【博報堂】変化する消費マインドとEC市場の“今”が明らかに 消費1万人調査第2弾「サービス利用実態・意向編」が公表される

ECのミカタ編集部

博報堂生活総合研究所は「消費1万人調査」を行った。この調査では、個人間取引や中古品売買の増加、所有せずに定額で利用するサービスの登場など、消費環境が大きく変化するなかで、生活者の買い物・消費に関する価値観や行動がどう変わったのか、全国の15~69歳の男女1万人に対して聴取されている。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

調査概要

博報堂による今回の内容は、第二弾「サービス利用実態・意向」編となる(第一弾「平成の消費観・消費行動に影響を与えたもの」編 -2019年6月25日既報-)。近年登場した消費・買い物周りのサービスについて、「現在利用している」「今後利用したい」の回答結果についてまとめられている。

なお同調査は、博報堂生活総合研究所で進めている消費に関する研究の一環で、同調査を含む各種研究の成果については、サマーセミナー2019「消費対流~『決めない』という新・合理~」として、研究発表イベントやレポートなどで公表される予定だ。

ネットスーパーの利用意向に広がり

「ネットスーパー」の利用実態(利用率)は11.4%にとどまるものの、今後の利用意向では調査対象の10~60代すべての年代で3割台となっており、利用の広がりが予想されるとしている。

利用意向と利用率の差をみると、「ネットスーパー(21.6ポイント)」に次いで「インターネット上の家計簿サービスやアプリ」が15.4ポイント、「フリマアプリ(出品・販売)」が14.3ポイントと伸びが大きくなっている。

年代別特徴「若年層にサブスクが浸透」

年代別特徴「若年層にサブスクが浸透」

「フリマアプリ(購入)(出品・販売)」や「インターネット上の家計簿サービスやアプリ」、「音楽や動画などのサブスクリプションサービス」、「スマホゲームへの課金」などの新しいサービスは、若い人ほど利用率・利用意向ともに高い傾向となった。

また「フリマアプリ(購入)(出品・販売)」は、10~30代で利用率が約3~4割となり、利用意向では4割を上回った。特に10代では、購入の利用意向が58.6%、出品・販売の利用意向が55.9%と、それぞれ過半数に上っている。

「音楽や動画などのサブスクリプションサービス」は、10~20代では2割以上が「現在利用している」と回答しており、利用意向でも4割弱と高くなっている。今後10~20代を中心に利用が広がりそうだ。

男性はオークション・女性はフリマアプリ

男性はオークション・女性はフリマアプリ

男性では、「インターネットオークション(購入)」の利用率・利用意向が女性より約14ポイント高くなった。また「インターネットオークション(販売)」も同様に、利用意向が女性よりも高くなっている。

一方女性では、「フリマアプリ(購入)」の利用率が男性より6.4ポイント高い25.4%、利用意向も5.1ポイント高い35.3%となっている。また「フリマアプリ(出品・販売)」は利用率が21.7%、利用意向が35.8%と男性よりそれぞれ約7ポイント高くなっており、男女で傾向の違いがみられた。

変化する消費者のマインドとEC市場

調査結果にあるように「ネットスーパー」は全年代で利用意向が3割を超え。現在の利用率を大きく上回り、10代で「フリマアプリ」利用意向が過半数となった。また男性は「ネットオークション」、女性は「フリマアプリ」の利用率・利用意向が高いという結果だった。

これまでECが必ずしも得意としてこなかった生鮮を含むネット―スーパーの利用意向に広がりが見られ、また消費から利用へと所有の概念にも変化をもたらすサブスクサービスの浸透が進んでいることが浮き彫りとなった。このようにECを取り巻く消費者のマインドとトレンドは、徐々に変化していることが証左された調査結果とも言えるだろう。


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