Googleショッピング広告は無料でできる?始め方や費用、フィードの作成方法まで全て解説

ECのミカタ編集部

まずはGoogleショッピング広告について知ろう

Googleショッピング広告とは、Googleが展開しているGoogle広告のショッピングキャンペーンをもとに、ユーザーが検索した商品に関連の高い情報が作成される広告です。

検索キーワードに連動して表示される広告としては、リスティング広告と同様の広告ではありますが、リスティング広告とは表示される場所が異なる点と、テキストだけではなく商品写真付きでの訴求が可能な点に違いがあります。Googleショッピング広告はテキストのみではなく、商品画像を含んだ広告を表示するため、より商品訴求に適した広告といえるでしょう。

Googleショッピング広告は無料でできる?

2020年3月時点では全世界でGoogleショッピング広告に無料プランは用意されていませんでした。

しかし、2020年4月からアメリカではGoogleショッピング広告が無料化されています。そのため、費用をかけずにユーザーに最適なショッピング広告の出稿が可能です。商品を広告に掲載するためには、掲載希望商品のフィードデータをまとめ、Google Merchant Centerにアップロードする必要があります。

商品フィードデータにはタイトルや説明文・商品詳細の用意が必要なため、取扱商品が多いほど手間がかかります。さらに販売状況に応じて在庫情報を変更する必要があり、たとえばECサイト上では完売商品になっているにもかかわらず、フィードデータ上では在庫ありの状態のまま更新されていないときには広告自体を止められる場合もあります。そのため、一定の人的リソースも必要です。

また、在庫状況の更新はGoogleが確認するまで、数時間から1日ほどタイムラグが存在します。そのため、掲載希望商品のフィードデータの作成に対応するのが必須です。

また、商品フィードデータの連携に対応しているカートASPが存在しています。取扱商品数が多い場合は商品フィードデータに対応しているカートASPを活用してみてください。

日本でも無料で掲載が可能に


アメリカでは先行してGoogleショッピング広告を無料でしたが、2020年10月より日本を含む他の国でも、無料で掲載が可能になりました。無料プランが登場したことにより、Googleショッピング広告には、下記画像のように無料枠のショッピングタブが表示されます。
さらに無料に対応した日本でも、ショッピングタブだけではなく、すべて検索結果を表示する「すべてタブ」にも表示可能です。

無料で利用するための条件や方法は?



Googleショッピング広告は誰でも無料で利用できますが、利用するためには以下4つの条件を満たしましょう。

・Google Merchant Centerのアカウントを開設
・Google Site Verificationタグの設置をおこない、Google Merchant Centerで自社ECサイトを認証
・データフィードをGoogle Merchant Centerに送信し、商品ごとに審査をおこなう
・Googleショッピング広告のプログラムを有効化し、Google掲載の審査を通過させる

上記4つの条件を満たすことで商品広告を表示できますが、Google Merchant Centerの管理は複雑なため、慣れるまでは登録商品数を減らすことをおすすめします。

ショッピング広告を使うメリット6つ

通常の検索広告より上に表示されるため露出度が向上する


ショッピング広告は通常の検索広告より上に表示されるため、露出度が向上しユーザーの目に触れる機会が増えます。また、ショッピング広告はスマートフォン上で表示される画面占有率が高いため、リスティング広告よりも高い成果が期待できるでしょう。

さらにショッピング広告では商品の画像を表示するだけではなく、商品のタイトルや価格・送料の有無が表示されているため、広告だけで購入の検討が可能です。また、商品は横並びで複数個表示されるため、広告内の気になる商品を比較検討できます。
ジャンルが同じ商品でも同じ画面に自社商品を複数掲載できるため、露出度が増えクリック率向上が期待できるでしょう。

購入意欲の高いユーザーに露出されることでCVRの改善が見込める



ショッピング広告が表示された時点で、キーワードに関連する興味を持っている可能性が高いです。たとえば、「机 黒」といったキーワードで検索している場合、黒色の机に対して購入意欲が高まっています。購入意欲の高いユーザーにショッピング広告を露出することで、CVRの向上・改善が見込めます。

上記でも紹介している通り、ショッピング広告には商品に関する情報が表示されていますので、クリックした時点で購買意欲が高いといえるでしょう。

クリック単価が安くコストが抑えられる


広告出稿において「品質スコア」という指標があります。一般的に品質スコアが高くなればなるほどクリック単価が安くなり、全体の広告費用が抑えられます。品質スコアとはさまざまな指標から決められますが、主に検索キーワードや広告内容、広告の飛び先であるランディングページとの関連性や利便性、また広告のクリック率などから決定されます。

