倉庫オートメーション市場は2025年までに270億ドル規模に グローバルインフォメーションが最新レポートを公表

ECのミカタ編集部

株式会社グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「倉庫オートメーション市場:技術(AGV/AMR、ASRS、コンベヤー、仕分け、オーダーピッキング、AIDC、パレタイジング、オーバーヘッドシステム、WMS/WES/WCS)、業種、 地域別 - 2025年までの予測」(LogisticsIQ発行)を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

ECが市場をけん引

レポートでは世界における倉庫オートメーションの市場規模は、2018年の130億米ドルから約2倍以上に成長し、2025年までに270億米ドルに達する見込みとしている。2019年から2025年までのCAGRは11.7%になると予測。eコマース、小売、3PLロジスティクス業界における消費者需要の構造変化が予測期間中の成長に寄与するようだ。

また倉庫オートメーションは、フルフィルメントに必須となって行くと分析している。電子商取引における顧客の要求を満たし、コストと運用の複雑さを管理するために、倉庫自動化ソリューションを導入する企業はますます増加。オンライン小売業の中核を担うのが物流機能でオンライン小売業の収益は在庫管理、注文処理、配送機能のコスト削減によって確保される。

倉庫オートメーションのスケーラビリティはeコマースの急成長を支えてきた。食料品のオンライン販売が増えるにつれ、各社は配送機能の拡張を迫られている。倉庫オートメーションは柔軟性があり、安価なコストで大量、かつ正確な受注処理を可能とする。納期の短縮、受注ミスの削減により、顧客満足度、収益性の向上も期待できる。オンラインによる食料品の小売は取扱高が多く、利益率が低いという性質から、倉庫オートメーションの完璧なユースケースとなり、さらには生鮮品の保管と配送に必要とされる温度制御されたサプライチェーンにも倉庫オートメーションの機能が活用されると予測している。

マイクロフルフィルメントとラストマイルデリバリーは、今後5年間でこの市場をさらに推進する見込みだ。また自動化により、倉庫の設置面積を最大85%、運用コストを最大65%削減することが可能となりそうだ。スペースの節約は、主にSKUをより高密度に格納することで実現され、運用コストの削減は、手作業の減少によって達成されるとしている。

進む倉庫のオートメーション化

ピッキングシステムは現状、大部分が手動で行われているが、自動化も可能だ。食料品のオンライン販売など多種多様なSKUから選択する場合は、手動ピッキングが好まれている。ピッキングは倉庫/DCの中で最も労働集約的な部分であり、自動化に適している一方で、SKUの数が増えるにつれてその実現は困難になる。

バーコードスキャンはエラーを最小限に抑えることができるが、RFIDを利用すればより迅速かつ正確に製品を識別可能だ。在庫管理システムを導入した場合、出荷対象を自動でピックアップして出荷できる。ロボットは多くの手作業とコストを削減し、効率性をさらに改善すると予測している。また完全に自動化されなくとも、pick-to-lightやpick-to-voiceのような支援技術により、労働者の効率を高めることができる。

自動仕分けシステムは、生産ラインから出たカートン、または倉庫のコンベヤシステムに乗ったパッケージを出荷前に仕分けするために使用される。少量の仕分けはすでに自動化されている場合も多く、自動仕分けシステムは、倉庫オートメーションを構成する重要な要素であり続けるだろうとしている。

パレタイジングではロボットがすでに広く採用されているが、さらに改善を加えることができる。パレットは入出庫の基本単位だ。パレタイジングシステムにより、商品の搬入出が自動化される。パレタイジングロボットは新しい概念ではないが、製品の重量、サイズ、および壊れやすさを考慮して積み降ろしを行う、よりスマートなシステムに対する需要が高まっている。またパレタイジングシステムを倉庫オートメーションに組み込むことは新たな商機となりえそうだ。

自動倉庫システム(AS/RS)は、フルフィルメントの最も複雑な部分の1つだ。サプライヤーからの引き渡し後に、クレートおよびパレットを保管し、新たなピッキングプロセスで利用可能にする。自動ラック、自動シェルフ、およびシャトルシステムが含まれ、倉庫の空間利用率を向上させすr。スタッカーのプロバイダーであるMIASは2015年にJungheinrichによって買収された。同社のスタッカーは、毎秒最大5メートルで移動し、高さ43メートルまで対応可能だ。

ロボット、ドローン、無人搬送車(AGV、AMR)はロジスティクスのサプライチェーンに新たに投入され、倉庫の運用を最適化し、在庫の品質保証の改善を実現する。AGV市場自体は過去3年間で2倍になり、今後5年間、CAGR35%で成長すると予測されている。

主要企業におけるM&Aの動向

さらに倉庫オートメーション市場では近年M&Aが急増しているそうだ。取引の例を挙げると、Shopifyは6 River Systemsを買収、TeradyneはAutoGuideとMiRを買収、AmazonはKivaの後にCanvas Technologiesを買収した。現在、上位5社のプレーヤーが市場シェアの50%以上を占めている。

今後もさらなる合従連衡が発生する可能性は高いだろうとしている。世界の倉庫オートメーション市場の主要企業として、Daifuku、SSI-Schaefer、Dematic、Muratec、Honeywell Intelligrated、Vanderlande、Knappなどが挙げられるようだ。これらの企業はECがけん引する同市場において、機器のサプライヤーとしても主要な役割を果たすことが期待されるところだ。

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