ネクストエンジンのHamee社が第2四半期(2020年4月期)決算短信を公表 経常利益は前年同期比86.8%増

ECのミカタ編集部

国内トップクラスシェアのEC自動化プラットフォーム「ネクストエンジン」の開発・提供やECサイト運営の主力事業を始め、世界のEC事業者をターゲットにした新規事業およびサービスを開発・展開しているHamee株式会社は2020年4月期 第2四半期決算短信を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

経営成績の説明 売上高は16.7%増

同社グループは、モバイル(スマートフォン及び携帯電話)アクセサリーの販売について、2019年2月にリリースした「iFace」シリーズのニューモデル「iFace Reflection」が引き続き堅調に推移したほか、2019年9月に発売されたiPhone11シリーズの販売が好調な滑り出しを見せたことを背景に、新旧モデルを問わず「iFace」シリーズ全体の販売が底上げされたとしている。

また自社開発のクラウド(SaaS)型ECプラットフォーム「ネクストエンジン」については、サイト作成プラットフォーム「Shopify」との連携強化、クラウド型在庫管理ソフト「ロジクラ」とのシステム連携、住信SBIネット銀行株式会社とのEC事業者向けオンライン融資等の検討に係る基本合意書の締結等、幅広いパートナーとの協業により引き続きプラットフォームとしての付加価値向上に努めた。

これらの結果、同第2四半期連結累計期間における売上高は5,413,485千円(前年同四半期比16.7%増)、営業利益は842,945千円(同80.5%増)、経常利益は877,788千円(同86.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は602,648千円(同78.5%増)となった。

ふるさと納税関連などの先行投資では損失も

◆コマース事業

「iFace Reflection」シリーズに加え、定番である「iFace First Class」シリーズも国内小売、卸販売共に堅調に推移した。これは、2019年9月発売のiPhone11シリーズ向け及び値下げの動きが強まった旧型iPhoneシリーズ向けの双方において、「iFace」シリーズの需要が高まったことに起因しているとしている。

海外においては、韓国連結子会社が事業譲受により取得したモバイルアクセサリーブランド「PATCHWORKS」が、韓国国内及び海外輸出の双方で好調に推移しました。米国においては、前期から引き続いて雑貨の販売が好調に推移した小売が前年同期の実績を上回った一方で、前期大型受注を獲得した卸販売は、その反動で減収となった。

海外に比べ利益率の高い国内販売が大幅に伸長したことで事業全体の利益の伸びが牽引され、コマース事業の当第2四半期連結累計期間の売上高は4,443,230千円(前年同四半期比17.1%増)、セグメント利益(営業利益)は1,068,294千円(同49.2%増)となった。

◆プラットフォーム事業

前期に引き続き、サービスレベルの維持向上と自社リソースの有効活用を図る目的で、コールセンター業務の移管手続きを進めているため、契約獲得ペースが一時的に鈍化しているものの、ネクストエンジンの契約を獲得する上で重要となる初期設定の円滑化を実現するため従前より進めてきたネクストエンジンの機能強化、サポート体制の強化など、各種施策の効果が発現したことにより、期初計画を着実にクリアすることができたとしている。

これにより、総契約数は3,790社(前連結会計年度末比168社増)、利用店舗数29,376店(同1,370店増、いずれも自社調べ)となった。また、EC事業者向け販売支援コンサルティングを提供するHameeコンサルティング株式会社について、来期以降の大幅な成長を企図して実施している先行投資(コンサルタントの採用)等の影響で、営業利益が抑制されているとのことだ。これらの結果、プラットフォーム事業の同第2四半期連結累計期間の売上高は897,762千円(前年同四半期比7.3%増)、セグメント利益(営業利益)はネクストエンジンの売上増加による売上総利益の増加による影響により、269,412千円(同9.1%増)となった。

◆その他セグメント

同セグメントは、コマース事業、プラットフォーム事業のいずれにも明確に分類できない新たなサービスに係るものであり、ふるさと納税支援サービスやネクストエンジンのメイン機能に紐づかないEC事業者向けのサービス、1月にリリースしたIoTサービス、スマートフォンを持たない子供のための音声メッセージロボット「Hamic BEAR」、2019年10月より開始した投資事業等が含まれる。

これらについては、同第2四半期連結累計期間の売上高は78,727千円(前年同四半期比839.5%増)、セグメント損益(営業損益)は先行投資フェーズであるため△81,929千円(前年同四半期は84,508千円の損失)となったとしている。

積極的な投資を実行

また同社グループでは中長期的な企業価値向上のための経営施策の一環として、成長のための投資を戦略的に実施しているそうだ。最近の事例として、コマース事業においては国内外でのモバイルアクセサリーブランドの取得、プラットフォーム事業においてはEC販売支援コンサル企業の取得(M&A)やネクストエンジンの機能強化を実現するための開発投資、その他セグメントにおいてはIoTサービスに対する研究開発等、従前よりも一歩踏み込んだ成長投資を積極化している。

これに伴い、ソフトウエア償却費の増加、のれん償却費の増加、研究開発費の増加等が顕在化し、特に前期において各段階利益の伸びが抑制される結果となったが、中長期的な企業価値向上に資する重要な取り組みであると判断するとしている。いずれにしろ同社はネクストエンジンなどコマース事業およびプラットフォーム事業が好調であり、今期の決算についてもそれを高らかに示す内容となったようだ。


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