「いつでも、どこでもPayPayで」決済回数が1年で20億回を突破
ソフトバンクグループ株式会社とソフトバンク株式会社、ヤフー株式会社の3社が共同出資するPayPay株式会社は、提供するキャッシュレス決済サービス「PayPay」について、登録者数などの主要指標の推移および2020年度下期に行った主な取り組みについて公表した。
決済回数が1年で20億回を突破
「PayPay」の登録者数、加盟店数および決済回数は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響下においても伸長し、順調に推移した。決済回数は、2020年4月から2021年3月まで1年間で20億回を突破し、前年度の8億回と比較して約2.5倍になったという。特に、2020年度の第4四半期においては、3カ月で計6億回を超え、前年同期比で約1.6倍になった。
◆登録者数・加盟店数・決済回数
登録者数:3,800万人を突破
加盟店数:316万カ所超
決済回数:2020年4月から2021年3月までの1年間の決済回数が20億回超
2020年度下半期のPayPayの取り組み概要
◆新サービスの追加と既存サービスの拡大
「PayPayクーポン」の提供を開始し、クーポンの利用者数は280万人を突破。ミニアプリ「ボーナス運用」「お金を借りる」など金融サービスの利用が拡大した。また「ボーナス運用」利用者はサービス提供開始からわずか1年で300万人を突破した。PayPay残高を「送る・受け取る機能」に、メッセージの送受信や背景デザインを選んで送れる機能を追加した。
◆PayPayの決済プラットフォームを活用した取り組み
決済プラットフォームをパートナー企業のアプリに提供。「セブン‐イレブンアプリ」と「PayPay」を連携したユーザーが提供開始から21日間で300万人を突破した。また「PayPay」のミニアプリAPIを提供開始し、スタートアップ企業の支援とミニアプリ機能の拡充を促進する取り組みも実施した。さらに自治体とともに取り組む「あなたのまちを応援プロジェクト」を拡大させた。
◆キャンペーンの実施
大規模キャンペーン「超PayPay祭(ちょうペイペイまつり)」を実施。「マイナポイント事業」における「PayPay」の登録者数が300万人を突破した。
◆安全、安心を追求した取り組み
さらに安心して「PayPay」を利用してもらうための不正利用対策を実施した、
「PayPayクーポン」の提供を開始、利用者数は280万人を突破
加盟店が任意でPayPayボーナスの付与を設定できる「PayPayクーポン」を、2020年11月から提供開始した。ユーザーは「PayPay」アプリ上でクーポンを事前に取得するだけで、対象店舗にて「PayPay」で支払うと、自動的にPayPayボーナスの付与特典が受けられる。
手軽に特典が受けられることから、多くのユーザーから好評を得て、2020年11月の提供開始から、2021年3月末までにクーポンの利用者数は280万人を超えた。また加盟店にとっても「PayPayクーポン」を利用することで、全国3,800万人以上のPayPayユーザーを対象に効率的かつ有効な施策の実施につながった。
従来型のクーポンや割引券を配布した際に発生する決済時における店舗スタッフによる確認作業や回収作業など、店頭でのオペレーションも不要になるなど多くの利便性があり、「PayPayクーポン」を発行する加盟店は拡大しているという。
金融サービスの利用が拡大
「ボーナス運用」利用者はサービス提供開始から1年で300万人を突破した。 PayPay証券株式会社が提供する、PayPayボーナスを利用して疑似運用体験ができるサービス「ボーナス運用」や、PayPay銀行株式会社が提供するカードローンの申し込みや借り入れが可能になる「お金を借りる」などの利用が拡大した。
「ボーナス運用」は、200万人の運用者を突破して以降も順調にユーザー数を伸ばし、サービス提供開始から1年となる2021年4月5日時点で、300万人を突破した。2021年度も引き続き、マルチパートナー戦略で「スーパーアプリ」化を進め、その中でも特に金融サービスに注力し、自社グループに限らず、金融機関や金融商品を取り扱う企業との連携を進めていくとしている。
PayPay残高を「送る・受け取る機能」に新機能を追加
PayPay残高を「送る・受け取る」に、PayPay残高を「送る・受け取る」タイミング以外でもメッセージを送受信できるチャット機能や、背景のデザイン(テーマ)を選んでPayPay残高を送れるテーマ機能を追加した。
チャット機能追加により、PayPay残高を送る前に相手にお願いや相談をしたり、受け取ったあとも、お礼を伝えたり、相手とコミュニケーションがとれるようになった。
また「PayPay残高を送る際のデザインを自由に選択し、送りたい」というユーザーからの要望も多く、お祝いや感謝の気持ちなどシチュエーションにあわせて好きなテーマに変更できる機能を追加した。
決済プラットフォームをパートナー企業に提供
PayPayの決済プラットフォームをパートナー企業のアプリに提供する取り組みの第一弾として、2021年2月25日から、「セブン‐イレブンアプリ」において「PayPay」が利用可能になり、「セブン‐イレブンアプリ」と「PayPay」を連携させたユーザーは機能の提供開始から21日間で300万人を超えた。
ユーザーはこれまで、バッジやセブンマイルなどの特典を獲得するために、決済時に別途「セブン‐イレブンアプリ」の会員コードの提示も必要としていたが、「セブン‐イレブンアプリ」画面上に表示された「PayPay」の支払いバーコードを提示するだけで、決済と同時に特典の獲得が可能になった。
パートナー企業は、自社アプリなどに「PayPay」を導入することで決済機能を一から開発することなく自社アプリに搭載し、ユーザーの利便性を向上できる。すでに「PayPay」を利用しているユーザーは、簡易な初期設定だけでアプリを連携させることができ、「PayPay」は3,800万人以上ものユーザーが利用していることから、多くのユーザーの連携が見込めるとしている。
「PayPay」のミニアプリAPIを提供開始
