中堅・中小企業の85%がアナログ手段で受注 アイル調査

ECのミカタ編集部

企業向け業務管理システム開発・提供の株式会社アイル(本社:大阪市北区・東京都港区、代表取締役社長:岩本哲夫)は、9月16日~10月20日、年商10億円未満から100億円以上までの、中堅・中小企業の受注業務者を対象に、企業間取引における受注業務の実態を調査し、このほど結果を公表した。

調査対象712社の85%以上で、FAX・電話などに依存した「アナログ業務」が根付いている実態が浮き彫りになった。一方で、企業間取引をECで行うBtoB EC(Web受発注システム)導入企業の約8割が、入力作業をはじめとした業務時間を削減できていることも明らかになった。

受注方法最多はFAXで約4割

受注方法最多はFAXで約4割

調査によると対象の85.8%が、FAX、電話、メール、対面営業や展示会、といった「アナログ」な方法による受注だった。ECプラットフォーム、BtoB ECなど「デジタル」は14.2%にとどまった。

受注方法の内訳をみると、FAXが最多で37.2%、ついで電話16.7%、対面営業15.6%、メール15.3%と続いた。
BtoB EC導入を「検討中」「興味あり」とする企業に対しFAXによる対応の困りごとを問うたところ、「転記での業務負担」が35.2%で最多。「読み取り間違い、誤解」が29.7%、「繁忙期・閑散期(の差)が激しい」が17.7%だった。

BtoB導入の導入・前向きに検討中計4割以上に

BtoB導入の導入・前向きに検討中計4割以上に

取引先と自社でのWeb受注システム(BtoB EC)は導入しているか?という問いに対しては、「導入済み」「検討中」「興味あり(情報収集中)」が合計で4割以上に達した。

BtoB EC導入の不安「得意先に使ってもらえるか」が最多

BtoB EC導入の不安「得意先に使ってもらえるか」が最多

企業間でのWeb受注システム(BtoB EC)における不安、課題を教えてください、との問いでは、BtoB ECを「検討中」・「興味あり」、「予定なし」にかかわらず「得意先に使ってもらえるか」が最多だった。

BtoB EC導入への課題、では「単価設定が複雑」「商品管理が複雑」がいずれも3割弱で、複雑な商慣習を懸念する声もあった。

BtoB EC導入済み企業の4社に1社は、得意先利用率50%以上

BtoB EC導入済み企業の4社に1社は、得意先利用率50%以上

BtoB EC導入済み企業のおよそ4社に1社は、得意先利用率50%以上だった。一方で「20%以下」も26%に達し、得意先への利用促進の取り組み方や業種によって差があることがわかった。

企業間取引のEC化により1人あたり1日で、約8割が1~2時間以上業務を短縮できる

企業間取引のEC化により1人あたり1日で、約8割が1~2時間以上業務を短縮できる

企業間取引の受発注をEC化したことにより1人あたり1日で、どれくらい
時間を短縮できたか、との問いでは、およそ8割が1~2時間以上業務を短縮できた、とした。

業務への効果としては、「入力作業の軽減」が最も多く、「電話対応時間の短縮」、「残業時間の削減」、などと続いた。

アイルBtoB EC推進統括本部、江原智規氏は以下のように述べている。

「多くの中堅・中小企業は、未だFAX・電話に依存する、アナログで属人化された業務を強いられている実態が明らかになりました。得意先各社との契約条件や自社独自の複雑な業務などにより、やむを得ない現状が伺えます。

しかし、「企業間取引のEC化における不安」で最多の「得意先の利用」に関しては、4社に1社は得意先のEC利用率が50%以上という結果が出ています。
また、単価設定や商品管理といった複雑な業務をEC化する難しさへの懸念が多く見られますが、我々の提供するBtoBに特化した『アラジンEC』のように、コストを抑えながらカスタマイズによりEC化に対応できるケースもあります。

BtoB ECが業務効率化に貢献している結果を明らかにできた一方で、BtoB EC導入済み企業における得意先のEC利用率や、2割が業務時間の削減にいたっていない結果も踏まえ、我々システムベンダーがBtoB ECの可能性や活用方法を啓蒙し、サポートしていく重要性を再認識する調査結果となりました」

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