「ふるさと納税ランキング2019」が公表 返礼品目的はかわらず?

ECのミカタ編集部

大手9のポータルサイトに掲載されている返礼品を横断比較できるWebサービス「ふるさと納税ガイド」は「データで分かるふるさと納税」企画の第五弾記事として「2019年に実際に選ばれた人気のカテゴリランキング」を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

調査概要

[データ集計期間]
2019年12月1日-2019年12月31日

[集計データ]
「ふるさと納税ガイド」からASP経由で発生した成果データ

[対象]
ふるさと納税ガイドを経由して各ふるさと納税サイトで寄付を完了した人のうち、選んだ返礼品について正確性の高いサンプルのみを抽出

[調査対象]
1万5000件以上)

カテゴリ別寄付件数ランキング

カテゴリ別寄付件数ランキング

1位から第3位はふるさと納税の中で食品ジャンルの強さを見せつける結果となったようだ。やはり各自治体の名産品としてカラーが出やすい食品がふるさと納税の中で圧倒的に人気のカテゴリとなった。人気第4位は家電、5位は金券・旅行券、6位は日用品、第4位には「家電・電化製品」、第5位には「旅行券・金券」がランクインした。

「せっかくのふるさと納税で豪華な返礼品を貰い特別な体験をしたい」という需要がある一方、第6位「雑貨・日用品」や第7位「米・パン」、第8位「酒類(ビール等)」からは「日常的に消費するものをふるさと納税で貰って家計の足しにしたい」というニーズが見えてくる。

魚介・海産物部門

魚介・海産物部門

第1位は「鮮魚類」だった。マグロや干物、鮭など各地の多彩な魚が含まれるが、その中でも圧倒的な人気を締めていたのがカツオだ。高知県芸西村のカツオのたたきは鮮魚類の中で最も多くの寄付を集めた返礼品となっている。

第2位は「明太子・たらこ」となった。1万円の寄付で1kgもの明太子・たらこが届く返礼品が多く存在し、おにぎりからパスタ、酒のつまみまで幅広い使い方ができることが人気の理由となっている。

第3位は「ウナギ・穴子」が選ばれた。特にふるさと納税の返礼品として多くの自治体が用意している国産うなぎは、近年価格が上昇を続けており高級品だ。そのウナギがふるさと納税でもらえることに特別感を感じる人が多いと考えられそうだ。

肉類部門

肉類部門

第1位は「豚肉」だった。肉に寄付をした人の7割近くが豚肉を選択したことになる。これは圧倒的なボリュームを誇る豚肉の人気返礼品が複数存在することが理由としてあげられる。特に宮崎県都城市の豚肉のボリューム返礼品は時期を問わず不動の人気だ。

第2位は「牛肉」が選ばれた。各地のブランド牛のステーキやしゃぶしゃぶ用の肉であったり、A5ランクの黒毛和牛の肉は、普段中々手に入らない高級品として強い人気がある。第3位の「鶏肉」は、豚肉や牛肉からは大きく数字がひらいた。

フルーツ部門

フルーツ部門

第1位は「苺(いちご)」だった。昨年12月に最も旬な時期であったことはもちろん、幅広い年代に好まれていることも人気の理由とみられる。各地の様々な品種があるということも背景にありそうだ。

第2位は「ブドウ・マスカット」となった。特に種がなく皮ごと食べることができる強い甘みが特徴の「シャインマスカット」はふるさと納税で既設を問わず人気の返礼品となっているという。

第3位は「メロン」が選ばれた。特に人気なのはやはり最高級品のマスクメロンだ。1本の木からたった1玉しか作られないマスクメロンは、まさにメロンの王様の称号にふさわしい品と言えそうだ。その中でもふるさと納税の返礼品として人気なのは静岡県のブランドマスクメロンである「クラウンメロン」が数多く選ばれている。

まとめ

このようにふるさと納税で2019年に「実際に選ばれた」人気のカテゴリランキングが公表された。2019年のふるさと納税で人気だった返礼品の傾向を知るため、ふるさと納税の寄付が最も集中する12月に「ふるさと納税ガイド」を経由して寄付が行われた返礼品をカテゴリ別に集計されている。

ふるさと納税制度をとりまく状況としては、一時の「返礼品バブル」とも言える、行きすぎた返礼品競争に対応した法改正により、豪華な返礼品が息をひそめた。本来、ふるさと納税は寄付であるので当然の措置ともいえるが、今回の内容にみるように未だに返礼品目当てでの制度利用が後を絶たず、また前述のように情勢が一変する中での返礼品ランキングの公表となった。

各方面から返礼品規制によって大幅にふるさと納税の全体の寄付額が減少するとも言われており、また急速に感染が拡大している新型コロナウイルス対策については、国内ほぼすべての地域が当事者であり、ふるさと納税が制度として活用しにくいなどの事情もある。こうした中で、ふるさと納税の制度としての在り方が問われる状況は続きそうだ。

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