Amazon成功企業「Furbo」登壇! Amazon完全攻略セミナー【ECのミカタイベントレポート】

須崎 千春

2019年5月21日(火)開催のECのミカタセミナーイベント「Amazon成功企業登壇! Amazon完全攻略セミナー」。

EC業界が盛り上がりを見せる中、大手ショッピングモールへの出店と攻略は、ショップ運営を成功させるための「必須事項」と言っても過言ではない。今回のイベントでは、実際にAmazonに出店して成功している企業を始め、成功するAmazonショップ運営をサポートするサービスを提供している企業に登壇してもらった。そのそれぞれのポイントを紹介する。

【Amazon出店企業登壇】 Amazon出品者に学ぶ売り上げアップ施策

   登壇者
   Tomofun株式会社 日本法人代表取締役 布施 健 氏

第一部のテーマは「Amazonの売り上げアップ施策」。登壇企業であるTomofun株式会社は、2016年に日本法人が設立され「ペットラバーに喜びとイノベーションを」をスローガンに、『Furboドッグカメラ』を販売。卸売を行わず、利益率やユーザーとのコミュニケーションを重視してダイレクト販売に集中している。

代表の布施氏は、「Amazonは効率的かつ効果的な売り上げづくりを追求する場所だ」と、セール参加時には10秒に1台ペースで販売する実績などを元に、CV数を最大化させる「セッション対策」について語った。

「セッションを伸ばす対策は様々で、FacebookやGoogle、Amazonの広告、公式InstagramなどのSNS、プレスリリースを配信して獲得するメディア露出、母の日に特別セールを行う催事特集、ターゲットの20代後半女性に人気のインフルエンサーPR、そして、アマゾンが開催するタイムセールへの参加などが挙げられます。

特に広告では、Amazonの商品検索ページ上部などに表示されるAMS広告や、Amazon内外に露出され販売に有効な情報を表示できるAAP広告が有効なので、予算を充てるようにしていますね。

また、不定期開催のサイバーマンデーやプライムデイなどのビッグセールや、毎日開催のタイムセールなど、Amazonが開催するセールへの参加も非常に有効です。購買意欲の高い良質なセッションが大量に集まるチャンスは活用していきましょう。」

大手ショッピングモールが複数ある中でAmazonを選択したのは、「少ないリソースでも短期間集中すれば爆発的な売り上げをつくることができるから」と語る布施氏、続いては「CVR対策」と「Amazonリレーションシップ」についての話題だ。

「CVR対策を大きく分けると、タイトルや商品画像、商品紹介コンテンツを購買ユーザーに最適化するページ対策、スムーズなユーザー対応が可能になるFBA、良いレビューが集まる仕組みをつくるレビュー対策の3つになります。

まず、Amazon利用者の多くがスマートフォンを使用していることから、モバイル用にページ対策を行うことが重要です。編集できる項目を理解して、商品タイトルや価格、商品の説明欄を、転換率が上がるように編集しましょう。

わたしたちの場合は3ヶ月に一度、『家をよくあける女性』などのターゲットカスタマーに『ページを見てどういう印象をもったか』『競合のページと比べて自社はどうか』などとヒアリングを行い、定期的に商品ページを最適化しています。この最適化を地道に行った結果として、CVRを昨年比で1.77%も上げることができました。加えて、お急ぎ便、返品などをスムーズに対応してくれるFBAは転換率も上がりますし、コストを考えても導入しない理由はありません。

レビュー対策は、『どのようにハッピーカスタマーのレビュー参加率を上げるか』を考えることが重要です。レビューへの返信は必ずしますし、Facebookでユーザーコミュニティーグループを作り、月に1度はユーザーサーベイをするなど、ハッピーユーザーから意見を吸い上げる活動もしています。製品開発に関わるレビューなどは随時チェックしつつ、製品に関係のないレビューは欠かさずAmazonに削除依頼を行いましょう。

そして最後はAmazonの内部を把握してリレーションをつくる『Amazonリレーションシップ』についてお話します。わたしたちショップ運営者には『変更依頼が反映されない』などの悩みは付きものですが、まずは『Amazonのどこのチームに依頼内容の決済権があるのか』『この部署のKPIは何か』とAmazonの内部を把握するが大切です。

積極的にAmazonの担当者とコミュニケーションを取り、依頼したいことができたときには、双方にメリットのある依頼内容を考えること。こうすることで運用スピードが上がり、結果的に売り上げが良くなります。」

――セッションとCVをいかに上げるか。この2つの対策にはAmazonとのリレーションが要となるだろう。布施氏が3年弱Amazonを研究してきた中で効果が出た施策だけをお伝えした第一部。すぐに実践できるAmazonの売り上げアップ施策ばかりなので、ぜひ積極的に試してみてほしい。

