インスタ画像から似ているアイテムを探し出して購入できる『miel』β版リリース 将来的には画像投稿で広告収入が得られるように
株式会社メタップスワン(本社:東京都港区、代表取締役社長:高木 誠司、以下「メタップスワン」)は、インスタグラマーの投稿画像や自分が撮影した写真をもとに、AIが様々なECサイトから類似商品を提案し、購入までできるアプリ「miel(ミエル)」のβ版をリリースした。
気になる画像から似ているアイテムを提案
mielには、2通りの楽しみ方がある。
◆1.人気インスタグラマーの投稿画像からアイテムを探す
人気インスタグラマーのInstagram投稿画像のうち、ファッション関連の投稿画像のみタイムラインで閲覧することができる。ユーザーが、投稿画像の中に気になるアイテムをタップすると、mielに参加している様々なファッションECサイトの約100万点(※2019年6月現在)の中から、似ているおススメののアイテムをAIが提案する。その中でお気に入りのアイテムが見つかれば、画像を選択し、そのままECサイトで購入することが可能だ。
◆2.自分で撮影した写真などからでもアイテムを探せる
SNSや、雑誌を見ていて気になったコーディネートやファッションアイテムなど、画像さえあればmielが似ているおススメのアイテムを提案する。その場で撮影した画像でも、スマホに保存してある画像でも利用可能だ。ユーザーは、様々なECサイトのアイテムを横断的にみることができ、そこで気になるアイテムがあれば、そのままECサイトで購入できる。
画像とファッションECサイトをつなぐ
同社では「miel」β版リリースの背景として次のように述べている。
「メタップスワンは、前身であるビカム株式会社の時代から10年以上にわたって商品検索サイト「Become.co.jp」を運営してまいりました。同サイトでテキスト検索技術を磨く中、SNS時代が到来し、テキストだけではなく画像で検索したいというニーズを多くいただいていました。
すでにGoogle、Instagram、Pinterestといったサービスの画像検索技術によってファッションアイテムを画像から探すことは実現されています。しかし、画像検索により気に入った服や商品を見つけることができても、そこからすぐに購入することができず、ユーザー体験としては必ずしも満足いくものではありません。
Instagramのショッピング機能のように、ファッションECサイト様が主導して、投稿された画像から自社の商品購買までをスムーズに実現する機能も登場しており、SNSからの購買体験も普及しはじめております。
しかし、ファッションECサイト様としても、自らが各画像にタグをつける作業やデータをアップロードするなどの手間がかかることに加え、それらを日々メンテナンスする工数が膨大であるなどの理由から、体制を作ることができる一部企業やサイトのみでしか普及していません。
そこでメタップスワンは、数多くの画像とファッションECサイト様をつなぐだけで、ファッションアイテムのマッチングをすべて機械学習で対応する、というシンプルなサービスを提供いたいします。それが、AIファッションマッチングアプリ『miel』です」。
またファッションECサイト側のメリットとしては、mielに参加登録することで、新たな販売チャネルとして新規ユーザー獲得が可能である点が挙げられる。
現在、登録しているECサイト(一部)
・i LUMINE
・WORLD ONLINE SOTORE
・LOCONDO
・ONWARD CROSSET
・.st
※順不同敬称略
なお同社では新たな参加登録ECサイトを募集中とのことだ。
正式リリ―ス後は広告収入が得られるように
インスタグラマーは、mielを通して新たなフォロワー・ファンが生まれる可能性があることはもちろん、instagramに投稿した画像から、mielを通じてファッションアイテムの購買につながった場合に広告収入を得ることができる。
mielに一度アカウント登録すれば、mielがinstagramに投稿したファッション関連の画像を自動的に取り込み続けるため手間なく簡単だ(β版の期間においては広告収入は得られない。同サービス開始後から広告収入が発生する予定)。
現在、インスタグラマーとの連携において、約5,000名を超える国内最大規模のインフルエンサー・ネットワークを束ねるタグピク株式会社(本社:東京都渋谷区 代表取締役 安岡 あゆみ)協力のもと、すでに10人のインフルエンサーが登録している。
・mmmcoco07 (インスタグラマー/ブロガー)
・金城ゆき (美人百花・and GIRL読者モデル)
・越馬千春 (会社員)
・佐藤 瀬奈 (ファッションモデル)
・中島絢乃(インスタグラマー)
・中田絵里奈 (le reve vanillerプロデューサー)
・Haruka (インスタグラマー)
・midopei (ブロガー)
・Yui Fukuyama (インスタグラマー)
・渡辺静香 (インスタグラマー)
※アカウント名による五十音順:敬称略
※総フォロワー数は約48万人 (2019年6月時点)
現在、インスタグラマーについても新たに追加募集している。
難しい服と服の関係を機械学習で解析
mielのお気に入りの服の類似商品を探し出す画像検索機能には、最新の機械学習技術が活用されている。核となる技術は畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Networks:CNN)とベクトル表現(vector representations)だ。「miel」はCNNにより服の種類判定や背景削除などを行っている。
またベクトル表現により「色・柄・袖の長さ・襟の種類」などファッションに適している軸を参考にしながら、言語では説明が難しい服と服の関係をある程度数学的空間で表現しながら機械学習に活用している。
mielの開発においては、Become.co.jpで培ってきた大量のトレーニングデータが使われた。登録されるファッションECサイトやアイテムが増えれば増えるほどマッチングの機械学習の精度がより高まり、全く同じ服が見つかるという体験も増えていくという。
今後は画像からだけでなく、動画からも類似ファッションアイテムを提案、購入できる機能も拡充していく予定となっている。
マーケティングやプロモーションのフィールドとして重要度を増すSNS。トレンドとしてSNS上の画像や記事から直接購入できるコマース形態が注目されている。一方で同社も指摘するように、それを実現するには少なからずハードルがあった。今回β版がリリースされたmielはまさにその課題解決に正面から応えるもので、正式リリースに向けた展開が大いに期待されるところだ。