブル」といったフルフィルメントに関わる項目のスコアの変動はあまり見られず、EC/通販事業者を支援するソリューション側のサービスは安定しているとしている。
事業者が支援サービスを見る目は厳しい
[質問]
通販支援ソフトやサービスの導入を決定した際に重視した項目をいくつでもお選びください(複数回答)。※ECや通販パッケージを導入した経験があると回答した(240人)のみに質問
[回答に見る特徴]
ECや通販パッケージを実際の導入した経験者に、導入の際の重視点を聞いたところ14項目中で9項目が前年に比べて増加。2018年調査のトップ3ボックスは「導入や運用のコスト(74.6%)」「ソフトやサービスの機能の充実度(58.3%)」「希望の納期への適応力(53.3%)」となっており、ソリューションを提供する会社への厳しい選択の姿勢が鮮明になっているとしている。
調査対象の回答者(n=300)が勤めているまたは経営している事業者規模は、売上げ5億円以上が81%(n=243)、さらに50億円以上は34.3%(n=103)です。従って、システムの新規導入ではなくリニューアルが多いと考えられ、リニューアルする新しいシステムへ期待値が年々高まってきていると分析。また、前述の「困り後・悩み事」でもうかがわれた、EC/通販事業者間での競争激化のため、コスト、パフォーマンス、納期等を特に重視していると推測する。
EC/通販事業者のビジネス課題に変化は?
[質問]
あなたの会社、事業所の通信販売事業について、ビジネス上重要と思われるものをいくつでもお選びください(複数回答)。
[回答に見る特徴]
同社の本件調査は6年目となる、EC/通販事業者のビジネス上重要と考える項目のスコアは大きな変動は無く、順位の交代も見られないという。EC/通販事業における「悩み事・困り事」「ソフトやサービス導入時の重視点」で見られるようなスコアの連続上昇とは対照的となっている。こうした項目が、事業者では通念としての課題といえると思われますが、今後も定点観測を続け、将来的なある時点での変化について注視したいとしている。
し烈さを増す競争と市場で求められるもの
調査結果にもあるように、EC/通販事業者の「悩み事・困り事、商品開発(マーチャンダイジング)」が5年連続で増加し、通販支援ソフトやサービス導入時の重視点(導入コスト、納期、機能など)は年々ハードルが高くなる傾向となった。また、EC/通販事業者のビジネス課題「売上げ拡大」「新規顧客獲得」「既存客へのサービス向上」などはここ5年間で大きな変動は無く安定している。
各事業者が支援サービスを見る目が厳しくなるのは、コストはもちろん、自身の事業の成否を左右しかねないものであるだけに、当然とも言えるだろう。また、ビジネス課題の要素に変化が無いのは、ECや通販事業が「ビジネス」そのものであり、そこにおいて本質的に求められるものが基本的に普遍である以上、これも当然の結果とも言える。
いずれにしろ、成長する同市場において、競争が一層し烈さを増す状況にあって、これらの傾向はさらに強まっていくのかも知れない。同社では調査に際し、中核顧客である通販企業の実態を把握したうえで、通販ビジネスの強化、通販サービス質の向上に向け、製品やソリューションサービス改善につなげていくとしている。
調査概要
・調査エリア:全国
・調査対象者:楽天リサーチ保有の調査パネル(ビジネスパネル)
・年商3,000万円~100億円までの対象業種・職種の役員、従業員、個人事業主
・調査方法:ネット方式によるアンケート調査
・調査期間:2018年6月24日~27日
・回収サンプル数:300(内訳は①マーケ:100、②業務:100、③情シス:100)
・調査主体:株式会社エルテックス
・調査実施機関:楽天リサーチ株式会社