副業としてのECに熱視線 Shopifyがコロナ禍における独自調査を公表

ECのミカタ編集部

Shopify Japan 株式会社(本社:東京都渋谷区、日本カントリー・マネージャー:太原 真 以下:Shopify)は、20~50代の働いている男女1,000名に行った「コロナ禍における働き方の変化と課題、ECを活用したパラレルワークや起業の可能性」に関する独自調査を公表した。ここではその概要についたポイントを絞って見ていく。

調査概要

「働き方の変化と課題、パラレルワークの可能性に関する調査」
調査期間:2021年4月23日(金) ~ 2021年4月24日(土)
調査対象:20~50代の働いている男女1,000名
調査方法:インターネット調査(マクロミル)

「収入があがっていく見込みがない」53.2%

「収入があがっていく見込みがない」53.2%

新型コロナウイルス感染症をきっかけにライフスタイルや働き方が大幅に変化し、今後の生活やキャリアを見直す人が多くいる中、調査ではやはりコロナ禍で「今後の生活に不安・心配なことがある」と回答した人は8割以上にも上った(80.2%)。中でも特に不安を抱いているのは30代女性で、86.4%もの人が何か心配事があるということが明らかになった。

さらに、今後の仕事については53.2%もの人が「収入があがっていく見込みがない」と回答し、その中でも約3人に2人(62.4%)の20代女性が今後の収入に対して不安であることが判明した。これに対し、同年代の20代男性の45.8%が「今後の収入が上がっていく見込みがない」と回答しており、意識の差に約20ポイントもの開きがあることが分かった。

また、キャリアアップの展望について聞かれると、20代女性の2人に1人(52.8%)は「キャリアアップを望めないと思っている」と回答した。

浮上した「副業・パラレルワーク」の可能性

副業に興味がある人のうち、若年層(20代)の興味は71.6%と高く、特に将来を不安視している20代女性の興味が51.2%と、新たな働き方への意欲が最も高いことが判明した。

コロナ禍で働き方の変容について注目が高まっている中、実際に人々の副業への興味関心について聞いたところ、「興味がある」と答えた人は65.6%に上り、中でも20代男女の71.6%が「副業に興味がある」と回答した。

特に「副業をやってみたい」と回答した人を性別・年代別で見ると、20代女性の興味関心が51.2%と最も多かった。将来に不安を抱いている年代層は副業を行うなど、現状と異なる働き方への意欲が高いことが伺える。

62.6%がECサイトの運営に興味あり

62.6%がECサイトの運営に興味あり

新たな働き方として、Eコマース・ECサイトの運営への興味関心について調査をしたところ、62.6%が興味を持っていることが明らかになった。ECサイトでの出品や販売に興味のある年代・性別を比較したところ、30代の女性が一番興味を示しており、3人に1人(37%)が「自分でもECサイトの運営をやってみたい」と回答、続いて20代の女性(32%)が多い結果となった。

また、実際にECサイトを運営する場合に求める要素としては、1位「誰でも簡単に始められる(55.1%)」、2位「使いやすい・操作しやすい(47.2%)」、3位「専門知識がいらない(39.8%)」が大事であることが分かった。

出品したい商品は1位「雑貨」2位「服」3位「地方の特産品」

「ECサイトで出品や販売をするなら、どのような商品を出したいか」について聞いたところ、1位「雑貨」、2位「服」、3位「地方の特産品」という結果になった。回答者を性別・年代別で比較すると、雑貨を出品したいと答えたのは20代女性(56%)と最も多く、また地方の特産品を出品したいと最も多く回答したのは20代男性(23.2%)だった。

また、「ECサイトで出品・販売をするとしたら、どこに/誰に向けて販売したいか」について聞いたところ、1位「地方にお住まいの方(61%)」、2位「首都圏にお住まいの方(55.6%)」、3位「日本国内の近所にお住まいの人(25%)」という結果になった。一方で海外への販売を行いたいと回答した人は7%と少なく、初めは国内、特に地方への販売に注力したいと考えている人が多いことが伺える。

「ドロップシッピング」志向が22.6%と最多に

「ドロップシッピング」志向が22.6%と最多に

ECサイトで出品や販売をするとしたら、販売方法はドロップシッピング(自分で商品在庫を抱え込まずに販売し、商品はメーカーや卸売業者から購入者へ直接発送される仕組み)を活用して出品したいと考えている人が22.6%と最も多い結果になった。

その後、2位「自分で制作したオリジナル商品(20.9%)」、3位「海外から輸入した商品を出品(14.2%)」、4位「現在運営している実店舗の商品を出品(12%)」と続いた。

さらに、副業や兼業・パラレルワークを考えている人が一番興味を持っている販売方法はドロップシッピング(副業:24.4%、兼業・パラレルワーク:33.3%)であるのに対し、独立や起業に興味のある人はオリジナル商品の販売を希望していることが判明した(独立:25.4%、起業:36.4%)。

高まるEC運営への関心

調査に際して同社では次のように述べている。

「新型コロナウイルス感染症によるEコマースの需要増加を背景に、主婦やサラリーマン、大学生、個人事業主など多くの方が独立や起業、副業をはじめています。Shopifyでもコロナ禍で新規事業者数が大幅に増加し、2020年の国内のShopify新規出店数の伸び率は2019年比228%増、 流通総額は2019年比323%増となりました。

コロナ禍での働き方の変容を受け、Shopifyではこの度、アフターコロナにおける働き方の変化や課題、副業・パラレルワークへの可能性についての調査を実施しました。本調査では、多くの人々が新たな働き方に対して興味関心を持っており、中でもEコマース・ECサイトの運営への関心が高いことが分かりました。また、新しい働き方やキャリアの選択肢を検討する際に人々が現在直面している課題も明らかになりました」

同社も述べているように、収入や雇用環境が低迷する中で、EC開業に対する一般からの関心は高まっているようだ。一方で、ECを潜在的に志す層でも、越境ECには一定のハードルを感じていることも伺える結果となった。昨今、ECプラットフォームや関連事業者がアシストするサービスを拡充させており、越境ECへのハードルは下がっているが、より一層の啓発が必要ともなりそうだ。裏を返せば、新規参入者にとっては、越境ECに乗り出すことで競合と差をつけることにつながるかも知れない。

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