ECサイトのCVポイントを改善!PDCAを回して売り上げアップ

ECのミカタ編集部

ECサイトを運営していく中で重要視される「コンバージョン率(CVR)」。どれだけのユーザーが流入し、どれだけ購入されたのかという部分にのみフォーカスされてしまいがちですが、CVRを上げるためにはこの2点だけを見ていればよいわけではありません。この特集ではECサイトでチェックすべきCVポイント、そしてそれらを改善するサービスを紹介していきます。

コンバージョンアップは購入だけではない

「コンバージョン(以下、CV)」とは、問い合わせや資料請求など、Webサイトにおいて目標として設定されているユーザーの行動が得られることを指します。EC業界では一般的にECサイトに訪問したユーザーが商品を購入したり、会員登録をするポイントをCVといいます。また、訪問者のうち何人がCVに至ったかという割合を「CVR(Conversion Rate)=コンバージョン率」で表し、「転換率」などと説明されることもあります。例えば、1000人のユーザーがECサイトに訪問し、50人が商品を購入すれば、CV数が50件でCVRが5%になります。これらは、ECサイトを運営するならまず把握しておくべき、基本の数字であるため、Googleアナリティクスなどのアクセス解析サービスを使って継続的に計測をしましょう。

Gooleアナリティクスのアクセス解析サービス画面の例Gooleアナリティクスのアクセス解析サービス画面の例

ECサイト事業者にとって、「売上を上げたい」というのは、どの事業者にもほぼ例外なく共通する大きな目標でしょう。売上を上げるためには、多くのCVを獲得するだけでなく、CVRアップが不可欠です。ジャンルや商材による違いはありますが、ECサイトの平均的なC V R は3 % 程度といわれます。CVRがこの平均を大きく下回る場合は、そのECサイトになんらかの改善が必要と考えられます。

ECサイトにおけるC V は基本的に「購入」ですが、CVRに影響するのは、購入を決定する「購入画面」だけではありません。ECサイトに集客してからリピーターになるまでのフローの中にCVRをアップするCVポイントがあります。

具体的には、ユーザーにECサイトを訪れてもらう「集客」や、ユーザーが訪れた最初の「サイト訪問時」、そこから気になる「商品ページ」へ遷移し、購入を決める前の「会員登録」を行うなど。また、購入画面以降の「完了画面」や「購入後」のフォローなども、CVRアップにつながるCVポイントになります。これらひとつひとつのCVポイントで、ユーザーに離脱されることなく、次のステップにつなげることで、最終的にCVRがアップします。

CVポイントごとの改善策

ここからは、ECサイトのCVポイントひとつひとつについて確認しながら、各ポイントの改善策について解説します。まず、サイトを訪問したユーザーが購入に至り、商品を受け取るまでの行動に沿って、次の6つのCVポイントについて見ていきます。

1 集客
2 サイト訪問時
3 商品ページ
4 会員登録
5 購入画面(決済)
6 完了画面

❶ 集客
集客を大きく分けると、自然検索によるものと、広告経由のものがあります。自然検索による集客を増やすための施策といえば、「SEO」です。最近のSEOは、コンテンツの充実やHTML構造の見直しなど、検索エンジンに価値のあるサイトと評価してもらうための対策が中心になっており、かつて流行ったようなテクニック的な対策は少なくなっています。

また、ブランディングも重要です。サイト名やブランド名、商品名などによる「指名検索」を増やすことができれば、強力な集客施策となります。これらの自然検索による集客は、効果が出るまでに時間がかかるので、中長期的な戦略の上に行う必要があります。

集客で短期的に効果を出すことができるのは、広告です。広告の種類ごとにアプローチできるユーザー層が異なります。そのため、広告を出す場合には、想定ユーザーのペルソナを何パターンか作成し、それに沿ったテキストや画像などパーソナライズ化したクリエイティブを制作します。広告のなかでも着手しやすいのが、クリックに応じた成果報酬型の「リスティング広告」です。検索ワードに連動して表示される広告であるため、自社の商材や関連分野に興味がある顕在層に対して有効です。

