使いたい決済手段が対応していなければ6割以上が離脱 SBペイメントサービスが決済とユーザーのマインドの関係を明らかにする調査を実施

ECのミカタ編集部

ソフトバンク株式会社の子会社であるSBペイメントサービス株式会社は、ECサイト(物販、デジタルコンテンツ)における決済手段の利用実態に関するアンケート調査を実施した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

調査概要

[調査名]
物販サイト(洋服、靴などの身に付けるアクセサリー、化粧品、本、食料品、医薬品など)やデジタルコンテンツサイト(電子書籍、動画視聴サービス、オンラインゲーム利用料、イベント参加費、会員費など)における決済手段の利用実態に関する調査

[調査方法]
株式会社ジャストシステム「Fastask(ファストアスク)」を用いたインターネットリサーチ

[調査地域]
全国

[調査期間]
2018年12月1~10日

[調査対象]
1年以内に物販サイトで何らかの商品を購入した10~80代の男女1,986人・     1年以内にデジタルコンテンツを購入した10~80代の男女1,173人

[調査元・出典元]
SBペイメントサービス株式会社

※物販サイト:洋服、靴などの身に付けるアクセサリー、化粧品、本、食料品、医薬品などを販売するECサイト

※デジタルコンテンツサイト:電子書籍、動画視聴サービス、オンラインゲーム利用料、イベント参加費、会員費などを販売するECサイト

未だ根強いカード決済

未だ根強いカード決済

ユーザーがECサイトで最も利用する決済手段は、物販サイトとデジタルコンテンツサイトのいずれにおいても「クレジットカード決済」が約80%と圧倒的に高く、次いで「コンビニ決済」が高いという結果となった。「クレジットカード決済」のユーザーへの浸透率の高さがわかる。

また物販サイトで最も利用する決済手段のアンケート結果を男女別に分けた結果は次のとおりだ。「クレジットカード決済」と「コンビニ決済」の割合が高いというのは男女共通だが、特徴的なのは男性が「代引き」を、女性が「後払い」を選択する割合だ。

男性が「代引き」を選択する割合は3.6%と女性の割合よりも1.6%高く、ユーザーのコメントから、商品の受け取りと同時に支払いができる点が評価されていることがわかる。一方で、女性が「後払い」を選択する割合は3.1%と高く、より慎重に、手元に届いた商品を確認してから安心して支払いたいという傾向があるということがわかった。

10代~20代はクレカをあまり使わない

10代~20代はクレカをあまり使わない

物販サイトの男女別のデータを年齢別に分けた結果はグラフのとおりだ。この結果で顕著なのは、10~20代のクレジットカード決済の利用率で、他の年代に比べて低いことがよくわかる。コンビニ決済を利用するユーザーのコメントの中でも、「そもそもクレジットカードを持っていない」という意見もあり、特に若年層のユーザーをターゲットとする場合は、クレジットカード決済以外の決済手段を用意する必要があると言える。

一方、デジタルコンテンツサイトで最も利用する決済手段のアンケート結果を男女別に分けると、グラフのとおりになった。最も利用する決済手段として「クレジットカード決済」、「コンビニ決済」、「キャリア決済」の順位は男女ともに共通だが、女性はコンビニ決済が10.4%、キャリア決済が5.7%と男性に比べ、クレジットカード決済以外の決済手段も高い割合で利用される傾向にあった。そのため、女性ユーザーの獲得による売上拡大を狙う場合は、コンビニ決済やキャリア決済の導入検討も重要になる。

デジタルコンテンツサイトのアンケート結果を年齢別で見ると、10代は他の年代に比べ大幅にクレジットカード決済の利用率が低く、代わりにコンビニ決済が高いことが明らかになった。

ユーザーアンケートから、学生でクレジットカードを持っていない場合、コンビニ支払いが一番楽で安心という傾向があることがわかった。加えて、10代男性の特徴として、「チャージした金額の分だけ利用できるので便利」といった理由で、約10%がプリペイドカード決済を利用していることもわかった。

この結果から、若年層をターゲットにしている事業者はクレジットカード決済と同時に他の決済手段の導入検討の必要があると言える。

使いたい決済手段が対応していなければ6割以上が離脱

使いたい決済手段が対応していなければ6割以上が離脱

ユーザーが最も利用する決済手段が対応していない場合、同様もしくは類似商品が他のECサイトでも多く扱われている物販サイトでは62.5%のユーザーが購入しないことがわった。

また、物販サイトに比べると独自の商品、サービスが多いデジタルコンテンツにおいても、51.5%のユーザーが購入しないことがわかった。いずれのユーザーもそのサイトでの購入をやめ、希望する決済手段が利用できる他のECサイトで同じ商品、サービスを検索し、購入する傾向が見られる。

これらの結果から、ユーザーの購入率を向上するためには、自社ECサイトのターゲット層をよく理解し、必要な決済手段を見極め、適切な決済手段を導入することがポイントになると言える。

新たな決済手段が浸透しつつある

調査結果にあるように、ECサイトで最も利用する決済手段は、クレジットカード決済、次いでコンビニ決済だった。物販サイトでは人気の2つの決済手段に次いで男性は代引きを、女性は後払いを選択する傾向にあることが分かった。

また物販サイトでの10~20代のクレジットカード決済利用率は低く、デジタルコンテンツサイトでは女性は男性と比べクレジットカード決済以外の決済手段の割合も高かった。

デジタルコンテンツサイトでの10代のコンビニ決済利用率は男女ともに30%超え、10代男性の約10%がプリペイドカード決済を利用。最も利用する決済手段が対応していない場合、50%以上のユーザーが購入しないことも明らかとなった。

このようにECやデジタル時代にふさわしく、従来の現金決済やクレジットカードに加えて新たな決済手段が一般に浸透しつつあることが浮き彫りとなっている。特に最後の項目の最も利用する決済手段が対応していない場合、50%以上のユーザーが購入しないことも明らかとなったことは注目に値するだろう。各ECプラットフォームやショップにおいても、より幅広い決済手段に対応することが、激しい競争を生き残る上での無視できない要素ともなってきそうだ。

出典元:
https://www.sbpayment.jp/2019/08/survey_on_payment_methods.pdf?argument=3qe9Sa9A&dmai=a5d5a4077b50bc


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