リアル店とECの“いいとこ取り”『バーチャルECストア』の提供開始

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ECのミカタ編集部

VRやAR、バーチャルキャラクターなどの技術を活用し企業のDX支援を行う株式会社inxRは、非接触非対面での販売促進活動を支援するため、VR空間内でリアル店舗のような購入体験が行える「バーチャルECストア」のサービス提供を開始した。

VRの店舗空間内での購入体験を提供

「バーチャルECストア」とは、従来のリアル店舗での購買体験と同じような感覚で、VRの店舗空間内で購入体験ができるサービスだ。同社は、VRを活用することで、リアル店舗とECサイト両面のメリットを享受しつつ、デメリットを補完し合うことができるため業務効率化、コストカット、販売促進の施策としても有効に活用することができるとしている。

バーチャルECストアの特徴

バーチャルECストアの特徴

◆販売促進につながる

エンドユーザーは24時間365日好きな場所から商品を閲覧し、購入することができるため、認知〜購入までの離脱率を削減することが可能だ。また、非接触や対面接客不要で商品を試してもらえる。

◆コストカット(従来の固定費や外注費が削減できる)

テナント費、人件費、今までかかっていた外注費を削減することができる。バーチャルECストアは一度データを作成すれば、その後は永続的にオンライン内でショップを展開しておくことが可能だ。24時間365日営業可能だが、そのためのテナント費や人件費は不要となる。また、プランによっては4Kの高画質な画像データを自由に書き出すことができるためカメラマンへの撮影依頼や担当者がカメラで撮影する必要もない。

◆マーケティング施策として有効(行動分析、MEO対策も可能)

エンドユーザーのバーチャルショップ内の回遊や曜日時間帯別のアクセス数、どの商品がよく見られたかなどを分析することができるため、マーケティング施策に活かせる。また、Googleストリートビューとも連携させることができるため、MEO対策としても有効に機能する。

*MEOとは:Map Engine Optimizationの略で、Google Mapを対象とした地図エンジンにおいて最適化を図るマーケティング手法のこと。

◆ARと連携して、バーチャル空間内商品を実際に試すことができる

バーチャルECストアで気に入った商品は、実際にARを活用して配置シミュレーションを行うことも可能だ。リアル店舗でのレイアウトイメージが湧きづらいという課題とECサイトの購入後に思ったものと異なる、というミスマッチを削減する。

◆ECサイトがない販売者でも安心

API機能を活用し、バーチャルECストア内で販売している商品をそのまま購入することが可能だ。リアル店舗はあるがECサイトがないという販売者でも安心して導入できる。すでにECサイトがある販売者はバーチャルECストアからの導線設計が行える。

リアル店舗とECの利点を融合

同社では、「バーチャルECストア」誕生の背景として次のように述べている。

「弊社のコスメやカラーコンタクトが試着できる販売促進サービス『BeautyAR』経由で、店舗販売を行なっている事業者様からお話を伺ったことがきっかけでした。昨今の状況下で、『リアル店舗の縮小はやむを得ないが、業界の性質上全てをオンライン販売のみにすることは難しい』また購入者の方々の声としても、写真や動画だけでなく実際にリアルで商品を見て試したいという要望がありました。そこで、リアル店舗とECストアのそれぞれの弱みを補完し、『いいとこ取り』ができないかと考案した結果、リアル店舗とECサイトに加え、VRとAR技術を活用しそれぞれの強みを活かしたソリューションが生まれました」

また今後については、エンターテイメントの領域だけではなく、企業の課題解決にバーチャル領域の技術を役立てるべく各社各業界の課題に応じた活用支援や開発を行うという。また各業界の課題に対し、「xR」×「DX」の視点からより多くの企業に新たなソリューションを提供するとしており、これからの展開にも注目と言えそうだ。

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