スマホ市場は成熟期?スマホとパソコンの利用状況に関する最新調査が実施される【ニールセン デジタル調べ】

ECのミカタ編集部

視聴行動分析サービスを提供するニールセン デジタル株式会社(東京都港区、代表取締役社長 宮本淳)は、PC版インターネット視聴率情報Nielsen NetView(ニールセン ネットビュー)、スマートフォン視聴率情報Nielsen Mobile NetView(ニールセン モバイル ネットビュー)、「ニールセン デジタルコンテンツ視聴率(Nielsen Digital Content Ratings)」のデータをもとに、2018年の上半期におけるPCとスマートフォンの利用実態をまとめたレポート「Digital Trends 2018上半期」を公開した。

パソコンとスマホの利用状況は?

パソコンとスマホの利用状況は?

2018年第2四半期(4月から6月)のスマートフォンからのインターネット利用者数(月間平均)は6,772万人となり、18歳以上の64%が利用していることが分かった。また、その伸び率を見ると、2014年以降年々鈍化していたが、今年に入りより鈍化し、初めて一桁の成長率(+9%)となった(図表1)。

また、PCとスマートフォン利用状況を見ると、16-29歳ではスマートフォンのみ利用しているのは41%に対し、PCとの併用は56%でスマートフォンのみ利用する人を上回る結果となっていた(図表2)。

スマホの利用に地域差

スマホの利用に地域差

18-64歳のスマートフォンの利用状況を地域別に見てみると、東京とそれ以外の地域でスマートフォンの利用率に違いがあることが分かったとしている。東京では79%、それ以外の地域では72%と、東京の方がスマートフォンの普及が進んでいる結果となっている(図表3)。

インスタやTwitterの利用でも地域差

インスタやTwitterの利用でも地域差

次に、SNSアプリの利用者数推移を見てみると、スマートフォンの利用に合わせて順調に利用者数を伸ばし、「Twitter」は2,885万人、「Facebook」は2,320万人、「Instagram」は1,968万人となっていた。

それぞれのSNSのアクティブリーチを地域別に比較すると、東京ではどのSNSでも、それ以外の地域よりもリーチが高く、特に若年層で東京以外との差が出ていた 。差が大きかったのは「Twitter」と「Instagram」で、共に東京は東京以外よりも8ポイント高くなっていた(図表4)。

好調なZOZOTOWNの利用率者数

好調なZOZOTOWNの利用率者数

最後に、スマートフォンからのZOZOTOWNの利用状況を見てみると、昨年同時期から22%利用者数を伸ばし、642万人が利用していることが分かった。地域・属性別で比較すると、東京の若年層を中心に利用者数を拡大し、東京の18-34歳では昨年から+92%増加していた(図表5)。

成熟期のスマホ市場がもたらす新たな課題

同社アナリストのコヴァリョヴァ・ソフィヤ氏は、今回の調査に際して、次のように述べている。

「2018年上半期もスマートフォンの利用者数は継続的に増加しているものの、伸長率は一桁に留まりました。50歳以上のスマートフォンへのシフトが全体の増加をけん引している状況ですが、伸長率は年々鈍化していますので、昨年の様な2桁成長にならない可能性も考えられます。

数年前までは、スマートフォンの普及率や利用者規模に注目が集まっていましたが、市場がさらに成熟してきた中で、どのような属性の人がどのようなサービスを利用しているのか、スマートフォンとPCを併用する人も多いことからPCも含めて、しっかりと理解することが一層重要になってきています。

特に利用者の居住地域ごとにサービスの利用動向は異なり、各サービスのアクティブリーチにも差が出ることが分かりました。『Twitter』や『Instagram』では東京の方が利用率が高いこと、また『ZOZOTOWN』でも東京の若年層の増加率が高く、同じ若年層の中でも利用実態が異なることから、広告主は年代別の利用状況はもちろん、利用者の居住地域別のメディア利用状況も把握したうえで、適切な手段でコミュニケーションをとる必要があるといえます」。

調査にあるように、スマートフォン市場はかなり安定期成長に入ってきていると言えるだろう。一人ひとりのユーザーが保有する極めてパーソナルなデバイスであるスマホ。EC事業で考える上でもそのユーザーの消費動向をつぶさに把握する必要性の重要度は今後さらに増しそうだ。

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