2020年10月度コロナ禍での美容に関する消費意識調査を実施[@cosme調べ]

ECのミカタ編集部

株式会社アイスタイル(以下 アイスタイル)は、運営するサービス@cosmeのプロデュースメンバーである、15~69歳の女性6732名を対象に、2020年5月末(緊急事態宣言解除直後)に続き、コロナ禍における生活者の美容行動や意識の変化について調査した「美容とライフスタイルに関するアンケート」(以下、ユーザーアンケート)の結果を公表した。
その概要についてポイントを絞って見て行く。

調査概要

調査名称:化粧品とライフスタイルに関するアンケート
調査対象:15-69歳の@cosmeプロデュースメンバー 女性
調査地域:全国
調査方法:Web調査
調査時期:
・1回目2020年5月26日~27日※5/25緊急事態宣言解除
・2回目2020年10月2日~4日※10/1Gotoキャンペーン東京開始
集計数: 5月調査 1万951サンプル/10月調査  6732サンプル

テレワークの機会は減少傾向、友人・知人と会う機会も少しずつ回復

テレワークの機会は減少傾向、友人・知人と会う機会も少しずつ回復

テレワークが増加したという回答は10月調査においても2割を超えた。一方で、5月調査と比較するとその率は減少傾向にあり、働き方の選択肢の幅の広がりを感じさせる。また、友人・知人との対面もコロナ以前まではいかないものの、少しずつ回復している様子がうかがえる。

スキンケアにかける金額に増加傾向

スキンケアにかける金額に増加傾向

生活全般への変化を感じる人はやや減少傾向となり、「穏やかではあるが変化に順応しつつある」様子がみられた。一方で、美容については5月調査と比較し「変化を感じた」との回答が微増した。新しい生活様式が日常となったことで増える悩みに対し、未だ解決策を見いだせていないことがうかがえる。

また、日常を取り戻しつつあることで「自分のために使える時間」は5月調査よりも減ったものの、「おうち美容にかける時間」は微減にとどまった。さらに外へ出る機会が増え、マスクをする時間がさらに長くなったためか、「マスクによる肌荒れ」を気にする人は5月調査よりも増加した。

マスクによる肌悩みの増加などを受け、スキンケアへの関心は5月調査から引き続き緩やかに上昇している。また、それ以上にスキンケアにかける金額が「増えた」との回答でより高い増加傾向がみられた。

ベースメイク・アイメイクは回復、リップメイクはダウン

ベースメイク・アイメイクは回復、リップメイクはダウン

メイクの変化をみると、外出機会の増加によってか「ベースメイク・ファンデーションが薄くなった・しなくなった」との回答が5月調査よりも減少した。また、アイメイクは、「濃くなった・するようになった」が増加した。
一方でリップメイクは「薄くなった・しなくなった」がさらに増加する結果となった。

また「マスクによる化粧崩れが気になるようになった」との回答が5月調査よりも増加しているものの、メイクの仕上がりを変えている人の率には変化がみられず、具体的な解決策をみつけるには至ってないものと思われる。

昨今注目が高まっている「ウェブ映り」に関しては、10代20代前半では2割が取り入れているものの、全体では1割以下にとどまっており年代による違いが顕著にみられた。また、5月調査からの変化もみられなかった。

メイクへの支出額は依然ダウン傾向も、関心は衰えず

メイクへの支出額は依然ダウン傾向も、関心は衰えず

5月調査から引き続き、依然としてメイクへの支出額はダウン傾向が続いている。
一方で、メイクへの関心は衰えていないため、今後、「マスクにつかないリップアイテム」「マスクをしても崩れないファンデーション」等、ニューノーマルなメイクニーズに応える商品が生活者の需要を喚起するかもしれない。

「ヘアケア」「ボディケア」に対する関心も、5月調査から引き続き増加傾向がみられた。また、「食事・食生活」や「運動」「睡眠」、「美容機器・グッズ」などによるセルフケアへの意識の高まりもうかがえる。

まとめ

調査結果にあるように、おうち時間は減少するも、おうち美容の時間はキープ傾向にあり、マスクによる肌荒れも支出への後押しになるなど、スキンケア需要がさらに高まっている様子がわかった。
また、メイク行動はやや戻るも支出は依然ダウン傾向にあり、「ベースメイクは薄くなった・しなくなった人は減少」「アイメイクは濃くなる方向へ」「リップメイクは引き続きダウン」「『ウェブ映え』を意識したメイクは若年層で浸透傾向も、全体では1割以下という結果となった。
さらにボディ、ヘアへの関心は引き続き高い水準を維持していた。

調査を総括して同社では、次のように述べている。

「緊急事態宣言が発令され、自粛生活を余儀なくされた2020年上半期。『おうち時間の増加』や『人に会う機会の減少』が主な要因となり、美容意識や行動にも変化をもたらされました。
しかし、10月に入り、『Go To キャンペーン』が全国で開始されるなど『ウィズコロナ』への機運が高まっています。今回の調査結果でも、生活全般については「穏やかではあるが変化に順応しつつある」様子がみられました。一方で、美容については5月調査と比較し『変化を感じた』との回答が微増するなど、引き続き混乱がみられます。
特にメイクに関しては、関心こそ失ってはいないものの、ニューノーマル時代に順応できていない人も多くいるだろうことが推察されます。マスクメイクひとつとってみても、情報を整理し・試し・自分に合った方法を習得するには、いま少し時間がかかりそうです」

長引くコロナ禍だが、美容に関しても消費者は柔軟に対応しつつ、マスクの長時間着用や外出の減少にあわせたコスメのあり方など、ニューノーマル時代特有の変化も感じられる調査結果となったようだ。
ECビジネスを考える上でも、こうした消費マインドの変化は大いに参考にできるのではないだろうか。

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