消費増税にともなう駆け込み需要はどの程度だった?カンム社が増税前の消費行動について意識調査を実施

ECのミカタ編集部

株式会社カンム(本社:東京都渋谷区、代表取締役:八巻 渉、以下「カンム」)は、運営するキャッシュレス決済サービス「バンドルカード」のユーザーを対象に、2019年10月の消費税率引き上げを前にしたお買い物動向、いわゆる「駆け込み消費」に関する事後アンケートを実施した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

調査概要

キャッシュレス決済の「(株)カンム」調べ

[期間]
2019年10月17日 ~ 2019年10月18日

[方法]
インターネット調査

[対象]
「バンドルカード」ユーザー 1,376 サンプル

8割以上が駆け込み消費せず

8割以上が駆け込み消費せず

回答者の大半(86%)は駆け込み消費をしていなかった。理由の上位には「無駄遣いしそうだった(48%)」、次いで「急いで買う必要はなさそうだった(20%)」「軽減税率やキャッシュレス・ポイント還元の対象になるので、する必要はなさそうだった(12%)」が挙がっている。

自由回答では「増税後の割引やセールを予想していたから」「2%節約のために駆け込みする必要はない」などの声があった。多くの人は増税前後の動きを冷静に見きわめた結果、と同じ消費行動に留めたようだ。

駆け込み消費は7人に1人

駆け込み消費は7人に1人

駆け込み消費をした人は全体の14%、7人に1人だった。その時期は増税1週間前に集中していた。その内容は「まとめ買い」が過半数(59%)で、「ふだんなら買わないものを、増税前ならおトクだと思って」「いつ買おうか迷っていたものを、この機会に」という衝動的な駆け込み消費をした人も、合計4割と一定数いることがわかった。

品物は日用品・雑貨(18%)、食料品(29%)、酒類・たばこ(26%)と、日常的な買い物の延長線上にある消費が多かったようだ。ただし食料品は原則として軽減税率の対象になるので、この点については一部に勇み足があったと言えるかも知れない。

駆け込み消費に反省も

駆け込み消費に反省も

駆け込み消費をした人に振り返ってもらったところ、総合的にみて「おトクだったと思う」人が73%だった。理由は増税分の節約効果やセールだ。一方で「おトクだと思わなかった」27%では「急ぐ必要がなかった」「増税後のほうが安くついた」とする人が多くみられた。

駆け込み消費を避けた人より、駆け込み消費をしてしまってから後悔する人のほうが、買い物を焦るデメリットを強く感じているようだ。自由回答では「のちのち考えてみると1ヶ月位の期間の節約にしかなっていないと思った」という声もあったようだ。

今回の2%アップについては、それほど慌てずに日常と同じ消費行動を続ける人が多かったことがわかった。駆け込み消費した割合は前回の消費増税時から微減しており、また振り返って「おトクではない」と判断した人も一定数いた。

消費への影響はどこまで?

調査結果にあるように8割以上が駆け込み消費せず「無駄遣いしそう」「急ぐ必要がない」と冷静な判断をしている様子がうかがえた。また駆け込み消費は日常の延長で「まとめ買い」が過半数となった。ただし衝動買いも一定数あり結局、駆け込み消費っておトクかについては「そう思わない」とする人が3割いた。

いよいよ実施された消費税8%から10%への増税だが、キャッシュレス決裁による還元や食料品への軽減税率の適用などの影響もあってか、前回の増税時ほどの駆け込み需要は発生しなかったようだ。その分、消費停滞といった影響が短期的・中期的にどの程度出るのかを含め、EC市場においても今後の動向には引き続き注目と言えるだろう。


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