「世界の小売業ランキング2020」が公表 Amazonは3位に
日本で最大級のビジネスプロフェッショナルグループである「デロイト トーマツ グループ」は、今年で23回目を迎えるGlobal Powers of Retailingの最新版を日本語訳したレポート「世界の小売業ランキング2020」を発表した。
レポート内容
全世界の小売企業から2018年度(2019年6月30日までを期末とする事業年度)の売上高上位250社をランキングにし、地域別、セクター別に分析しているほか、世界経済の展望に加え、急成長小売企業50社と上位250社へ新たに加わった企業についての解説となっている。
調査結果
今回の調査結果では、上位250社の総小売売上高合計は4兆7,400億米ドル(前年度は4兆5,300億米ドル)、平均小売売上高は190億米ドル(前年度は176億米ドル)、2013~2018年度における小売売上高の年平均成長率は5.0%となった。
今年度、トップ5の顔ぶれは昨年と変動しなかったものの、Amazon.comが2018年度の小売企業上位10社の中で最も高い18.2%の小売売上高成長率を記録し初のトップ3入りを果たしている。またWalmartは22年以上連続で1位、Costco Wholesaleが6年連続で2位にそれぞれランクインしており、強さを見せた。
急成長小売企業50社では、EC企業が高い小売売上高成長率を主導している。為替調整後の売上高成長率は、平均11.2%と、上位250社平均の成長率(4.1%)をも大幅に上回る結果となった。
また、今回、日本企業でトップ250入りした企業数は昨年より2社減の29社となり、最上位は13位にランクインしたイオン株式会社となっている。
未だ強い実店舗
EC最大手のAmazonが5位から3位に浮上し、ECの潜在能力を感じた一方、まだまだ実店舗販売が主戦力の企業が上位には多い。
しかし、ECの成長率や昨今の巣ごもり消費の影響を鑑みると実店舗だけでは超えられないハードルがあることはもはや議論の余地はない。
1位にランクインしたウォルマートのように実店舗はもちろん、ECにも注力し、柔軟な戦略を展開することが大手小売店にも今後求められてくるだろう。