「マスク」だけではない意外な検索増加ワード 神戸デジタルラボがコロナ禍でのファッションEC市場の検索行動について調査したレポートを公表

ECのミカタ編集部

調査概要

[調査内容]
新型コロナウイルスの流行によるファッションECでの検索行動の変化

[調査対象]
「sui-sei」を導入するファッションECのキーワード検索関連(サイト内検索キーワード、リッチサジェストの利用キーワード)のログ

[調査データ]
2020年3月1日~5月中旬と2019年の同時期の比較

「マスク」だけではない意外な検索増加ワード

「マスク」だけではない意外な検索増加ワード

同社によれば、これまでほとんど検索されていない「マスク」が上位に上がっているサイトが複数あったそうだ。また全体的に目立ったのは「靴下」や「ソックス」などの靴下関連のキーワードの検索回数の増加で、平均5倍以上になっていた。

同社では、この増え方は、SNS等でも話題になった靴下を使ったマスク製作の影響ではないかと推測している。マスクを靴下で簡単に作ることができるとして「#靴下マスク」のハッシュタグでも話題になった。またステイホームで靴を履かないための冷え対策や普段ストッキング派が靴下を履くなどの理由もあるのではないかとしている。

さらにハンカチやタオルの取り扱いがあるECでは、これらのキーワードの検索回数がかなり増加していた。手洗いの推奨により手を拭く機会が増えたことや、先ほどの靴下同様に、ハンカチやタオルでマスクを代用したり、ハンカチでマスクを製作する、などの需要も可能性として考えられるそうだ。

「巣ごもり」アイテム関連の検索が増加

「巣ごもり」アイテム関連の検索が増加

「スウェット」「トレーナー」など、楽に着られるイメージのカテゴリのワードも全体的に増加しており、昨年の平均と比較すると約3倍にもなった。またTシャツ類も平均2.5倍と伸びた。外出自粛、在宅勤務で快適に過ごす服装として、探されていることが読み取れそうだ。またパジャマやルームウェアも取り扱っているECでは、パジャマ関連のワードの検索回数も約3倍となった。

コートやジャケットなどのアウターは、企業や細分化した種類によって差はあるが、総じて昨年比の30~80%程度となり減少傾向にあった。自粛の影響も考えられますが、暖冬の影響もありそうだ。

さらにキーワードの件数としてはいつも上位に上がるワンピースなどのおしゃれ着系は、やや減少傾向で60%~90%程度となった。ただしセットアップやフレアパンツ系など、今年流行しているものは伸びが見られた。「ドレス」などのパーティ系のワードは約4割と‭大幅に減少した。結婚式・パーティなど密になる機会が大幅に減少したことが、そのまま数値に表れていると言えそうだ。

キーワードにばらつきがあるため一概には言えないとしつつ、全体的として、「花柄」「チェック」「ストライプ」「レース」など、見た目に関するワードは、やや減少傾向にあるようだ。またピアスやイヤリング、ネックレスなどのアクセサリー類は、外出自粛に伴い需要は減るのではと予想してたそうだが、検索回数が目立って減ることはなく全体的には微増傾向だった。バッグや帽子類も全体的な変化はほぼなかった。

アクセサリー類へのニーズは堅調

同社では調査結果を踏まえて次のように述べている。

「外出自粛により、予想通り自宅で快適に過ごすための服装が伸びていることを感じました。一方で、アクセサリー、帽子などにはあまり変化はみられず、流行のファッションは着実に検索されているようでした。ファッションに敏感な層が、外出自粛によりファッションへの興味を失うということはあまりないのではと思います。マスクや靴下、ハンカチ系のキーワードが瞬間的に増えましたが、今後も、ファッションへの意識変化や新たな服飾の需要、瞬間的かつ爆発的な需要が発生する可能性があります。『何が探されているか?』『今後何が探されるか?』に目を向け、事業者の皆様の、変化への対処に少しでも貢献できればと考えています」

新型コロナウイルスによる感染拡大による影響が長期化する中でファッションへのニーズとトレンドも大きく変容していることがうかがえる。その中でもアクセサリー類などコロナ禍前と比べてニーズの変化が少ないものもあるなど興味深い調査結果となったようだ。

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