ファンケルがチャットボットソリューション『OKBIZ. for Chat & Bot』を導入し顧客対応の改善で実績
株式会社オウケイウェイヴ(以下「オウケイウェイヴ」)は、同社のチャットボットソリューション『OKBIZ. for Chat & Bot』がファンケルに導入され、そこでの実績について公表した。
チューニングで真価を発揮する「チャットボット」
チャットボットとは、チャット機能・サービスの一部または全部を、ボット(語源はロボットの短縮形)での自動応答で提供する仕組みやサービスだ。オウケイウェイヴ社によれば、チャットボットの自動応答は基本的にQ(質問)とA(回答)の関係であり、最初のシナリオ作りが非常に重要となるという。
シナリオ作りの方法は「ルールベース」と「機械学習ベース」の2種に大別でき、ルールベースは、Q&Aデータベースを基に手作業でシナリオを作り、Q(質問)に対してA(回答)を出力する。
機械学習ベースは、チャットボットに搭載されたAIがデータベースを学習してシナリオを作り、Q(質問)に対するA(回答)の統計・確立値を見ながらチューニングしていく。それにより、チャットボットでの回答範囲が広がったり、ボットが自らシナリオを生み出したりできるようになるのだ。
SNSの浸透でチャットボット活用に広がり
「チャット」は近年、企業のサポート部門で急速で導入が進んでいる。同社は、コールセンター白書2018を引用して次のように述べている。「コールセンターでサポートしているチャネル」について、「チャット」は2013年には1.8%だったものが、2018年には26.7%に拡大した。
「チャット」の導入は、企業にとっては複数の顧客対応を同時に行うことが出来、業務効率化に寄与する。また、顧客側から見るとLINEなどのSNSが普及し、テキストによるリアルタイムのコミュニケーションへのハードルが下がったことで、手軽に問い合わせが出来る「チャット」の利用価値が上がっている。
同社では、2016年以降には「チャットボット」が登場しお問い合わせやオンライン手続きを自動で対応出来るようになったことも、「チャット」の利用促進につながり、導入が進む背景となっていると分析している。
SNS連携も実現している「OKBIZ. for Chat & Bot」
オウケイウェイヴ社のチャットボットは、同社のFAQサービス「OKBIZ. for FAQ」との連携が可能であり、FAQサイトに掲載するQ&Aをチャットボットにそのまま展開することが可能だ。
前述の通り「チャット」の運用にはデータベースの存在が重要だ。オウケイウェイヴの「OKBIZ. for Chat & Bot」では、業界シェア1位のFAQシステム「OKBIZ. for FAQ」との連携も可能となっており、FAQデータベースをそのまま活用できる点が大きなアドバンテージとなっている。そのためデータベース管理の効率化を図りながら、より顧客が使いやすく、自己解決を実現出来るシステムとなっているという。
また、大手SNSとの連携も実現しており、PC・スマホからだけでなく、LINEやFacebook MessengerなどのSNSアプリを窓口としたサポートも可能となっている。さらに要求度の高い金融系や、大手企業への導入により培われたハイレベルなセキュリティを実装しており、高い堅牢性を実現している点も特徴となっている。
導入事例:株式会社ファンケル
ファンケルはコスメのトップクラス企業であることはもちろん、サービス産業生産性協議会(SPRING)が発表する日本版顧客満足度指数(JCSI)の通販部門で、毎年上位に名前を連ねている。同社はWebサポート体制を大幅に強化する為、チャットボットシステム「OKBIZ. for Chat & Bot」とFAQシステム「OKBIZ. for FAQ」を導入した。
健康志向の高まりにあわせて2014年度以降に開始した定期的にサプリメントなどを届けるサービスを開始し、それにともなって電話とメールでの問い合わせ件数は倍以上に増えていた。
問い合わせ急増の背景には大きく分けると2つの要素があった。1つ目がFAQサイトでの情報提供が顧客の望む回答になっていなかったこと、2つ目はFAQのレイアウトが文字列で羅列されていた為、顧客が一目で理解しづらい仕様となっていたことだった。
FAQサイトへの上記課題もあり、また電話やメールに続く第三の問い合わせチャネルとしてチャットの導入も視野に入れていたこともあり、FAQサイトとチャットボットシステムを一気通貫で管理・運用が出来、顧客の自己解決の機会を増やす為、オウケイウェイヴのシステム導入を決断したのだ。
ファンケルでのユーザーの声を反映した改善事例
ファンケル社では、問合せ窓口に入ってくる顧客の声をデータベースで一元管理しており、新商品開発のヒントを得たり、新商品の初動がどうだったかなどを確認しており、商品の改善に活かされるケースも多くあるという。
一例として、サプリメントの外装袋の改善がある。袋の角が丸くなっているのは、「当たると痛い」などの指摘に対応し、丸い形状に手直ししたためだ。また開封後の断面だが、前面が短く切れており、後面の内側のアルミが見えている。これは、指がかかりやすいよう設計変更した結果だ。
揃っている方が見た目にもきれいだが、ユーザーから「開けづらい」という意見を多あり、商品全て開封時には開け口がずれるように設計しなおした。またファンケル社では期間限定商品について「再販はしないのか」などの声が届いた場合、その声もデータベースで管理し、その商品が再販売すると決定した際には、再販売のお知らせをすぐに届けるようにしているという(商品によっては、再販売を伝えた人の70%が購入に至った事例もある)。
実力を示したオウケイウェイヴ社のソリューション
前述のファンケル社における事例では、システム導入による業務効率化や顧客の声の一元的管理だけでなく、サポート部門で集まったナレッジを商品開発・改善に活かしていることが示されている。
EC市場のみならず、サポートやカスタマーセンターは、顧客とのコミュニケーションがはかれる貴重なコンタクトポイントであるだけでなく、そこでのサービス品質は、顧客満足度を向上させる上での決め手となり得る。
一方で、その品質を維持しながら殺到する問い合わせに対応するには、マンパワーだけでは限界があるのも事実だ。そこで、問い合わせ対応などを自動化しつつ一定の品質を担保できるチャットボットなどのシステムは有効な解決策となる。
特にオウケイウェイヴ社のソリューションはSNS時代にフィットした機能とFAQとの連携を実現するなど、実際の活用環境にあわせた特徴を持っており、今回その実力がファンケル社において証明されたことになる。今後のあらたな導入実績とさらなる機能の改善にも期待がかかるところだ。