AGV(無人搬送ロボット)市場は、2027年には43.4億ドル規模に

ECのミカタ編集部

eportocean.comは、2020年10月14日に、「無人搬送車市場調査レポート」を公表した。同レポートでは、成長要因、市場機会、課題、競争環境、無人搬送車の脅威など、主要な市場動向に焦点が当てられている。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

無人搬送ロボット市場は、大幅な成長が見込まれる

レポートによれば、無人搬送車(AGV)は、レーザーやビジョンガイド技術などのナビゲーション技術の助けを借りて、運転手やオペレーターを乗せずに床に沿って移動するポータブルロボットまたはロードキャリアとして定義している。これらの車両は、商品へのダメージを減らし、作業効率を高め、操作を自動化して高い生産性の実現に寄与している。

そのAGVは、オペレーターなしで商品を自律的に処理および輸送するために採用されているため、現代のロジスティクスの不可欠な部分だ。さらに、これらのタイプの車両は倉庫に比較的手軽に導入できるのも利点となっている。さまざまな業界での無人搬送車の需要の高まりにより、市場はここ数年で大幅な成長が見込まれているとしている。

ロジスティクスをはじめ幅広い分野で活用されるAGV

ロジスティクスをはじめ幅広い分野で活用されるAGV

無人搬送車市場は、種類、ナビゲーション技術、アプリケーション、業界、操作モード、および地域に基づいてカテゴライズされるようだ。そのタイプは、牽引車、ユニットロードキャリア、パレットトラック、組立ライン車、およびフォークリフトに分類される。またナビゲーション技術の面では、レーザー誘導、磁気誘導、光テープ誘導、視覚誘導などに分けられる。

さらにアプリケーションによって、それは輸送、流通、保管、組み立て、包装、および廃棄物処理に分類される。業界別には、自動車、製造、食品および飲料、航空宇宙、ヘルスケア、ロジスティクス、小売などにわたって分析され、動作モードに基づいて、屋内と屋外に分類される。このように多くの業界や分野に従ってさまざまなAGVが生み出され、かつ活用されているのだ。

AGV市場は、2027年には43.4億ドル規模に

レポートでは、無人搬送車関連企業として次を上げている。「BALYO、ダイフク株式会社、E&K Automation GmbH、inVia Robotics、Inc.、JBT、KUKA AG、Oceaneering International、Inc.、Seegrid Corporation、SSI Schaefer、Toyota MaterialHandling」がその主だったもので、日本の企業もいくつか含まれる。こうしたAGVやその関連技術を提供する企業を含め、世界における同市場は、2027年までに43.4億ドル規模に成長する見込みだとレポートでは述べられている。

日本はもちろん、世界においてもEC市場の急速な成長と、新型コロナウイルスによる感染拡大の影響によって、それを支える物流に大きな負荷がかかる状況になっている。その状況を解決する一つの方法が、倉庫やロジスティクスへのロボットの導入だ。すでに日本国内の主要な倉庫ソリューションにおいても、多くのロボットが稼働しており、枯渇する人的リソースを補い、物流を円滑化し、コストの削減にも寄与しているのは、多くの事例からも証左されている。レポートによっても、これからもそのニーズは増大し、市場としても拡大していくことが見込まれるようだ。

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