【決済業界初】ソフトバンク・ペイメント・サービス、「NP後払い」と連携発表

利根川 舞

右:ソフトバンク・ペイメント・サービス株式会社 営業本部 営業3部 部長 長田直樹氏
左:株式会社ネットプロテクションズ セールスグループ マネージャー 中島康太郎氏

9月26日、ソフトバンク・ペイメント・サービス(以下、SBPS)と株式会社ネットプロテクションズ(以下、ネットプロテクションズ)は業務提携を発表。SBPSの「オンライン決済ASP」を導入している加盟店向けに、ネットプロテクションズの「NP後払い」を2018年10月から提供を開始するという。「NP後払い」が決済代行会社にシステム連携を行うのは2002年のサービス提供開始以来今回が初となる。

後払いもその他の決済と一本化して管理

国内EC市場が成長する中、2012年頃から後払い決済への参入が増え、後払い決済の市場規模も順当に成長。後払い取り扱い事業者の取扱額は2017年に4,200億円を突破している。また、最近では『GMO後払い』がLINE Pay請求書払いに対応したり、『ニッセン@払い』がデジタルガレージと新会社を設立し、事業譲渡するなど新たな動きも生まれている。

そして今回、SBPSとネットプロテクションズは業務提携により、SBPSが提供する『オンライン決済ASP』に『NP後払い』が標準連携することとなったのだ。

これまで、後払い決済サービスは決済代行が提供する決済手段の外にあることも多く、運用担当者からすれば、決済代行会社の管理ツールと後払い決済の管理ツールが分かれているため、両方を運用しなければならなかったが、今回の標準連携により、『NP後払い』の契約・決済・加盟店向け管理画面・清算・入金管理画面まで、SBPSがまとめて提供できるようになった。

EC事業者にとっては利便性が向上するほか、SBPSが提供する『NP後払い』の特徴としては、都度の支払いだけでなく毎月の定期購入にも対応、システム連携が容易なため、加盟店側の業務を軽減などがメリットして挙げられる。

提供スキーム

ECサイトの決済は引き続きクレジットカード決済の割合が多いが、長田氏は「一番シェアはあるけれど、使わないと決めているお客さんも多い。そのため、F1層には喜ばれるサービスかなと思います。また、化粧品や健康食品に関しては電話で注文を受けることも多いが、クレジットカード番号を電話越しでやりとりするのは厳しく、後払いのニーズは根強いでしょう」と語る。

オンライン決済、そしてリアル決済も

登壇したSBPSの営業本部営業3部 部長の長田氏は次のように語っている。

「我々としても今回の発表ができたことを喜ばしく思っています。『NP後払い』という業界のナンバーワンシェアのサービスと標準接続ができるということ。そして何よりも今まで独立系としてやられていたネットプロテクションズさんが、初めて弊社のような決済代行会社と標準連携していただけました。」

SBPSは現在25種類ほどの決済手段を提供しているが、今後も決済ラインナップの拡充を推進するのと同時に、ECだけでなくリアル決済の拡充も視野に入れているという。その一つとして、ネットプロテクションズが提供する「atone実店舗決済」との連携も検討を進めるそうだ。

一方、ネットプロテクションズとしてはまだ実績の少ないデジタルコンテンツ領域において、SBPSの97,941店舗という導入実績とノウハウをもとに、提供領域の拡大やサービス品質の向上を進め、事業拡大を狙っていくという。

EC事業者にとって、より手軽に後払いを導入できるということで、EC事業者にとっても、支払い手段が増える消費者にとっても嬉しい業務提携になりそうだ。


記者プロフィール

利根川 舞

ECのミカタ 副編集長

ロックが好きで週末はライブハウスやフェス会場に出現します。
一番好きなバンドはACIDMAN、一番好きなフェスは京都大作戦。

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