過剰在庫をWEBオークションで売買処理。メーカー生まれのサービス「Sオク」

ECのミカタ編集部

株式会社アグレクション(本社:埼玉県越谷市/代表:青柳聡、以下「アグレクション」)は、この度、過剰在庫の事業者間取引を促進するサービス、Sオク(Stock Auction)を2020年2月に開始すると発表した。サービス開始にあたり、メーカー、卸売業、小売業の事前登録を開始する。

メーカー目線だからこそわかる、過剰在庫の取引価格に注目

Sオクでは、品目問わず新品製品の過剰在庫を対象とし、競り開始から1週間で商品の受渡しと代金の支払いを行う。

過剰在庫は、買い手によって取引価格が変動しやすく、競り方式を活用することにより、適正な価格で取引できるとの考えからだ。

アグレクションはテレビ等の家電とトラック専用のナビゲーション等の電子機器を製造販売しているメーカーであり、今回のサービス開始はメーカーとしての知見を存分に活かした結果である。

Sオクの3つの機能

Sオクの3つの機能

Sオクでは、下記の3つの機能を持っている。

1)小口入札
小口入札は、買い手が必要な個数と欲しい単価で入札する方法。
過剰在庫の相対一括売買の場合、同じ型番の製品が多い時で2000個の取引が行われるため、2000個を1点として競りを行うと、買い手が少なくなり、結果として1個当たりの取引価格も低くなる。
小口入札を活用して、2000個を複数の事業者が購入することにより、1個当たりの取引価格のアップを実現する。

2)販売制限
会員登録時に買い手の事業内容を確認し、売り手の販売制限に合致した買い手しか入札に参加できないシステム処理を行う。
商品によっては、ブランド価値の棄損を防ぎたい等の理由で、国外での販売や店頭での販売という販売制限を前提に取引されることが少なからずある。

3)情報の取り扱い
Sオクで落札された商品の価格、出品者、落札者などの情報は、機密情報として取り扱い、不特定多数に公開することはない。
落札された場合のみ、出品者と落札者のみに情報が開示される。

企業が抱える過剰在庫処理問題を、WEBを活用した方式で解決

過剰在庫は、主にメーカー、卸売業、小売業で発生し、その処理は「小売業の消費者への値引き販売」、「既存取引先(事業者)への値引き販売」、「廃棄」、「大幅な値引きによる事業者間の相対一括売買」の4つで処理されることが大半だ。

相対一括売買が浸透している理由は、期日までに倉庫スペースを確保したい等の理由により短期間に大量の商品を処理できること、ブランド価値の毀損を防ぐために店頭のみでの販売、海外での販売、リパッケージ等、販売制限の調整が1社で済むことなどがある。

一方で、相対一括売買であることから、1個当たりの取引価格が低くなるというデメリットも指摘されている。

アグレクションは、メーカーとしての事業経験から、過剰在庫の市場規模が巨大であるにも関わらず、破棄と相対一括売買に課題があると考えている。
WEBを活用した競り方式で、そうした課題を解決する過剰在庫の売買プラットフォームを目指す。


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