ヤーマンが業績予想を上方修正 アリババ「独身の日」で輸入1位
ヤーマン株式会社は、2021年4月期(2020年5月1日~2021年4月30日)の業績予想を上方修正した。
通期連結業績は過去最高
ヤーマン株式会社は、11月17日開催の取締役会で、最近の業績の動向等をふまえ、6月12日の2020年4月期決算発表時に開示した2021年4月期(2020年5月1日~2021年4月30日)の業績予想について、修正することを公表した。
2021年4月期第2四半期(累計)及び通期連結業績は、売上高・利益ともに前回予想を上回るとともに、通期連結業績については過去最高となる見込みだとしている。
「独身の日」電子美容機器の販売・売上シェア1位を獲得
新型コロナウィルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言の発令やその後の外出自粛などの影響により、実店舗の売上が減少する一方で、巣ごもり消費によりECを中心とした通信販売は売上を増加させるなど消費行動に変化が起こった。
在宅時間が長くなり、美容健康機器というカテゴリが非常に好調となる中、同社の多種多様な製品ラインナップが顧客のニーズにマッチしたことや、同社が長年にわたって取り組んできた販売チャネルの多角化が奏功してリスク分散が図られたこと、特別給付金効果による需要捕捉に成功したことなどから、期首において想定以上にインフォマーシャルやECを軸とした直販部門が大きく売上を伸ばしたほか、地上波の各テレビ局への卸売を展開する通販部門も堅調な売上となった。
世界的な渡航制限のため、訪日客によるインバウンド需要は後退したが、中国国内においても日本国内と同様、T-mallやJD.comなどECによる通信販売が好調となった。
現地代理店と協働し、T-mall内でライブコマースを配信して製品の機能や技術の詳細な説明を行い、リアルな視聴者とのコミュニケーションを通して販売促進を強化するなど、これまで以上にブランディングや販売体制の整備を進めてきたことが結実し、海外部門も期首の想定を大きく上回る売上となった。
なお中国においては、世界最大規模のネットセールスデーとして知られる 11月11日の「独身の日」に、2019年の同日に同社が記録した美顔器カテゴリにおける史上最高売上額を更新し、電子美容機器部門における販売実績及び売上シェアで5年連続1位を記録した。
世界大手企業も含めた中国の消費者が購入した輸入ブランドのトップ10でも同社が1位を獲得し、1日の売上が1億人民元を超えた「億元ブランド」に美顔器カテゴリから唯一、3年連続でリストインすると同時に、1日の売上が1億人民元を超えた単独店舗として、昨年に続いて美顔器カテゴリから唯一、「雅萌(ヤーマン)旗艦店」が2年連続でリストインした。
これらの結果から、2021年4月期第2四半期(累計)及び通期連結業績は、売上高・利益ともに前回予想を上回るとともに、通期連結業績については過去最高となる見込みとなった。
積極的な投資
同社は、今後の取り組みについて次のように述べている。
「新型コロナウィルス感染症拡大の影響によりお客様の消費行動が大きく変わった結果、当社はその恩恵を受ける形で上半期の売上を大きく伸ばすことができました。
しかしながら、特別定額給付金による消費が一巡し、『GO TO トラベル』『GO TO イート』の影響により通販消費の伸びに鈍化の傾向が見られるなど、当社を取り巻く経営環境は未だ変化の途上にあります。
このような状況の中、通販・店販・直販・海外の各販路それぞれの伸長と最適化を図りながら、研究開発や広告宣伝などの今後の売上に繋げるための投資については、経営資源を手厚く配分し、上半期よりも更に積極的に行ってまいる方針です」
同社は、先に行われた中国ネット最大手アリババグループが開催した「独身の日」イベントで「輸入ブランドGMVランキング」(11月1日〜11日午前9時)において1位を獲得した。
先述したように、2019年の同日に同社が記録した美顔器カテゴリにおける史上最高売上額を更新し、電子美容機器部門における販売実績及び売上シェアで5年連続1位という大記録となっている。
こうした越境ECでの好調が同社の業績にも大きく寄与し、今回の公表へとつながったようだ。さらに熱度を増す越境EC市場を前に、今後の同社の行方にも視線が集まりそうだ。