自社で運営するECサイトやアプリなどで提供するオンラインサービスの決済システムとして「PayPay」を手軽に導入できる開発者向けツール「PayPay for Developers」で、「PayPay」のミニアプリに関するオープンAPIの提供を2020年10月26日に開始した。
ミニアプリのオープンAPIを提供することで、ミニアプリで自社サービスを展開したい企業側での開発が簡単に可能となり、3,800万人以上が利用する「PayPay」をプラットフォームとして活用し、新規顧客の獲得や利用者の拡大につなげられるとしている。
またミニアプリのオープンAPI提供に合わせてスタートアップ企業を対象に、参加企業の成長支援と「PayPay」のミニアプリ機能拡充を目的とした「PayPay Accelerator Program」をZ Venture Capital株式会社およびEast Venturesと協同で提供を開始した。
自治体とともに「あなたのまちを応援プロジェクト」を拡大
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が地域経済に大きな影響を与えていることを受けて、「PayPay」の決済プラットフォームを活用した取り組みを地方自治体と共同で実施する「あなたのまちを応援プロジェクト」を、2020年7月に発足させた。
同プロジェクトでは、2021年4月時点で全国38都道府県の自治体でキャンペーン実施が決定している「PayPay」を活用すると、自治体は地域振興券や商品券などの発行や換金、印刷などが不要になる一方、利用者は商品券の購入するために特定の場所に出かける必要がなくなるなど、自治体、利用者双方にとって多くのメリットがあり、キャンペーンは今後も各地で実施する予定だとしている。
大規模キャンペーン「超PayPay祭」を開催
2020年10月、11月と、2021年3月に全国のPayPay加盟店とオンラインショップで買い物が楽しめる大規模キャンペーン「超PayPay祭(ちょうペイペイまつり)」を実施。特に、2回目の実施となった3月の「超PayPay祭」では「超PayPay祭 最大1,000円相当 20%戻ってくるキャンペーン」をはじめとして、多数のキャンペーンを展開した。
マイナポイント事業でPayPay登録者数が300万人を突破
総務省が2020年9月1日から実施している「マイナポイント事業」において、2021年4月に「PayPay」の登録者数が300万人を超えた。「マイナポイント事業」の申込登録をした上で「マイナポイント事業」の期間中に「PayPay」へチャージすると、PayPay残高へのチャージ金額、もしくは「PayPay」で支払った金額の25%分が付与される(付与上限:5,000円相当/期間)。
「マイナポイント事業」の決済事業者の登録受付が2021年9月30日まで延長され、登録者数は引き続き拡大を見込んでいるとしている。なお、「PayPay」への登録には、2021年4月30日までにマイナンバーカードの申請が必要だ。
安心・安全への取り組み
2020年12月に公表した同社管理サーバーのアクセス履歴については、アクセスされた可能性のある最大のデータ件数を20,076,016件としていたが、詳細な調査分析により2,101件であったことが判明した。アクセス履歴については、当初の公表どおりブラジルからのアクセス履歴1件のみであることを再確認している。
並行して実行した同社システムにおける業務プロセス点検の中で、PayPay加盟店からの問い合わせ情報を記録するサーバーのアクセス権限の設定に不備があったが、詳細な調査の結果、権限がない外部第三者によるアクセスは無かったことを確認したとしている。
また、「PayPay」の関連システムにおける業務プロセスを点検し、システム変更管理プロセスの改善を進めており、変更時の事前承認、作業のダブルチェックや、システム変更作業記録の保存徹底を行っている。セキュリティーチェックの強化策、定期的なアクセスモニタリング実施などの各種再発防止策について、計画通りの改善が進んでいるともしている。
さらに PayPayでは、安全・安心にキャッシュレス決済を利用してもらうめに、連携する金融機関との協力をはじめ、システムによる不正検知や、24時間365日の専任スタッフによる監視を行っており、PayPayが不正利用を検知、判断した場合には、対象のアカウントの利用を即時停止するという。
また、万一被害にあった場合の全額補償制度を2019年8月から設けている。加えて、さらなるセキュリティーの強化を図るため、2020年9月から追加した1日ごと、1カ月ごとの利用額可能額を設定できる機能に続き、複数の端末での利用を管理する「ログイン管理」機能の追加や、金融機関口座を「PayPay」へ登録する際の「かんたん確認(eKYC)」を用いた本人確認を必須とするなどの取り組みを行った。
「いつでも、どこでもPayPayで」
公表に際して同社では次のように述べている。
“PayPayは今後も、ユーザーはもちろん、あらゆる小売店やサービス事業者にキャッシュレス決済の利便性を提供し、日本全国どこでも安心してキャッシュレスで買い物ができる世界の実現を目指します。さらに、「PayPay」を「決済」アプリから、ユーザーの生活をもっと豊かで便利にする「スーパーアプリ」へと進化させて、「いつでも、どこでもPayPayで」という世界観を醸成していきます”
新型コロナウイルス感染症が拡大し全国に大きな影響を与える中、PayPayは新しい生活様式で推奨された電子決済を普及させるプラットフォームとしての役割の一端を担いつつある。
自治体とともに地域のデジタル化に貢献し、また加盟店が任意でPayPayボーナスの付与を設定できる「PayPayクーポン」の提供を開始するなど、デジタル化支援を展開。ユーザー向けには便利なミニアプリの提供や、キャンペーン、安全・安心を追求した取り組みを多数実施してきた。
今後もPayPayがキャッシュレス決済プラットフォームのトップランナーとして、キャッシュレス決済の推進や、サービスの追加、拡大を行うことでECをはじめとしたデジタル化を支援し、ユーザーの利便性、社会の生産性向上が加速することに期待したい。