フードデリバリーネットワーク「foodpanda」国内初進出 先行企業を追えるか

ECのミカタ編集部

フードデリバリーネットワーク「foodpanda」は17日から日本でのサービスを始める。まず6都市の事業者と連携し、「すべての家庭で料理や食料品の宅配が利用できるようにする」という。アジア太平洋地域でのサービス開始は12カ国目。都市部を中心に普及している競合サービスとの差別化を図っていけるかが成功のカギとなる。

2020年末までに10都市以上へ展開を目指す

foodpandaが今回進出するのは、神戸、横浜、名古屋(以上9月17日〜)、札幌、福岡、広島(以上10月1日〜)の6都市。20年末までに10都市以上へ展開を目指すという。

foodpandaは2012年創業。親会社は世界にフードデリバリーネットワーク事業を展開するデリバリーヒーロー(本社・ドイツ)だ。

アジア太平洋地域では、日本を含めた12市場(シンガポール・香港・タイ・マレーシア・パキスタン・台湾・フィリピン・バングラデシュ・パキスタン・ラオス・カンボジア)の300以上の都市で事業を展開している。

デリバリーヒーローによると、2020年第2四半期にアジア太平洋事業の流通取引総額(GMV)は166%増加。注文数も44%増加したという。

世界のマーケット情報を収録した「Statista」によると、日本のオンラインフードデリバリーセグメントの収益は、2020年に23.6%の成長を示すと予想されている。

ユーザーへの普及率はシンガポール(41%)や香港(36.7%)に対し、日本は16.6%。新型コロナウイルスの影響はなお収まっておらず、フードデリバリーの需要は続いており、foodpandaによると「成長の可能性がある」。

オンデマンドで購入「25分以内に配達」

foodpandaは、コアになるフードデリバリー事業の拡大と、日本の小売業者と連携して食品以外の日用品を提供するクイックコマース(q-コマース)事業の二本柱で、日本での事業を開始する。

「q-コマース」は、消費者が必要なものをオンデマンドで購入し、25分以内に配達されるe-コマース。foodpandaアプリでは、消費者が注文した商品を直接店舗で受け取ることができるピックアップ機能も提供する予定だという。

一方、日本でのフードデリバリーでは、すでに事業を展開する企業の配達員が事故に巻き込まれる問題があった。

foodpandaは「安全性は大きな優先事項。foodpandaでは導入プロセスの一部としてトレーニングを実施している」としている。

後発ながら特色を出せるか

日本ではUber Eatsや出前館、menuなどのデリバリーサービスがすでに先行している。そんな中、参入したのがfoodpandaだ。

始めはあえて東京・大阪の大都市圏を避け、周辺都市から地盤を固めていくようだ。食料品や日用品を25分以内に届ける「q-コマース」を打ち出したり、「中小規模のレストランや食料品店」と組むことに言及したりと、「違い」を見せてきている。

世界規模の「新参者」がシェアをどこまで切り崩すか、注目が集まる。

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