デジタル時代でも顧客対応は『有人』が有利 「企業とお客さまとのコミュニケーション実態 2019年版」が公表される

ECのミカタ編集部

株式会社KDDIエボルバ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:中澤雅己、以下「KDDIエボルバ」)は、企業と顧客間におけるコミュニケーションの「最新動向・実態・ニーズ把握」を目的に、1年以内に商品・サービスの情報収集や企業お問合せをした1,241人を対象とした調査を実施した「企業とお客さまとのコミュニケーション実態 2019年版」を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

調査概要

・調査地域 :全国(日本)
・調査方法 :インターネットリサーチ
・調査時期 :2019年1月
・有効回答数:1,241サンプル
・調査企画 :株式会社KDDIエボルバ

スマホ利用が進む一方で「情報収集はWeb」

スマホ利用が進む一方で「情報収集はWeb」

情報収集・問合せ・購入時、いずれの場合も、最も利用されるのはスマートフォンだった。前年の調査時より、さらにポイント数がアップした。今回から購入時を追加で聴取したそうだが、情報収集と同じような結果となった。

一方で公式Webサイトが「情報収集1位・問合せ3位・購入時2位」と上位に入っている。情報収集、問合せにおいては公式Webサイト内FAQも20%超に利用されており、公式Webサイトが店舗や電話(コールセンター)と並び、企業のコミュニケーションチャネルとして重要な位置づけとなっていることがわかる。情報収集、問合せは前年も調査していたが、今回と同様の順位であった。

また情報収集・購入時はいずれも平日18~22時の利用が最も多く、休日の日中帯よりも多い。さらに平日22時以降も10%を超えており、夜間帯の需要が高いことがわかる。

問合せについては、最も多いのが平日12~18時、次いで平日9~12時となっており、窓口の開いているケースが多い時間帯に合わせていることが推察される。

情報収集・購入時に不明点が生じた場合、夜間帯は問題解決に至っていない可能性もありそうだ。

問い合わせ満足度は有人対応が上位

問い合わせ満足度は有人対応が上位

Webでの自己解決を望む(ややそれに近いを含む)割合が44.0%と「人」に対応してほしい(ややそれに近いを含む)を上回った。これは前年より2.4ポイントアップしており、Webでの自己解決の意向がより伸長する結果となった。

性年代別では、男性は40代までは年代が上がるにつれ、Webでの自己解決意向が強まり、女性は若年層のほうがWebでの自己解決意向が高い傾向となった。

また問い合わせにおける満足度は、店舗、Webチャット(有人)、電話(コールセンター)、Eメールと人が対応するチャネルが上位となり、いずれも「非常に満足している」と「やや満足している」の合計で6割以上となった。

有人チャットはQ6の解決度では、3位だったものの、満足度では電話(コールセンター)を抜いて2位となっている。一方、公式Webサイト、公式Webサイト内FAQ、自動応答のWebチャットなどデジタルチャネルの満足度は、4~5割程度にとどまった。

満足した経験もクチコミとして拡散する傾向

満足した経験もクチコミとして拡散する傾向

問合せ後に満足したことを、誰かに伝えたり書き込んだりするか調査したところ、「友人・知人に口頭で伝える」と「WebやSNSなどに書き込む」を合わせて5割以上が口コミや投稿すると回答。

特に女性は、60.9%が口コミ・投稿を行っており、そのうち52.0%が「友人・知人に口頭で伝える」と回答。企業の窓口で満足した事実は、口コミで伝える傾向にあることがわかる。

不満やクレームの口コミや書き込みがクローズアップされることが多いが、企業窓口で満足した経験についても、拡散する傾向にあることが明らかになった。

消費者の意向に沿ったきめ細やかな対応がカギか

調査結果にあるように、スマートフォン起点の窓口利用が広がっており、自己解決をしたいという消費者の意向が伸びている一方、チャット窓口が定着してきていることがうかがえる。また人が対応するチャネルが解決度も満足度も上位となった。

スマートフォンは企業と顧客のコミュニケーションの起点であり、その傾向は加速している。消費者は夜間など自由になる時間帯に、商品やサービスについて、Webサイトなどで情報収集・購入を行う傾向があり、企業はスマートフォンでのUI・UXを意識したうえで、夜間対応など消費者のライフスタイルに合わせたチャネルを充実させることが必要となるだろう。

同時にWebサイトからの導線整備や有人チャットとのシームレスな連携などがCX向上のカギとなりそうだ。問合せの満足度は依然として、人が対応するチャネルに、WebサイトやAIによる自動応答のWebチャットなどのデジタルチャネルは及ばない。

これからのデジタルチャネルは、より複雑な問合せ、顧客それぞれに合った個別の問合せへの対応など質・回答精度の向上が求められるとも言えそうだ。

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