また、外部メディアに広告を表示する「ディスプレイ広告」や「アフィリエイト広告」、「ネイティブ広告」などは、自社の商材や関連分野にまだ興味のない潜在層に対して有効です。最近では、幅広い顧客層に対してアプローチでき、細かくセグメントもできる「SNS広告」や動画を活用した広告も注目されています。

❷ サイト訪問時
ECサイトに集客したユーザーに対して、離脱を防ぎ、商品ページへとスムーズに誘導できるよう導線設計を行います。

この際、特に広告から最終的な購入へ誘導するためによく使われるのが、「ランディングページ(以下、LP)」です。EC業界におけるLPとは、一般的に単品通販などでよく使われる、ひとつの商品やサービスの購入、あるいはなんらかのCVに特化した、縦長1ページのWebサイトのことを指します。A/Bテストなどを行いながらLPを改善していき、LPにおけるCVRアップを行うことを、「LPO(Landing Page Optimization)=ランディングページ最適化」といいます。

一方で、単品通販ではなく総合通販型のECサイトの場合、サイト訪問時の離脱を防ぎ、商品ページへと誘導するための施策として多いのが、看板商品をわかりやすく提示することや、クーポン表示、ランキングなどでサイトのにぎわい感、いわゆる「ひとけ」を出すことがあげられます。

また、ユーザーが求める商品に最短でたどりつけるよう、適切なカテゴリ分けはもちろんのこと、「サイト内検索」の最適化もしておきたいところです。ユーザーが何か特定の商品を求めてサイトを訪れた場合でも、その求める商品のページに最初に入るとは限りません。さらに、ユーザーごとにパーソナライズ化したレコメンドやクーポンの表示ができる「Web接客ツール」や、離脱しそうなユーザーを察知して離脱防止のためのポップアップを表示したり、離脱後のユーザーに対してフォローできる「離脱防止ツール」などが効果的です。

最近は、リアルタイムで問い合わせができる「チャット」や問い合わせなどのユーザーとのコミュニケーションを自動化する「チャットボット」を導入するECサイトも増えてきました。

❸ 商品ページ
3つ目のポイントは、「商品ページ」です。商品ページを訪れたユーザーは、その商品の購入意欲が高いため、ユーザーの疑問や不安を解消することがスムーズな購入につながります。

商品ページには、商品画像や商品情報を過不足なく掲載することはもちろんのこと、商品を利用しているイメージ画像などもあると良いでしょう。例えば、アパレル商材など身につけるものは、商品単体の画像のほかに、着用画像も掲載するほか、写真のモデルがどのくらいの体型なのかがわかると良いでしょう。その他、使い方がわかりにくい商材などは、使用方法を動画で説明するのもおすすめです。

最近は、ユーザーがSNSなどに投稿したコンテンツ= U G C(User Generated Contents)を商品ページに掲載して活用するECサイトも増えつつあります。また、そういった商品に関する情報に加えて、在庫情報や利用可能な決済方法、配送規程なども商品ページで確認できると、ユーザーのよくある疑問が解消しやすくなります。

❹ 会員登録
多くのECサイトでは、商品を購入する前に会員登録を行います。会員登録で重要なのが、ユーザーの入力の負担をいかに少なくするかということです。会員登録などの入力フォームにおいて離脱を防ぐために最適化することを「EFO(Entry Form Optimization)=エントリーフォーム最適化」といい、そのためのツールも提供されています。EFOでは、ページ遷移を最小限にして、入力不備がある場合はわかりやすく表示、半角・全角、小文字・大文字などの自動修正や、郵便番号入力で住所が表示されるなど、ユーザーのフォーム入力を支援し、負担を少なくします。

EC事業者としては、できるだけ多くの情報がほしいところですが、会員登録の段階で入力項目を増やしすぎることは離脱率を高めます。スマートフォンの利用率が高くなっている現在はなおさらです。住所や氏名、連絡先など、商品配送に必要な入力項目はもちろん必要ですが、それ以外の入力項目は入れないほうが良いでしょう。

また、ユーザーにとっての会員登録のメリットをわかりやすく伝えることも、会員登録における離脱を防ぐためのひとつの方法です。また、アマゾンや楽天など、Webサービスのアカウント情報でサイトにログインできる「ソーシャルログイン」を導入するECサイトも増えています。ソーシャルログインは、はじめて利用するサイトに対する不安感の低減にもつながります。個人情報を扱う会員登録において、ユーザーの不安を減らすということは非常に重要
です。

