世界1位の伸び率を見せる中国EC市場。「親友感覚」のチャットが鍵

ECのミカタ編集部

株式会社オウケイウェイヴ(本社:東京都渋谷区/代表:松田元)が、サポート業界の動向や業務に役立つ情報、企業インタビューなどを発信するWeb通信「サポツウ!」をご存じだろうか。
今回はそこから、世界No.1である中国EC市場の現状と独特なカスタマーサポート事情を解説する。

大手2社が8割を独占!中国EC市場のいま

大手2社が8割を独占!中国EC市場のいま

平成30年4月の経産省商務情報政策局の発表によると、2017年度中国のBtoC-EC市場規模は11,153億ドルを占めるという。

成長率で見ると対前年比で35%の伸びを見せており、世界1位の勢いで伸びている。

その内情はというと、アリババグループの「タオパオ」「Tmall」が約6割、京東グループの「京東商城(JD.com)」が約2割と、2社が全体の8割を占める結果となっている。

特にBtoCを中心としたECサイト「Tmall」は、日本の大手企業も出店している中国最大のショッピングモールだ。

成功のカギを握るのは、「充実なサポート体制」

成功のカギを握るのは、「充実なサポート体制」

中国のECサイトでは、購入前に勝因に関する疑問や不安点を店側に投げかけ、納得いくまで回答を得る、という顧客慣習がみられる。

これはかつて類似品や海賊版が多く出回っていたことから、本物かどうか確認したい、という思いに裏付けされているところも大きいようだ。

そのため多くのECサイトが、問い合わせ専用のチャットツールを装備している。

特に顧客になじみ深いのは、アリババグループが提供する有人チャットツール「阿里旺旺(アリワンワン)」とAIチャットボットツール「阿里小蜜(ALIME)」だ。

いずれも「タオパオ」「Tmall」での店側、運営側への問い合わせに活用されており、「阿里旺旺(アリワンワン)」で店舗に問い合わせて解決できなかったときは「阿里小蜜(ALIME)」でタオパオ運営側に相談できるような体制を整えている。

親友感覚のチャットで質問しやすく

親友感覚のチャットで質問しやすく

有人チャットツールのアリワンワンは、まるで親友のように距離の近い接客サービスが特徴だ。

店側と直接チャットすることができるうえに、店側のオンライン状況や既読の有無がわかるようになっている。

チャット履歴が残っているため、以前の質問内容を呼び出すことも可能だ。

顧客との友達感覚の接客で問い合わせのハードルを低くし、配送状況の確認などもスムーズに行える。

PCにもスマホにも対応し、自動で同期される点でも扱いやすい。

日本のECカスタマーサポートの課題はサポートチャネルの多様化

日本でも顧客優先の文化は強く、有人のカスタマーサービスなど問い合わせ対応に力を注いでいる企業は多い。

しかし、顧客優先が強すぎるために、様々な顧客のニーズに応えるサポートチャネルの多様化が課題のひとつとなっている。

ツールが多く複雑になるため、EC事業者にとっては扱いにくく、時間やコストの問題で踏み切れないという企業もある。

オウケイウェイヴの運営する「OKBIZ.」では、そうしたサポートツールを一元管理したり、多言語対応することが可能となっている。

中国のように接客の距離感に力を注ぐためには、まずツールの管理から見直してみるのも良いだろう。


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