スイーツECの Cake.jpが7.7億円の資金調達を実施 引受先は、ニッセイ・キャピタル、丸井グループ、博報堂DYベンチャーズ、三菱UFJキャピタル

ECのミカタ編集部

国内最大級のケーキ専門通販サイト「Cake.jp(ケーキジェーピー) 」を運営する株式会社Cake.jp(本社:東京都新宿区、代表取締役:高橋 優貴)は、ニッセイ・キャピタル株式会社、株式会社丸井グループ、株式会社博報堂DYベンチャーズ、三菱UFJキャピタル株式会社を引受先とする7.7億円の第三者割当増額を実施したことを公表した。

会員数は70万人を突破

ケーキ専門通販サイト「Cake.jp」は、「感動が集まる場所をもっとハッピーに!」をコンセプトに、2017年1月よりサービスを開始した。全国各地の洋菓子店と提携し、自宅やレストランや宿泊先、結婚式場、職場等へケーキを届けている。

また、4,000種類以上の商品をラインナップし、デザイン性の高いケーキやオーダーメイドケーキが手軽に注文できることも特長だ。コロナ禍のEC需要の高まりもあり、個人会員数は2020年4月の30万人から2021年4月に70万人突破し、加盟店もこの1年で4倍増の1,000店舗以上と、ケーキ・スイーツ市場で国内最大級のプラットフォームサイトを展開してきた。

さらなる事業拡大を目指す

さらなる事業拡大を目指す

Cake.jpでは、これまで洋菓子店向けの受発注システムの提供に加え、独自の梱包技術開発やカスタマーサポートを強化し、プラットフォームの拡充に努めてきた。2017年1月には、東京 平和島に自社工場を構え、自社商品の製造だけでなく洋菓子店のオンライン販売の課題である、品質保持のための実験や宅配に最適化されたスイーツの開発などを行っているという。またこの成果を加盟洋菓子店に宅配冷凍スイーツのノウハウとして提供し、宅配スイーツ市場の拡大に努めてきた。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、外出自粛期間中に自宅で取り寄せスイーツを楽しむ機会が増えたことで、オンラインでスイーツを購入する人が急増し、同時に洋菓子店のオンライン販売需要も拡大。顧客のニーズは多様化し、リアル店舗では求めることができないような商品への訴求が高まっているとしている。同時に、リアル店舗、ECサイトともに多くある中、どこで購入するか、何を購入するかの選択肢も非常に増えているそうだ。

2021年4月からスタートした『Cake.jp Program』は、スイーツファンから支持されている実力派のトップパティシエとコラボし、ハイクオリティなスイーツを開発し、自社工場で生産して販売するスイーツD2C事業となっている。選ばれるための商品や作り手のストーリーを重要視した取り組みとも言え、この機会にさらなる事業拡大を目指し、今回調達した資金をマーケティング、商品開発、プロダクト開発の分野において活用するとしている。

スイーツEC文化の世界観を展開

各引受先からは次のようなコメントが出されている。

ニッセイ・キャピタル株式会社チーフキャピタリスト 伊東駿氏

“Cake.jpが対象とするスイーツ市場は、約1.5兆円規模のGMVがありながら、長らくEC化が進展して参りませんでした。EC化が遅延した背景には様々な要因がありますが、当社はサービスの定型・体系化と口コミ情報付加によるサービスの見える化、IT技術の駆使による出店・集客・配送に纏わる課題解決を進め、消費者・出店者両者が抱える課題を解決することでスイーツ市場の開拓を進めて参りました。ニッセイ・キャピタルでは、前回ラウンドからの進捗を高く評価し、今回のラウンドでも追加投資をさせて頂きました。Cake.jpには、今回の資金を活用したマーケティングを通じ、スイーツEC領域における日本を代表するプラットフォーマーに成長していただくことを期待しております”

株式会社丸井グループInvestment teamManager 今西良太氏

“冷凍スイーツの拡大により、洋菓子店のフードロスと労働時間の削減に繋がるという考えに共感し出資させていただきました。今年2月に有楽町マルイでイベントを実施いただいた結果から、弊社が培ってきた小売事業のノウハウがCake.jp様の事業成長に繋がると信じており、今後もエポスカードとの決済にまつわる取り組みなど、グループ各社のリソースを活かしたシナジーを期待するとともに、共創を通じて双方の企業価値向上に貢献してまいります”

HAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUND株式会社博報堂DYベンチャーズ パートナー 漆山乃介氏

“ケーキをはじめとした洋菓子は、お祝いごとや記念日、非日常の演出など日々の生活に幸福感を届ける大切な商品です。Cake.jpではそんな生活を彩る商品だからこそ、真摯にケーキや洋菓子作りに向き合う洋菓子店様とより良い商品にはやく出会いたい生活者を結ぶための創意工夫を日々積み重ねています。そして、彼らはテクノロジーによって日本のスイーツ市場のポテンシャルを最大化しこの産業をより活性化させることのできるユニークな存在だと考えております。今後は、博報堂DYグループが有する生活者発想とクリエイティビティを掛け合わせ、Cake.jpとしての商品開発やECプラットフォームとしての進化に伴走してまいります”

三菱UFJキャピタル株式会社投資第二部 佐藤栄司氏

“三菱UFJキャピタルは、デザイン性の高いケーキやオーダーメイドケーキが手軽に注文できるという新しいユーザー体験を提供することで今後も高い成長が見込めると評価し、Cake.jp社への出資を決定致しました。また、Cake.jp社のプラットフォームの利用により、洋菓子製造者も生産時間の平準化や生産量の適正化が可能になり、ユーザーのみならず洋菓子業界にもメリットがあるサービスであると考えています。当社サービスは「持続可能な開発目標(SDGs)」に則したものであり、本サービスに対するニーズは今後一層高まるものと考えております。今回の資金調達を機に、Cake.jp社の更なる成長のご支援をして参りたいと考えております”

また、今後の展開としては、引き続き自社工場の稼働率向上や洋菓子ブランドのM&A、オリジナルスイーツの開発、『Cake.jp Program』に取り組むという。そして、加盟店舗の売上向上機能の強化と主体的に売上アップを図れる環境づくりとして、SaaSサービスの推進に特に注力するとしている。

また今回の資金調達の引受先企業である丸井グループとは、オンラインだけでなく、オフラインで体験ができる場所作りの連携を進めていき、都心部にリアル店舗を構える丸井グループと取り組むことで、冷凍スイーツやスイーツEC文化の世界観を展開することを企図する。

さらに洋菓子店が抱える課題に対し、原材料の共同仕入れの仕組み、Cake.jp内での広告枠の提供、販売データの提供によるトレンド把握、製造キャパシティが足りない店舗と余裕がある店舗のマッチングサービスの提供などの解決案を整備するものとみられ、新型コロナウイルスによる感染拡大下にある社会においてスイーツと消費者をつなぐべく、ECプラットフォームの持つ力を発揮しつつ、同社の進撃が続くことになりそうだ。

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