❺ 「購入画面(決済)」
購入画面まで来たユーザーというのは、購入意志がかなり高いので、ここでの離脱は大きな機会損失となります。購入画面で最も重要なことは、希望する決済手段があることです。株式会社Paidyが2018年6月14日に発表した「オンラインショッピングの決済に関する調査レポート」によると、ECサイトにおいて希望する決済手段がないと、7 割以上のユーザーが離脱するという結果が出ています。ECサイトで最も利用されている決済手段はクレジットカードですが、そのほかの決済方法にも利用のニーズがあるため、自社のユーザー層が利用する決済方法を用意しておきましょう。

希望する決済方法がなかった際の行動
出所:株式会社 Paidy「オンラインショッピングの決済に関する調査レポート」(2018年6月14日発表)
https://download.paidy.com/press_releases/2018/20180614_PR_Research_Report.pdf

その他にも、決済画面で、配送日時指定、お届け先住所表示、注文品の確認などの情報を確認できるようにしましょう。これらの情報がすぐに確認できないと、ユーザーが不安を感じたり、確認に煩わしさを感じたりしてしまい、離脱につながる可能性が高まります。

❻ 完了画面
購入が完了したらCVは獲得できたことになりますが、一度の注文で終わらず、リピートにつなげることも必要です。そのために、購入後の完了画面でできることがあります。それは、購入した商品を基にしたおすすめ商品の提示や、お得になる定期商材やまとめ売りの案内などです。特に有効なのが、次回使用できるクーポンを配布することです。新規顧客獲得には手間もコストもかかります。一度獲得した顧客をリピートにつなげることも非常に重要です。

以上6つのポイントに加え、ユーザーがどの行動を取っているときにもCVRアップに影響する、2つのポイントがあります。いずれも、ECサイトに対するユーザーの安心感に関するものです。1つのポイントは、セキュリティです。個人情報、決済情報を入力するECサイトにおいて、セキュリティが守られていること、それをユーザーが感じられることは絶対条件です。セキュリティに不安を感じたら、ユーザーはそのECサイトで購入しません。セキュリティを保証するものとして今や大前提といえるのが、サイトのSSL化です。まだ対応できていないECサイトは早急な対応が求められます。また、個人情報管理資格の取得と表示も、ユーザーに安心感をもたせる要素のひとつです。

もう1つのポイントは、世界観の統一です。ECサイトへの集客にはSNSや広告、オウンドメディアなどで展開している世界観と、LPやECサイトの各ページの世界観が統一されていないと、ユーザーに違和感を与えてしまい、ECサイトからの離脱に繋がります。特に、SNS運用や広告、LPのクリエイティブを外注する場合、この点を十分にすり合わせ、世界観が保たれるよう注意しましょう。

CVRアップに必要なこと

CVRやCVはECサイト運営において重要な指標です。CVが伸び悩んでいるとき、あるいはCVに大きな変動があったときに、なにが良くてなにが悪いのかという原因は、データだけを見ていてもわかりません。そんなときは、今回解説したようにユーザーが商品を購入するまでの各種ポイントのどこに改善する余地があるのか、それぞれの原因につい
て改善を試みる必要があります。

すべてのポイントを一度に見ることは難しいかもしれませんが、まず、ECサイト全体の訪問者数の変化を見ることで、問題のあるCVポイントのあたりをつけることができます。訪問者数が伸び悩んでいたり、変化している場合は、「集客」に原因が考えられ、このポイントから改善してみると良いでしょう。

訪問者数に大きな変動がないのにCV数が伸び悩んでいる場合には、サイト訪問以降のどこかに原因が考えられます。ひとつひとつのポイントを確認していくのも良いですが、離脱防止ツールやヒートマップツールを使うことで、サイト訪問以降のどこに原因があるかを見つけやすくなります。特定のポイントに原因が見つからないという場合は、ユーザーにとってECサイトのセキュリティに不安感があるか、世界観が統一されていないといったことも考えられます。

そして、こういったCVポイントの改善を適切に行うためには、日々の計測が重要です。まずは日々、ポイント毎のCVRをしっかりと追い、変化にすぐに対応できるようにしましょう。


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