テレビ画面でのターゲティング広告の時代到来か?【ニールセン調査】

ECのミカタ編集部

視聴行動分析サービスを提供するニールセン デジタル株式会社(東京都港区、代表取締役社長 宮本淳)は、動画コンテンツと動画広告の利用動向調査「ニールセン・ビデオコンテンツ アンド アド レポート 2021(Nielsen Video Contents & Ads Report 2021)」と米国のNielsen Streaming Meter Dataをもとに、テレビ画面でのインターネット配信動画視聴動向についての分析結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

テレビ画面でのインターネット配信動画視聴が増加

この一年で、国内ではテレビ画面からインターネット動画コンテンツを視聴する消費者の割合が増加した。テレビ画面でインターネット動画を視聴する機会が増加した理由は3つ考えられるとしてている。

1つ目は、コロナ禍の影響を受けて自宅にいる時間が長くなった点を挙げている。外出する時間が減った代わりに、家にいる時間が増えたことで、これまでスマートフォンやタブレットで視聴していたインターネット動画コンテンツを、大きな画面で視聴するという楽しみ方が多くなったと考えられる。

2つ目としては、インターネット動画は、消費者が自分の好きなタイミングで視聴できるサービスが多い点があるようだ。最後に3つ目としては、消費者がより便利にテレビ画面からインターネット動画配信サービスにアクセスできるように、テレビ本体などに新しい機能が追加されている点がある。

例えば、テレビ番組表に見逃し配信サービスへのリンクが付いていたり、テレビのリモコンで特定のインターネット動画配信サービス専用のボタンが追加されたテレビが多くなってきている。

このように、コロナ禍において自宅でインターネット動画コンテンツを視聴する需要が増えたことに加えて、テレビ画面からのインターネット動画コンテンツや、動画配信サービスへのアクセスがより便利になったことが、テレビ画面でのインターネット動画配信サービスの利用増加を促進させたと分析している。

テレビでのネットコンテンツ視聴が定着か

2021年のニールセンの動画コンテンツと動画広告の利用動向調査「ニールセン・ビデオコンテンツ アンド アド レポート 2021(Nielsen Video Contents & Ads Report 2021)」によると、インターネット動画視聴者の19%がCTVを使ってインターネット動画コンテンツを視聴していた。その割合が2020年と比べて5ポイント増加していた(図表1)。

国内ではCOVID-19の第5波への不安が続き、一部の地域では外出制限への呼びかけが実施されている中、今後もしばらくは在宅時間が長いままとなることが想定され、動画コンテンツを視聴する時間が長くなる可能性があると分析している。

今後、ワクチンの接種が進むにつれて、国内では社会活動が徐々に再開されていくことが予測されるが、この1年以上のコロナ禍中の生活で、エンターテイメントの楽しみ方やテレビからインターネット動画コンテンツを視聴することがすでに定着していると考えられるので、テレビ画面でインターネット動画コンテンツを視聴する割合は今後も高まっていくと見ている。

デジタル広告の強みを活用したCTV広告

CTV(インターネットに接続されたテレビ=コネクテッドTV)が増えると、消費者がテレビ画面上でインターネット動画コンテンツを視聴する時間が増えていくことにつながる。そのような変化のなかでCTV広告の可能性を探るには、まず消費者のテレビ画面での広告型動画配信サービスの利用動向を把握することが必要だとしている。

ニールセン米国のNielsen Streaming Meter Dataによると、米国では2018年以降、テレビ画面での広告型動画配信サービスの利用時間が増えていた。2021年の第1四半期におけるテレビ画面でのYouTubeの視聴時間は2018年同期と比べて約3.4倍増加し、14億時間から62億時間に達した(図表2)。

テレビ画面でのターゲティング広告が台頭

公表に際して同社では次のように述べている。

「米国では、消費者は定額制動画配信サービスだけではなく、広告型動画配信サービスをテレビ画面で視聴する機会も増えてきています。日本でも今後の流れとして、CTV利用の定着化や、テレビから見逃し配信サービスを含めた広告型動画配信サービスへのアクセスがより便利になるにつれて、米国のようにテレビ画面上での広告型動画配信サービスの利用が増えていくでしょう。CTV広告在庫の増加につれ、広告主が消費者とコミュニケーションをとる新たな接点としてCTVの活用が期待できます。

CTV広告について、まず期待できるのは、デジタル広告の強みでもある、地上波テレビではリーチできていない消費者にリーチできるという点です。また、すでにグローバルでは活用されていますが、テレビ画面でのターゲティング広告配信も可能になってきています。例えば、米国では全数調査やアンケート、購買履歴、閲覧履歴などのデータをもとに広告配信のセグメントを構築し、テレビ画面でターゲットの消費者にパーソナライズされた広告配信が運用されています。日本国内ではテレビ画面でのターゲティング広告や効果測定はまだ開発中の部分も多いですが、広告主として最新の動向を把握しながら、CTV広告配信を活用していくと良いでしょう」

このように、近年、CTVでのインターネット動画コンテンツ視聴が増えてきている。その結果、CTV上での広告市場規模は国内外で増加している。eMarketerによると、米国では2021年のCTV広告支出は134.1億ドルとなり、2025年には274.7億ドルに達すると予測されている。日本国内においても、CTVは消費者とコミュニケーションを取るための新たな接点として注目が集まっており、ECにおけるマーケティングやプロモーション施策を考える上でも、重要なファクターとなっていきそうだ。

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