越境ECの成長軌道に減速の兆候なし ペイオニアが「越境セラーインデックス2020年第2四半期、第3四半期」を公表

ECのミカタ編集部

ペイオニア・ジャパン株式会社(本社:東京都港区、カントリーマネージャー:岡本 王湖、以下「ペイオニア」)は、世界中のマーケットプレイスで販売を行っている約20万事業者のデータを使用して、越境ECの状況を分析した調査レポートを公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

ECへの消費移行は定着か

調査では、販売量と販売者数に関する各国の統計に基づき、世界のECの現在の傾向から、業界がどこに向かっているかを予測している。主に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でEコマース業界が大きく成長していることに焦点をあて、今後の動向を探る機会になることを目的としているとしている。

越境ECセラーは、第2、第3四半期ともに、前年同期比で80%以上、収益が増加した。要因として消費者のステイホームによる影響が注目されており、一貫して成長が続いていることは、消費者の行動の変化がこのまま留まることを示していると分析している。

サプライチェーンが成功の鍵を握る

サプライチェーンが成功の鍵を握る

レポートの主な内容は次の通りだ。

◆Eコマースは今後も成長し続けると予測

越境ECセラーの収益は第2、第3四半期ともに前年同期比で80%以上の伸びを示したが、これは前年成長率の3倍近くに達することになる。米国を拠点とするセラーの成長は顕著で、第2四半期に153%の売上増を記録し、第3四半期には前年同期比155%と売上を維持した。

◆オンラインセラーの革新性と回復力

サプライチェーンの混乱により、オンラインセラーは取引を継続するための代替手段を見つけざるを得なかった。さらに76%のセラーは、ビジネスをより多様化するために、新しい市場への進出を検討している。

◆サプライチェーンが成功の鍵を握る

世界的なEコマースの成長に関連して、中国の物流・製造業の再開があった。パンデミックが発生した当初の第1四半期は不安定だったが、中国国内の回復により、中国の国際セラーの売上高は前年同期比65%増となった。同様に、イギリスを拠点とする国際セラーの第2四半期と第3四半期の売上は、前年同期比でそれぞれ59%増と64%増だった。

ECは新たな成長軌道へ

ペイオニアのジェネラル・マネージャーである、イアル・モルドヴァン氏は次のように述べている。

「我々は今年、購買習慣が著しく変化するのを目の当たりにしました。Eコマースの台頭は、以前は緩やかな坂だと思われていましたが、世界各国がロックダウンに移行したことで、急な坂へと変化しました。サプライチェーンが混乱しているにもかかわらず、オンラインセラーは、新たな機会を見極め、適切なタイミングでそれを掴み、優れた革新者であることを改めて証明しました。それはまさに、 Eコマースの新たな長期的成長軌道を確保する能力と回復力の組み合わせによるものです」

新型コロナウイルスによる感染拡大の影響によって激変に見舞われた世界経済。その中において、ECへの消費の流入が一気に加速している。一早くパンデミックを経験し、落ち着きを見せつつある中国市場をはじめ、各国の状況を見ても、急速に立ち上がったEC市場の上昇曲線は、これからも高い水準で維持されることになりそうだ。

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