NTTドコモ、au、ソフトバンクが発表した「プラスメッセージ(+メッセージ)」とは何だったのか?

石郷“145”マナブ(編集長)

 今回、気になる事があったので、トランスコスモス株式会社の理事 所年雄さんに話を伺ってみた。聞いてみたいと思ったのは「+メッセージ(プラスメッセージ)」についてだ。6月の発表以降、音沙汰があまりないが、かとってそこに可能性がないわけではないように思う。

 なぜにトランスコスモスかというと、同社はコンタクトセンターの企業というイメージが強いが、それだけ人と人とのコミュニケーションが要となって動いている会社だからだ。所さんもまた、コミュニケーションにおける時代の動きに敏感だからこそ、彼はコンタクトセンターの延長線上で、「プラスメッセージ」について、どう感じているのかを率直に聞いてみたのだ。

「+メッセージ」とは

 「+メッセージ」は、NTTドコモ、au、SoftBankの各社が同時に発表したメッセージアプリだ。電話番号を知っている相手に対して、テキストはもちろん、スタンプや写真などの情報を送受信することができるというもので、1対1でのメッセージのやりとりだけではなく、複数人でのグループメッセージのやりとりもできる、というわけだ。

トランスコスモスの所さんの目を通して、それをどう受け止めたのか?

トランスコスモス株式会社 理事 所年雄さん(写真 / 樋川枝利)

 「+メッセージ」の強みを考えれば、所さんは、やはり何と言っても「電話番号」と話した。長年、コンタクトセンターの知り尽くす中で、こう切り出した。「コールセンターにとっての財産というのは、かけてきた人の電話番号なんです」と。友達登録せずとも、相手とのコミュニケーションがもう成立しているというわけだ。ここでネットでの動きに繋げて、電話番号の付加価値をつけようということか。

 所さん曰く、お客様から問い合わせが来てオペレーターが「この電話は何を見て電話をかけてきたのですか」と問うと「ウェブを見て電話をかけてきた」と言う人の割合が、増えているという。

 特に、最近の傾向としては、電話がケータイ電話(=スマホ)である可能性が極めて高まっている。すると、ウェブ上ではクッキー情報が取れるので、その人がどのページを見て、電話をかけて来ているのかが分かれば、電話をかけて来た人と、ウェブのデータが紐づき、その電話番号を通じて、その人にその時以外のアプローチができるというわけなのだ。これは大きいと話す。特に、親密な友達登録でなくともそれができるのは大きい。

 コールセンター側が電話番号を確認し、パーミッションを取った上で、「マーケティング情報を送らせていただきます」と言えば、それで「プラスメッセージ」を送れるのだから活用しない手はないと。

電話番号はマーケティングの視点では有効なツールである

 所さんが例として挙げてくれたのは、エアコン。エアコンが壊れるというのは気温が25度を超える夏が多く、いざ暑くなってからクーラーをつけるので、どうしても効かないといったことが起こる。「壊れた」という報告が寄せられるのは、夏に集中するわけで、結果、コンタクトセンターとしては、その時期の稼働が多くなり、それ相応の対応が必要だし、単価も上がってしまう。

 でも、ここで、先ほどの経緯で、お客様の情報が取れていれば、過去そういう問い合わせをした人だと気づけて、4月の段階で、「そろそろ暑くなりますが、エアコンの調子はいかがですか」と同じスマホの「+メッセージ」に送ることができて、問い合わせの時期を分散できる。春であれば、コールセンターとしてはまだ余裕がある時期なので、問題はない。すると、コールセンターの活動の平準化がはかれるというわけなのだ。

「個」を象徴するものは、電話番号

 なるほど。昨今、「マスから個の時代」に移り変わっているが、誰しもが持つ「個」を象徴するものは、電話番号なのである。携帯キャリアは、そこに可能性を感じてトライしたということに違いないだろう。このサービスが発表されたときに、既存のメッセージアプリへの対抗などと言われたが、そう考えれば、別にそんなこともないように思う。一人一人が携帯を持つ時代になったからこそできる携帯キャリアからの強みを生かしたアプリサービスなのだと思うのだ。

 まだこのサービス自体が多くの人に知れ渡っているとも言いがたく、どうなるかは未知数。だが、メッセージアプリによるコミュニケーションはそれだけ多くの人の一般的な話になりつつある。コミュニケーションがそれだけ多様化していることを実感させられる訳で、ECに限らず、そういったものへの意識を大事にしたいという意味で、時代を象徴する動きとして、この話題を取り上げた次第だ。さぁ、間も無くiPhoneの新商品も登場するし、機種変やキャリアの変更が起こる時期でもある。NTTドコモ、au、ソフトバンクの出方はいかに。

記者プロフィール

石郷“145”マナブ(編集長)

ECのミカタ 編集長。キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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