【FBAマルチチャネル】 FBAマルチチャネルの運用方法

   登壇者
   株式会社アイル CROSS事業部 CROSSMALL推進課 尾崎 一索 氏

第二部の登壇企業は、ECサイトのバックヤードを一元管理するシステム『CROSS MALL』を提供する株式会社アイル。CROSS MALL推進課の尾崎氏が「FBAマルチチャネルの運用方法」をテーマに語ったのは、FBAの導入メリットや作業の効率化であった。

まず「FBAマルチチャネル」とは、Amazon以外のネットショッピングモールや本店サイトで商品が購入された場合に、Amazonが出荷・配送・在庫管理までを代行してくれるサービスのことだ。商品の在庫をAmazonに渡しておけば、24時間、年中無休でサービスを提供してくれるのである。

「FBAマルチチャネルは、無地段ボールでのAmazonクオリティの配送、お急ぎ便やお届け日時指定対応、代金引換などの決済オプションの追加、納品書のカスタマイズ、購入者からの返品対応などを行ってくれます。

これらのサービスを手軽な価格で利用できることから、『自社出荷だと出荷スピードに限界がある』『土日出荷ができない』などのお悩みをもつ企業がFBAマルチチャネルを導入するパターンが増えています。『お急ぎの購入者さまに少しでも早く商品を届けたい』この気持ちが叶えられるのです。」

この度、CROSS MALLの新機能としてFBAマルチチャネルに対応。CROSS MALLの自動処理機能を使う事によって、土日バックヤードのスタッフがいなくても、Amazonへの自動出荷指示が実現する。

この機能を先行して利用したショップは売上UPを達成。また、「自社の定休日でも出荷が可能に」「早期のお届けが可能になり、喜びのレビューが増加」「注文量は増えたが運営負担は軽減された」など、CROSSMALLのFBAマルチチャネル連携を利用した導入企業からは良い声がたくさん聞こえてくる。

【Amazon事業拡大・活用戦略】 Amazon近未来予測!2019年版[新]Amazon活用戦略

   登壇者
   株式会社いつも. 上席コンサルタント 立川 哲夫 氏

第三部のテーマは「Amazon近未来予測!2019年版 [新]Amazon活用戦略」。登壇企業の株式会社いつも.は、ネット通販やECサイトのコンサルティングを行い、売り上げや集客の支援をしている。Amazon動向調査の結果から、「今Amazonを頑張れば数年後には競合他社と差をつけられる」と今後のAmazonの必要性をわかりやすく解説した。

「日本市場はずっと何十年も横ばいではあるが、その中でもEC市場が5%〜8%の伸びを見せ10兆円だと言われています。このように、ECへの期待が高まり注目を集めている中で、わたしたちが優先的におすすめしているのが『モール系への出店』です。

集客コストも最適化できますし、Googleにおいて『女性 財布』などビッグワードを検索しても大手モールの特集ページがヒットしやすい状況も続いています。このような理由から、今後Amazonを攻略する必要性が見えてきます。さらに、多くの企業が悩む『若者たちの獲得』という点を見ても、10〜20代はAmazon利用が70%以上を超えているという調査データも出ています。」

では、その上でどのようにAmazonを攻略するのか。Amazonの成長サイクルに基づき、「よく知られているができている企業が少ない施策」を伝授した。

「Amazonは、商品ページの作成、広告運用、アクセスUP、購入数UP、高評価レビューの増加……と成長サイクルをベースとしています。

まずは商品タイトルに検索ワードをたくさん入れる、スマホに最適化した商品画像を必ず6枚追加する、説明欄5行を充実させる、カラーや数量などを商品ページにグルーピングする、商品レビューの見直しを行うなど、担当者ができることはたくさんあります。

また、競合の商品ページ内に自社商品の広告を表示させることを、『広告のオフェンス配信』、競合にユーザーが流れないように自社の商品ページ内に広告を配置する『ディフェンス配信』などを組み合わせるなどの工夫も必要です。

このように、Amazonの攻略法を『知っている』だけではなく『実践を積み重ねる』ことで、1年後にはプロと戦えるようになっているはずですし、競合との差も生まれているはずです。」

まとめ

消費者の生活に根付いていながらもまだまだ成熟しきっていないAmazon市場。売り上げアップのための実践的なTipsを始め、Amazonをよく知る企業の登壇内容は、「分かってはいるが攻略しきれていないかも…?」と、改めて自社の商品ページや活用方法を見直すいい機会になったのではないだろうか。

数年後の市場の伸びを見込み、今から商品ページの最適化やレビュー集め、Amazon広告の運用などに取り組むことが運命の分かれ道となりそうだ。ぜひ、本イベントで得たAmazon攻略情報を活用して、EC戦国時代を勝ち抜いてほしい。


記者プロフィール

須崎 千春

1992年生まれ 北海道出身。朝ごはん巡りが大好きなフリーライター。
ビジネス系の書籍やWeb記事の執筆をメインとし、「ECのミカタ」ではECサイトを運営する会社での勤務経験を活かし、企業インタビューを行なっている。

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