日本の消費者はどのくらい越境ECを利用しているのか?ジャストシステムが『Eコマース&アプリコマース月次定点調査(2020年1月度)』を公表
株式会社ジャストシステムは、マーケティングリサーチに関する情報サイト「Marketing Research Camp(マーケティング・リサーチ・キャンプ)」で、ネットリサーチサービス「Fastask」を利用して実施した『Eコマース&アプリコマース月次定点調査(2020年1月度)』の結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。
調査概要
[調査期間]
2020年1月27日(月)~2月1日(土)
[調査対象]
Fastaskのモニタのうち、17歳~68歳の男女1,100名
[調査方法]
セルフ型ネットリサーチ Fastaskでのアンケート調査
海外ECサイトを知ったのは、女性「インスタ」、男性「ネット記事」
海外のECサイト利用経験者に、海外のECサイトを知ったきっかけを聞いたところ、「インターネットのニュース記事」が最も多く(30.1%)、次いで「友人・知人」(22.4%)、「Instagram」(21.9%)だった。
男女別に見てみると、男性は「インターネットのニュース記事 」を挙げた人が最も多く( 37.4 %)、女性は「 Instagram 」(31.5%)となった(複数回答あり)。
10代のEC利用者の半数以上が「海外EC」利用経験
ECの利用経験者のうち、海外のECサイト※1を「利用したことがある」人は30.5%、「知っているが、利用したことはない」人は37.2%だった。
海外のECサイトを「利用したことがある」人の割合を年代別に見てみると、10代(55.1%)、20代(43.3%)、30代(30.8%)、40代(23.1%)、50代(23.9%)、60代(21.1%)だった。
10代の半数以上が海外のECサイトから商品を購入したことがあることが明らかとなっている。
※1:日本企業が運営するECモールへの出店ではなく、海外企業による直営EC。
海外ECを利用する理由は「日本にはない商品がある」
海外ECを利用する理由について聞いたところ、「日本にはない商品がある」を挙げるEC利用経験者が最も多く(63.3%)、次いで「価格が安い」(50.5%)、「商品の種類が豊富にある」(34.2%)となった。
年代別に見てみると、30代を除く全世代で「日本にはない商品がある」を挙げた人が最も多く(10代:51.9%、20代:46.2%、30代:51.4%、40代:78.6%、50代:92.3%、60代80.8%)で、30代は「価格が安い」だった(59.5%)。
40代以降は、「価格が安い」ことよりも(40代:57.1%、50代:50.0%、60代:65.4%)、「日本にはない商品がある」ことに海外ECの魅力を特に感じていることがうかがえる(複数回答あり)。
海外EC利用時のトラブルは、「配送遅延」が3割以上
海外のECサイトを利用した際のトラブル経験を聞いたところ、最も多くの人から挙がったのは「予定よりも配送が遅くなった」(34.7%)、次いで「商品の中身が思っていたものと違った」(31.1%)、「パッケージが汚れていた/ 破損していた」(24.5%)だった。
「商品が発送されなかった」と答えた人は17.9%いた。なお、「トラブルに遭遇したことはない」と答えた人は25.0%だった(複数回答あり)。
まとめ
調査結果にあるように、10代のEC利用者の半数以上に「海外EC」の利用経験があり、「海外ECサイト」を知ったきっかけは、女性は「Instagram」、男性は「ネット記事」が多かった。また海外ECを利用する理由は「日本にはない商品がある」とする人が多く、海外EC利用時のトラブルはについて「配送遅延」を挙げる人が3割以上となった。
越境EC市場は年々拡大を続けており、日本人ユーザーの中でもその利用が広がっていることがうかがえる調査結果と言えるだろう。一方で実際に越境ECを利用している人はまだ3割に留まっており、今度その割合が増減するかにも注目と言えそうだ。
配送面やカスタマーサポートなどの面で日本国内のECサイトにアドバンテージはあるものの、独自の商品など海外ECサイトならではの魅力を感じているユーザーも多く、引き続き日本国内だけではなく海外のECサイトやプラットフォームもライバルとしてその動向を注視することが肝要ともなりそうだ。