ECの返品率は5~10%がボリュームゾーン、エルテックスの実態調査で

ECのミカタ編集部

ECサイト構築/通販システム構築・支援を手がける株式会社エルテックス(本社:神奈川県横浜市保土ヶ谷区 代表取締役社長 森久尚)は、EC・通信販売事業関与者の実態調査、「通販事業全般の課題」「EC/通販システム導入時の重視点」、「年商規模別返品率」などを集計・分析した調査結果の2021年版を公表した。

本調査では、通販事業担当者300名を対象に、「通販事業へ対する課題」「EC・通販システム導入時の重視点」など、昨年同様の内容の定点調査のほか、「出荷した商品の返品率」について集計・分析している。

返品率は5~10%がボリュームゾーン

「出荷に対し返品される割合」について聞いたところ、返品率は5~10%がボリュームゾーンであった。

年商10~100億円未満の事業者では、5~10%の返品率が全体平均より少ないものの、5%以上の返品率では60ポイントと返品率が目立つ結果となった。

一方、年商100億円以上では、5%未満との回答が5割を超えており、1~10億円未満、10~100億円未満の事業者に比べ返品を抑えていることがうかがえる。

年商の違いで異なる課題意識

次に、「自社の通販事業においてビジネス上重要と思われること」を尋ねたところ、年商100億円以上で約半数が「売り上げの拡大」を選択。年商の違いで課題意識も異なっている。

全体では、前年に比べて目立ってスコアが低下したのが「よく売れる商品の開発(-7.3ポイント)」「事故が起きない安全なシステム強化(-7.3ポイント)」であった。

一方、同じ質問項目で、重要と思うものをひとつだけ選んでもらい、3段階の年商別で集計したところ、「売り上げの拡大」「事故が起きない安全なシステム」の2項目に関して年商が増えるほどスコアも上昇。逆に「既存顧客へのサービス向上」は低下した。

「新型コロナウイルスなどの感染症対策」は全体で2.3ポイント、100億円以上では0ポイントであった。

ECシステム導入時は「導入や運用のコスト」を重視

さらに、「通販の販売管理システム、ECシステム(パッケージ、クラウド、ASPなど)の導入時に比較検討したこと」について質問した。その結果、前年比ではあまり大きな変動は見られなかったが、唯一、2019年に一旦スコアを下げたものの、この3年間でじりじりとスコアを上げているのが「導入や運用のコスト」だ。

この質問でも、重要と思うものをひとつだけ選んでもらい、3段階の年商別で集計をしたところ、「導入や運用のコスト」項目のスコアの差が極端に異なっており、年商100億円以上の事業者では約半数に迫る47.1ポイントであった。

一方、年商1~10億円未満でも「導入や運用のコスト」が全項目中トップのスコアとなったものの23.4ポイントにとどまっており、他の項目に分散していることが浮き彫りとなった。

「サービス」として広まりつつある返品

EC事業者が避けて通れない課題のひとつが「返品」だ。EC事業者は「返品不可」の特約を表示すれば消費者からの返品を拒否することができるが、返品を受け付けなければ販売機会の損失につながるため、最近では消費者へのサービスとして「返品可」を積極的に掲げるECサイトも増えてきた。

返品率が上がればそのぶん付帯業務が増え、余計なコストがかかるが、返品を受け付けないことによる機会損失リスクは大きい。

ECにおいては、返品をただ嫌がるのではなく、「売上を最大化するための必要コスト」と認識したうえで、返品を減らすための表示の工夫などを積み重ね、返品率を適正な水準にコントロールすることが重要なのではないだろうか。

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