中国人ユーザーの良質なクチコミ創出に成功 松山油脂が自社の工場見学を含む体験会を実施

ECのミカタ編集部

松山油脂株式会社(以下、松山油脂)は、自社の工場見学を含む体験会を実施し、「ブランドや企業の世界観を反映した良質なクチコミ生成に成功した」としている。

中国SNS上で良質なクチコミ創出に成功

松山油脂は釜で石けんを焚き上げる昔ながらの作り方「釜焚き製法」と「脂肪酸中和法」(透明石けんの製法)をコア技術とし、安全性と環境性、有用性のバランスを満たすモノづくりを実践する化粧品の製造販売企業だ。

泡立ちのよいボディソープ、地肌を清潔にするシャンプー、素肌を守る化粧水やクリーム、固形石けんにとどまらず、ユーザーの潜在的な期待に応えて製品やブランドを拡充し、素材と製法にこだわり、さまざまなウォッシュ&ケア製品を提案している。

その同社が自社の工場見学を含む体験会を実施し、「ブランドや企業の世界観を反映した良質なクチコミ生成に成功した」という。体験会には30名を招待した上で参加した中国人ユーザーに訴求し、中国主要SNSに約170件もの良質なクチコミを生成したそうだ。

2週間で約170件の良質なクチコミを生成

今回の施策における同社の課題と成果は次のようなものだ。

◆課題

製品情報だけではなく、ブランドや企業の世界観、モノづくりに対するこだわりへの理解促進上記を踏まえた上でのクチコミ生成・ファン作り

◆成果

自社が持っているモノの中から狙った成果を達成するための体験会コンテンツ企画を行い、2週間で中国主要SNS上に約170件の良質なクチコミを生成

◆具体的な施策内容と成功ポイント

「ブランドや企業の世界観、モノづくりに対するこだわりへの理解を深めるため、企業担当者からの企業・製品説明、製品の体験会だけではなく、実際に製品を製造している工場の見学コンテンツを用意し、BoJapanメンバー30名を招待しました。工場で製造工程を実際に見ながら企業担当者から説明を聞くことで、製品パッケージを見るだけではわからない、製品が完成するまでの裏側をより深く理解することができ、ブランドや企業の世界観をリアルに体感することができます。さらに、工場で完成したばかりの製品を手に取って体験してもらい、工場見学は大いに盛り上がりました。工場見学に対する満足度は非常に高く、参加メンバーへのアンケートでは『今回見学した墨田工場だけではなく、富士河口湖工場にもぜひ見学に行きたい』という声が多くあがりました」

共感醸成の起点として効果を発揮

製品の体験会では企業担当者からの説明を聞いた後、「肌をうるおす保湿洗顔フォーム」の泡立て体験を行ったそうだ。企業担当者と一緒に説明を聞きながら進めるとすぐに泡が立ち、実際に触ることできめの細かい濃密な泡を体感してもらったという。泡の上にピンポン玉を乗せて逆さまにしても落ちない様子には、参加さが驚き興奮していたという。

また同社は施策実施の背景として次のように述べている。

「1995年、初めての自社ブランド製品として発売した『Mマークシリーズ』。毎日、そして安心して気持ちよく使えるための成分だけを配合したこのシリーズの中で、柚子ボディローションが中国のソーシャルバイヤー達の目に留まり、2017年より中国SNS上で自然にクチコミが広がり売上が増加しました。また、柚子ボディローションの認知向上とともに同シリーズの他の製品の認知も向上、中国での人気が拡大したことから2019年4月より本格的に中国向けの施策検討を始めました。

そのような中、秋冬向けの『保湿』に重点を置いた『肌をうるおす保湿スキンケア』シリーズを注力商材候補としましたが、Mマークシリーズの人気が"自然な"クチコミの拡大に起因していたため、どのような施策を行えばMマークシリーズの状況を再現できるかという点で課題を抱えていました。また、施策を行うからには製品情報だけではなく、ブランドや企業の世界観、モノづくりに対するこだわりなどにも理解を得て、自然発生的なクチコミではなかなか言及されにくい、製品だけでなくブランドへの共感も反映されたクチコミの発生やファンづくりを目指していました。

そこでアライドアーキテクツが提供する、在日中国人の商品に関する『SNSクチコミ』や『生の声』を拡散・収集・活用できる『チャイナタッチ』を利用し、日本最大級の在日中国人女性コミュニティー『BoJapan』のメンバーを対象にサンプリングキャンペーンと体験会を実施しました。BoJapanメンバーの高いクチコミ生成率や購買への影響を踏まえた上で、深い体験・理解が反映されたクチコミの創出を最も重視し、サンプリングとあわせて松山油脂の世界観を体感しきちんと理解してもらえる体験会を企画しました。

体験会と同時に実施したサンプリングキャンペーンでは、上述の通り『Mマークシリーズ』の認知度が高かったこともあり、サンプリング予定数の約4.2倍もの応募が集まっていました。サンプリング当選メンバーが手元で製品を試用しているタイミングで今回の体験会参加メンバーから工場における製造過程や企業姿勢の誠実さがクチコミとして中国SNS上に発信されたことで、SNSやBoJapanのWeChatグループ内において松山油脂に関する会話数が急激に増加しました。そして結果的に、30名を招待した体験会から2週間で、中国主要SNS(Weibo、WeChat、小紅書)において松山油脂のブランディング向上につながるようなクチコミを約170件発生させるという成果を生み出しました。

今回の施策から、体験型のコンテンツは、企業が現在有しているブランド資産の中から中国人の興味を喚起するポイントを洗い出し、製品だけでなくブランドや企業の世界観、モノづくりに対するこだわりへの理解を獲得し、共感醸成の起点として効果を発揮することがわかりました。中国マーケティングにおいて、短期的な成果が見込めるコスト連動型の施策だけでなく、こうした『ファン作り』基盤構築に早期から取り組んでおくことは、以降の施策の精度向上につながると考えられます」

同社も指摘している通り、ECだけでなく実際にユーザーに体験してもらう取り組みは、ブランドとのロイヤリティを醸成する上でも有効な施策となっている。特に日本製コスメに向けられる中華圏ユーザーからの視線には熱いものがあり、今回の同社の施策もそうした背景をもとに確かな成果につながったと言えそうだ。


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