EC事業者はなにに困っているのか?エルテックス社が『通信販売事業関与者の実態調査2019 Part2』を公表

ECのミカタ編集部

ECサイト構築/通販システム構築・支援を主要事業として手掛けている株式会社エルテックス(本社:神奈川県横浜市保土ヶ谷区 代表取締役社長 森久尚 以下、エルテックス)は、通信販売事業関与者の実態調査、「EC/通販事業におけるSNSの活用実態」「今後活用したいSNS」と「EC/通販事業者の担当業務」、「通販事業全般の課題」「困り事・悩み事」などを集計・分析した調査結果の2019年版を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

調査概要

エルテックスでは2000年頃より、ECサイト/通販システムの開発及び構築を積極的に推進しており、関連する市場動向把握のため、今回で13回目の独自調査「通信販売事業関与者の実態調査2019」を実施した。

今回はその第二弾として「EC/通販事業者の悩み事・困り事」「通販支援ソフトやサービス導入時の重視点」、「EC/通販事業者のビジネス課題」の調査結果が公開されている。

[調査エリア]
全国

[調査対象者]
楽天リサーチ保有の調査パネル(ビジネスパネル)、年商規模1億円以上(1~10億円未満:111、10~100億円未満:88、100億円以上:101) の通販事業に携わる1~3の職種の、会社役員、社員、派遣社員、個人事業主(1.マーケティング・広告・宣伝/2.業務(受注、決済、配送、その他の業務)/3.情報システム)

[調査方法]
ネット方式による、アンケート調査

[調査期間]
2019年6月21日~24日

[回収サンプル数]
300( 調査対象者 1.マーケ:100 2. 業務 :100 3. 情シス :100 )

[調査主体]
株式会社エルテックス

[調査実施機関]
楽天リサーチ株式会社

課題は「既存顧客の満足度向上」が3年連続で増加

質問項目)

通販事業全般(EC:エレクトロニック・コマースを含む)のお仕事について、過去~今現在での悩み事や困りごとで、あてはまるものをいくつでもお選びください(複数回答)。

◇回答に見る特徴

EC/通販事業者の悩み事や困り事関する質問は、同調査開始年から実施しているが、「既存の顧客の満足度の向上」は3年連続で増加。

2016年に一旦減少したが、2013年で37.3%だったスコアは48.0%と5年間で「10.4%」増加しており、単一回答でも昨年比で3.4%増となっている。今年の調査では、全般的な項目で数値が減少したがこの項目と「広告メディアの使い方」は増加している。

また今年はスコアが下がった「通販事業の戦略」「販売する商品のマーチャンダイジング」については調査初年度からの傾向を見る限り、上昇傾向にあるとは言えるとしている。

一方、「システムの処理速度」「システムの安全性」「受注・決済・倉庫・配送・債権などのトラブル」といったフルフィルメントに関わる項目のスコアの変動はあまり見られず、EC/通販事業者を支援するソリューション側のサービスは安定していると考えられそうだ。

通販支援ソフトやサービス導入時に重視するポイントは?

質問項目)

通販支援ソフトやサービスの導入を決定した際に重視した項目をいくつでもお選びください(複数回答)。
※ECや通販パッケージを導入した経験があると回答した(249人)のみに質問

◇回答に見る特徴

ECや通販パッケージを実際導入した経験者に、導入時の重視点を聞いたところ14項目中で10項目が前年に比べて減少した。減少幅が大きかったのは「導入や運用のコスト(▲12.4%)」「希望の納期への適応力(▲9.1%)」、スコアが増加したのは「スタッフがあなたの会社の業務知識を持っているか(+4.1%)」「会社の信用(+3.4%)」だった。

大幅に減少した2項目について、この項目選択の理由を深堀していないために詳細は不明だとしている。あくまで推測と断った上で、働き方改革の考え方が世間に浸透しつつあることで、「コスト」「納期」といった選択項目がシステム構築の悪しき風潮ともいえる「過重労働や残業」を連想させ、回答者の当該項目の選択をためらわせたとも考えられるとしている。

EC事業者のビジネス上の課題に変化?

質問項目)

あなたの会社、事業所の通信販売事業について、ビジネス上重要と思われるものをいくつでもお選びください(複数回答)。

同調査も定点観測をしているが、6項目中5項目でスコアが減少。唯一前年比でスコアが増加したのが「コストの削減(+3.7%)」だった。「売上げ拡大(▲8.7%)」「新規顧客獲得(▲7.7%)」の2項目はここ5年間での最低数値となった。

変化するEC担当者のマインド

調査結果にあるようにEC・通販事業者の悩み事・困り事は「既存顧客の満足度向上」が3年連続で増加し、通販支援ソフトやサービス導入時の重視点で「導入や運用のコスト」が▲12.4%となった。また「希望の納期への適応力」も▲9.1%となり、この2項目が大幅に減少した。

さらにEC・通販事業者のビジネス課題「売上げ拡大」は▲8.7%となり「新規顧客獲得」も▲7.7%で、この2項目は前年比でスコアが減少して、ここ5年間で最低の数値となった。

このように好調なEC市場を反映してか、売上に直結する課題がマイナスになり、またサービスの導入時には、運用のコストや納期にこだわる担当者も減少していた。調査結果としてはこのような状況だが、EC市場における激しい競争は今後も続くものと見られ、引き続き各事業者においてはビジネス遂行上の課題自体はけして軽微なものとは言えないのも確かだろう。


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