2020年総広告費は6兆1,594億円とマイナス成長もインターネット広告費はプラス成長

ECのミカタ編集部

日本の総広告費の推移

株式会社電通(本社:東京都港区、代表:五十嵐博)は、日本の総広告費と媒体別・業種別広告費を推定した「2020年日本の広告費」を発表した。

2020年日本の総広告費は6兆1594億円

2020年日本における総広告費は6兆1594億円という結果になった。東日本大震災の2011年以来、9年ぶりのマイナス成長。また、リーマンショックの影響を受けた2009年以来11年ぶりの2桁減少となり1947年の統計開始以来2番目の下げ幅となった。この背景には新型コロナウイルス感染拡大の影響により前年までのインバウンド消費がほぼなくなったこと、外出自粛により外食・交通・レジャーを中心に大きなダメージを受けたことで広告業界も余波を受けたことなどが挙げられる。

インターネット広告費はプラス成長

日本の広告費は①マスコミ四媒体広告費、②インターネット広告費、③プロモーションメディア広告費の3つに分類される。2020年はイベントや販促キャンペーンの延期・中止に伴い、マスコミ四媒体広告費とプロモーションメディア広告費の減少が大きい。一方で、巣ごもり需要の増加によりデリバリーやネット通販、オンラインイベント(以下ウェビナー)、キャッシュレス決済など社会的にもDX化が進んだため、インターネット広告費は通年でプラス成長となった。媒体別広告費の概況は以下の通りである。

■マスコミ四媒体広告費 2兆2,536億円(前年比86.4%)
6年連続の減少となり、新聞広告費・雑誌広告費・ラジオ広告費・テレビメディア広告費は全て大きく前年割れの結果に。

■インターネット広告費 2兆2,290億円(前年比105.9%)
1996年の推定開始以来、一貫して成長を続け「マスコミ四媒体広告費」に匹敵する2.2兆円規模の市場に。4~6月期は新型コロナの影響を受けたものの、通年でECなどが堅調であった。また、マスコミ四媒体事業者が提供するインターネットサービスにおける広告費「マスコミ媒体由来のデジタル広告費」803億円(前年比112.3%)や「物販系ECプラットフォーム広告費」1,321億円(前年比124.2%)の二桁成長が全体を押し上げた。

■プロモーションメディア広告費 1兆6,768億円(前年比75.4%)
各種イベントや広告販促キャンペーンの延期や中止に加え、外出・移動の自粛も影響し通年で減少。特に「イベント・展示・映像ほか」や「折込」などが大幅に減少した。

インターネット広告費の詳細

各種イベントや広告販促キャンペーンの中止や延期などの影響を受け、マスコミ四媒体広告費とプロモーションメディア広告費はマイナスとなったが、インターネット広告費はコロナ禍においても唯一のプラス成長となった。

その中でも運用型広告費は1兆4,558億円(同109.7%)。SNSやEC、動画配信サービスへの接触機会が増え、大手プラットフォーマーを中心とした運用型広告の需要が高まったと分析している。

■新聞デジタル 173億円(前年比118.5%)
4~6月期は予約型広告出稿が減少したものの、新聞本紙を基盤とするコンテンツの信頼性によりサイトPV数が増加した結果、運用型広告による売上も増加。業種別では山﨑関連のIT業種などによる出稿増が目立った。

■雑誌デジタル 446億円(前年比110.1%)
4~6月期から出版各社主要ウェブメディアのPV数が大きく増加し、特に電子雑誌はコミック誌を中心に大幅な伸長を見せた。他にも、ウェビナー企画やオンラインイベント、広告主サイトのコンテンツ制作、SNS活用、動画制作、配信企画などが広告モデルとして拡張している。

■ラジオデジタル 11億円(前年比110.0%)
外出自粛やリモートワークの普及によりradikoの聴取率が伸びたことでラジオデジタルの運用型広告への注目が集まった。また、ラジオとオンラインイベント、ラジオとSNSを掛け合わせた施策が増えたことで出稿が増える結果となった。

■テレビメディアデジタル 173億円(前年比112.3%)
テレビメディアデジタルのうち「テレビメディア関連動画広告」は170億円(前年比113.3%)と前年に続いて伸長。中でも「TVer(ティーバー)」は地上波テレビ放送由来のコンテンツ力を背景にユーザー数を大きく伸ばし、テレビ受像機での利用増加も成長に寄与。

■物販系ECプラットフォーム広告費 1.321億円(前年比124.2%)
コロナ禍において物販系ECプラットフォーム自体が社会的にも大きな役割を果たし、連動して物販系ECプラットフォーム広告費も引き続き高い成長率を見せた。

普及広がるインターネット広告

インターネット広告の中でもとりわけ、運用型広告や物販系ECプラットフォーム広告費が増加しており、広告のレッドオーシャン化を感じる。競合が増えることは獲得単価に影響を及ぼすことも多く、景表法に引っかかるかどうかのギリギリを攻めた広告も見かけることが多くなった。

業界成長だけではなく、改めて責任ある広告配信を行い健全な成長を目指すことが業界発展に繋がっていくのではないだろうか。

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