PayPayがキャッシュレス市場でシェアトップへ キャッシュレス市場の最新動向に関する調査が実施される

ECのミカタ編集部

インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸、以下「ヴァリューズ」)は、一般ユーザーの行動ログとデモグラフィック(属性)情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用して、消費増税前後の決済アプリ利用ログからキャッシュレス決済の利用実態を調査した。また国内の20歳以上の男女18,517人を対象に、キャッシュレス決済やポイ活の認知度、利用意向に関するアンケート調査を実施した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

調査概要

消費増税、そしてキャッシュレス決済を対象にした政府のキャッシュレス・消費者還元事業がいよいよスタートした。昨年2018年12月のPayPay「100億円あげちゃう! キャンペーン」を端緒としたキャッシュレス決済アプリ市場の最新動向などが分析されている。

同社は全国のヴァリューズモニター(20歳以上男女)を対象として、2019年10月16日~30日にアンケート調査を実施(回答者18,517人)。また、全国のヴァリューズモニター(20歳以上男女)を対象として、主要決済アプリの行動ログを分析した。

※アンケート調査は性年代別人口とネット利用率に合わせたウェイトバック集計をおこなっている。

※行動ログは、ネット行動ログと属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用。

※アプリユーザー数は、Androidスマートフォンでのインストールおよび起動を集計し、ヴァリューズ保有モニター(20歳以上男女)での出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。

※「LINE Pay」は決済機専用アプリのログのみで、「LINE」アプリから「LINE Pay」機能を使用した分は含まない。

PayPayが頭ひとつ抜ける

主要キャッシュレス決済アプリの日次起動ユーザー推移(2019年9月-10月)

2019年9月-10月の主要決済アプリ日次起動ログからは、昨年からスマホ決済市場拡大を牽引してきた「PayPay」の圧勝ぶりが明らかになった。1日平均414万人前後で推移していた9月の日次の起動ユーザー数は、9月最終週から急増し、消費増税当日の10月1日(火)には683万人に。さらに増税後最初の週末である10月5日(土)には、PayPayの1周年を記念したキャンペーン「PayPay感謝デー」を開催し911万人をマーク。10月の1日平均起動ユーザーは677万人に達した。

続いて利用が多かったのはau WALLETやd払いといった通信キャリア系決済アプリだ。1日平均起動ユーザーはau WALLETが9月278万人から10月313万人へ、d払いは9月181万人から10月269万人へ、それぞれ増加した。7月に投入されたコンビニ系決済アプリ・ファミペイは、キャンペーン等の影響なのか日によってばらつきがあるが、多い日だと約400万人程度が起動している。ただし9月と10月で日次平均起動ユーザーに大きな差異はなく、他のアプリほどは消費増税の影響を受けていないようだ。

また9月と10月で主要キャッシュレス決済アプリの起動日数を比較すると、ほとんどのアプリで日数が増えているが、増税の影響度合いには濃淡があった。月11日以上起動と日常的に利用するユーザーは、もともと30%ほどだったPayPay、au WALLET、ファミペイで増加が顕著だった。なかでも月に21日以上、ほぼ毎日起動するヘビーユーザーは10月にau WALLETが21.4%、ファミペイは15.5%、PayPayは14.3%に達している。

さらにアプリ起動回数も同様の傾向で、10月はLINE Payを除きいずれのアプリも11回以上起動するユーザーが増えていた。とくにPayPayとau WALLETは21回以上起動のヘビーユーザーがそれぞれ33.1%、29.6%に達している(※起動回数は1時間毎に計測)。

楽天ペイも健闘

主要キャッシュレス決済アプリの月次起動ユーザー数推移(2018年10月-2019年10月) ※「ファミペイ」アプリは、2019年7月1日に「ファミリーマートアプリ」から移行してリリースされた

