消費者の新たな趣向が浮き彫りに 博報堂が「生活者のサステナブル購買行動調査」を実施
株式会社博報堂(東京都港区、代表取締役社長:水島正幸)は、全国20-60代の男女計6,000名を対象に「生活者のサステナブル購買行動調査」を実施した。
「必要最小限」で買って「長く使う」が定着
「不用品を人にあげる・売る」モノの循環行動が、女性20・30代を中心に浸透。「長く使えるものを買う」生活者は9割以上だった。「まだ使えるのは修理して使う」「必要最小限の量だけを買う」「資源をムダづかいしないように気を付けて買う」も7割以上と高い実施率。女性20・30代では「不要になったがまだ使えるものは人にあげたり売ったりする」が7割以上になった。
「環境・社会に配慮」が購買の新判断基準に
今後の購買意向では「環境・社会に悪影響を与える商品・企業」に対する不買や「環境・社会に配慮した商品」に対する購入意向が約7~8割にのぼる。現在の購買実態と比較すると「環境・社会に配慮した商品」に対する購買意向は購買実態より40ポイント前後高く、これからの生活者の購買行動における判断基準となることが予想されるとしている。
食品・飲料では「賞味期限間近で値引きされたもの」「見た目や形が悪くても味は変わらない野菜・果物」「余らせないよう必要最低限の量」を買うと答えた生活者が約8割。食べ物をムダにしたくない意識を持つ生活者が大多数となった。
認証ラベルの理解促進に課題
認証ラベルの認知・理解・購入経験について聞いたところ、「有機JASマーク」以外のラベルで1割以下の認知率。認証ラベルの意識では「認証ラベルがついていることに気づかない」「種類がありすぎてよくわからない」「内容が分からず参考になりにくい」が7割にのぼり、認証ラベルへの理解促進に課題ありとしている。
持続可能な購買行動の特徴が明らかに
このように今回の調査では世界的にSDGs(持続可能な開発目標)達成に向けた取り組みが活発になる中で、日本の生活者が環境・社会を意識した消費行動にどう取り組んでいるのかが明らかとなった。
同社では調査結果からは、資源をムダづかいしないよう「必要最小限を買い(ミニマル)」、修理などしながら「長く使い(ロングライフ)」、不要になったものも「人にあげる・売る(サーキュラ―)」という、サステナブル(持続可能)な購買行動の特徴が見えてきたとしている。
高度成長期以降、日本でも高度大衆消費社会が現実のものとなり、長らく使い捨ての大量消費が生活スタイルの主流となってきた。それがここへ来て、消費者のマインドにも変化がおとずれているようだ。ECにおいてもこの変化は見過ごすことはできないだろう。新時代の消費動向を把握することは、これからのビジネスを考える上でもポイントとなってきそうだ。