オムニチャネルツール『STAFF START』がサービス開始3周年 導入プランドは700超・流通額は288億円に

ECのミカタ編集部

実店舗のショップスタッフのオムニチャネル化を推進するアプリケーションサービス「STAFF START(スタッフスタート)」を提供する株式会社バニッシュ・スタンダード(本社:東京都港区、代表取締役:小野里 寧晃、以下バニッシュ・スタンダード)は、2019年9月1日サービス開始3周年を迎えた。

サービス開始以来、各方面から支持されて現在は年間流通総額(「STAFF START」のコンテンツ経由での売上総額)は約288億円、導入プランドは700を超えているという。

次世代オムニチャネルツール「STAFF START」

「STAFF START」はショップスタッフがコーディネート投稿を始めとするデジタル接客を可能とし、投稿したコンテンツを経由する個人売上を算出してショップスタッフや店舗の新たな評価を可能にする次世代オムニチャネルツールだ。

最も人気のコーディネート投稿は、ショップスタッフが撮影したコーディネートに商品情報を紐づけ、ブランドの自社ECサイトやSNSに投稿することのできる機能だ。顧客は店頭に足を運ぶことなく、ショップスタッフのコーディネートから自分の好み・スタイルにあう商品を選択でき、スタッフは自身の勤務する店舗に関係なく、全国の顧客に対しコーディネート投稿を通じてオンライン上で接客を行うことができる。

また「STAFF START」のコンテンツを経由し販売に至った売上は、投稿したスタッフの実績としてカウントされ、店頭での販売実績と合わせて評価することでスタッフや店舗のモチベーションアップや在籍する企業との関係性強化の実現を目指している。

3周年を迎える2019年8月末には288億円/年を記録

3周年を迎える2019年8月末には288億円/年を記録

2019年9月1日、「STAFF START」はサービス開始3周年を迎えた。2016年のサービス開始以来、年間流通売上は毎年3倍以上伸長し、2019年4月には200億円/年を達成、3周年を迎える2019年8月末には288億円/年を記録し、年間流通売上300億円達成も間近だという。

またサービス開始後ショップスタッフの業務を支援する様々な機能を追加、コーディネート投稿アプリから開始し幅広い機能を持つサービスに成長した。スタッフのSNSと連携して相互に送客、顧客とのより密な接点を創る「SNS連携機能」や、サンプル品に対しショップスタッフが「売れる or 売れない」をスワイプするだけで社内展示会に参加でき生産の適正在庫化に活かす「バイヤー機能」、各スタッフのSNS経由売上や自社公式ECサイト経由売上、さらには店舗の個人売上といったチャネルごとの売上が計測し評価できる「効果測定機能」などをリリースしてきた。

今後は、店頭で買い回り中の顧客を自社ECサイトに送客できる「QRメモ機能」など、ショールーミングに対応した機能を追加していく予定となっている。

「STAFF START」がECにもたらした変化

「STAFF START」がECにもたらした変化

◆適正評価とインセンティブで店頭のスタッフの働き方が変わる

「STAFF START」を活用した日々のコーディネート投稿やSNSを通し顧客との関係性構築といった、ショップスタッフ自身が販売努力を重ねることにより、「STAFF START」コンテンツ経由で月間3,400万円を超える売上を記録するスタッフも登場した。

「STAFF START」では、スタッフごとの実績を企業の本社向けに提示することで、オンライン上で成果を上げるスタッフを引き上げてきたという。これを受け、自社公式EC上でのオンライン接客で実績を上げ企業に貢献するスタッフに対し、給与に上乗せし報酬を付与することは「STAFF START」の中で生まれた文化だと胸を張る。

「STAFF START」経由で販売した売上の【最大7%】をインセンティブとして追加報酬を付与する企業も現れた。従来の店頭のみの販売では、立地や客足に大きく左右されていたスタッフの実績が、オンラインを通じ時間や場所を問わず全国の顧客に対し接客可能になったことで大きく変わり始めているようだ。

実際に「STAFF START」で活躍するスタッフに占める郊外店・地方店所属の割合が多いことが確認されているそうだ。

◆オンライン接客でスタッフがリアル店頭に顧客を呼ぶ

自社ECサイトやSNS上で顧客とコミュニケーションを積極的に行い、顧客からの信頼を集めるスタッフにはファンができるようになったという。実際、「STAFF START」と連携させたインスタグラムに数万のフォロワーを抱える社内インフルエンサーへと変貌を遂げるスタッフも多数登場しているそうだ。

そういったスタッフに「実際に会いたい!」というフォロワー(≒ファン)のダイレクトメッセージがスタッフ本人へ多数寄せられることから、スタッフがインスタグラム上で店舗への出勤日を公開し始めた。オンライン上で活躍するスタッフが顧客を店舗への来店へ促し、ECだけでなく店舗売上にも貢献するという流れが生まれていることになる。

アパレル業界以外にも広がる展開

現在、アパレル企業を中心に利用されている「STAFF START」だが、他の業界の企業からも多数問い合わせが来ているそうだ。「STAFF START」は店頭のスタッフが活躍する、あらゆる業界で活用できるサービスだ。

店頭のスタッフの持つ知識や販売力をオンライン上でも活かしていくことが可能になるからだ。バニッシュ・スタンダードは、様々な業界の店頭スタッフが、店頭のみならずオンラインで活躍できる場を少しでも多く提供していくとしている。

オムニチャネルはEC市場の中でも、もちろんアパレル業界だけのものではない。オンラインとオフラインを超えた展開をすることで自社ブランドへのファンを醸成し、豊かな買い物体験の提供や世界観を発信することで顧客との継続的な関係性を築き、ひいては売上に貢献する施策として定着しつつある。

そこにおいて同社は、これまでの実績と金字塔を元に、あらたな展開へと踏み出すことになりそうだ。


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