「100億円あげちゃう! キャンペーン」以来、熾烈なキャンペーンバトルを繰り広げてきたキャッシュレス決済アプリ。勢いには差があるものの、年間で見ると今のところほとんどのアプリがユーザーを増やしていて、市場自体は着実に拡大している。月次の起動ユーザー数の推移をみると、9月以降はPayPayが独走態勢に入っているが、d払いや楽天ペイの伸びも顕著だった。

2019年9月-10月の日次の新規インストールユーザーログからは、消費増税がキャッシュレス決済ユーザーの裾野拡大にも奏功したことがうかがえる。新規ユーザー獲得でも圧倒的な強さを示したのはPayPayで、増税当日の10月1日(火)には約50万人がインストール。最初の週末10月5日(土)は約60万人に達し、第1弾「100億円あげちゃう! キャンペーン」期間中2018年12月8日(土)にマークしたインストールユーザー数とほぼ同規模にまで伸びました。10月1日(火)は楽天ペイも約30万人がインストールしているが、新規獲得に関してはPayPayほど大きな動きではなかった。2019年9月-10月の新規インストールユーザー数は、PayPayが946万人、楽天ペイが376万人、d払いが256万人。主要アプリ合計だとのべ約1900万人に達する。

他方、3,600ページに及ぶPDFや店舗の重複が話題になった経済産業省のポイント還元対象店舗検索アプリだが、9月最終週からインストールユーザー数が10万人を超えて急増した。10月1日(火)当日には約57万人を獲得していて、2ヶ月間の新規インストール数は330万人にのぼった。

「ポイ活」では男女・年代で差

「キャッシュレス・消費者還元事業」と「ポイ活」の認知度及び行動

「消費者がキャッシュレス決済の利便性を実感するきっかけを創出」する目的を掲げたキャッシュレス・消費者還元事業。スマホ決済アプリユーザーは着実に増え、政府の発表によると実際1日平均10億円ほどのポイントが還元されているとされるが、認知度はどうだろうか。「キャッシュレス・消費者還元事業」と「ポイ活」について、認知度と実際の行動変容を18,517人のアンケート調査されている。

「キャッシュレス・消費者還元事業」は全体の71.8%が言葉を認知。調べたユーザーも40.4%に上り、関心の高さがうかがえる。男女ともおおむね年代と比例して認知度が上がる傾向で、60代以上の女性は77.5%が「知っている」と回答した。実際に調べたユーザーは30代男性43.2%、40代男性42.2%、20代男性41.9%が他を上回り、還元に対するニーズがより高いと言えそうだ。

ポイントを貯めたり使ったりしてお得にしようという活動、略して「ポイ活」は男性の認知度17.7%に対し女性は30.6%と、男女差が見られた。とくに30代女性41.2%、20代女性39.2%、40代女性30.4%の認知度が高く、実際ポイ活を行っている層も20-40代女性が中心だ。男性は30代12.9%を除くと認知度・行動とも低く、とくに60代男性でポイ活を行っているのは4.6%にとどまった。

消費増税対策としてのキャッシュレス・消費者還元事業は2020年6月末で終了するが、政府は次なる景気対策として、同9月を目処にマイナンバーカード保有者を対象にした25%程度のポイント還元制度「マイナポイント」を検討中だ。

今後のキャッシュレス市場の展開にも注目

調査結果にあるように、PayPayが圧倒的な強さを見せつつあり、新規インストール数もPayPay独走、楽天ペイが健闘する結果となった。またキャッシュレス・消費者還元事業の認知度は7割超で、ポイ活の認知が高いのは20-40代女性だった。

伝統的に現金主義が商慣習として根付いてきた日本市場だが、政府の後押しもあり、ここへ来て本格的にキャッシュレス決済が浸透の兆しをみせているようだ。これまではキャッシュレス・プラットフォームが乱立する中、利用率などで横並びの状況が続いてきたが、その中でPayPayがその先頭集団から頭ひとつ抜ける展開となっていることも明らかとなった。

PayPayに関してはLINEとの統合でLINE Payとのプラットフォームやサービスの融合にも期待がかかっており、キャッシュレスはECとの親和性も高いことから、今後の動向からも目が離せそうにない。


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