Googleショッピング広告は訴求先のリンクと関連性が高いため、比較的品質スコアが高くなる傾向があり、クリック単価が安くなる場合が多いです。リスティング広告の品質スコア向上のためにはクリック率をあげる必要がありますが、比較的ショッピング広告よりもクリック率が低いため品質スコア上昇に時間がかかります。そのため、Googleショッピング広告はリスティング広告と比べた際に、コストを抑えられるため、効率よく広告配信できるといえます。

商品を確認してからECサイトの商品ページへ誘導できる


Googleショッピング広告では、商品の全体的な画像と価格・提供先を確認できます。また、ユーザーは競合他社の商品とその場で比較してから、直接ECサイトの商品ページに流入します。そのため、商品に興味のないユーザーを減らし、購入意欲のあるユーザーのみに商品訴求が可能です。ターゲットユーザー以外のクリックを減らすことで、無駄なコストの圧縮にもつながるでしょう。

広告色が少なくユーザーの警戒心が少ない


Googleショッピング広告には、タイトル以外に商品訴求分が表示されていないため、広告色を抑えられます。たとえば、「今だけ20%OFF」といった紹介文が表示されていると、広告色が強くなります。しかし、Googleショッピング広告のデザインは非常にシンプルなデザインのため、自然な形でECサイトへ流入を促せるでしょう。

通常のテキスト広告より運用が簡単


ショッピング広告にはキーワード設定がないため、入札作業などの複雑な手続きが必要ありません。Googleが自動でキーワードに連動して、適切だと思われる自社の商品を広告として表示してくれるため、通常のリスティング広告などよりも運用が簡単です。そのため、運用がはじめての方でも、広告運用代行会社に依頼する必要もありません。

ショッピング広告を使うデメリット2つ

Googleショッピング広告を使うデメリットは以下の2つです。

・キーワード単位で入札単価の調整ができない
・フィードの作成や更新に手間がかかる

キーワード単位で入札単価の調整ができない


Googleショッピング広告にはキーワード設定や入札手続きが存在しないため、簡単に運用できるメリットがありますが、キーワード単位で細やかな入札単価の調整ができないため、希望するキーワードで流入できない可能性があります。Google側でも費用対効果を最大化させるよう、自動的に検索結果を変動させますが、広告出稿側では対応できない部分があることは事前に知っておいた方がよいでしょう。

手動でフィードの作成や更新をする場合手間がかかる


Googleショッピング広告で商品を掲載するためには、取扱商品のデータをフィードとして作成しGoogle Merchant Centerにアップロードが必要です。

自動作成やGoogleショッピング広告に連携できるカートASPなどを利用すれば、ほぼ手間なく運用できるのですが、手動で実施する場合には、アップロード分の商品に対してタイトルや説明文・価格・送料の有無の設定にとても手間がかかります。さらに在庫状況に合わせたデータ更新を実施しなければ審査にも通らないため、フィードデータの作成や定期的な更新に大きな工数がかかってしまう可能性が高いです。

Googleショッピング広告への出稿手順

Googleショッピング広告への出稿手順は以下の通りです。

・Googleアカウントを作成する
・Google Merchant centerとGoogle広告をリンクさせる
・フィード(商品データ)を作成する
・ショッピングキャンペーンを作成する

1.Googleアカウントを作成する


Googleのアカウントを所有していない場合は、新規Googleアカウントを作成しましょう。また、Googleアカウントの登録が完了したあとは、Google広告にログインします。アカウントの作成自体に費用は発生しませんので、誰でも簡単に登録可能です。

2.Google Merchant Center へ登録する


Googleアカウントの作成が完了した後は、Google Merchant Center へ登録します。Google Merchant Centerの登録時は、サイトURL確認が必要になりますが、Googleアナリティクスとの連携などを用いましょう。

3.Google Merchant CenterとGoogle広告をリンクさせる


Google Merchant Centerに登録が完了したあとは、事前に登録したGoogle広告をリンクさせましょう。Google Merchant Centerの管理画面上に、アカウント自体のリンクページが存在していますので、Google広告の固有IDを設定します。設定したあとはGoogle広告にて審査がおこなわれますので、承認まで待ち連携を完了させます。

4.フィード(商品データ)を作成する


検索結果に自社商品を表示させるために、Google Merchant Centerに、フィードを作成します。フィード作成に必要とされる主な情報は、以下の通りです。

・商品ID
・商品名
・商品説明文
・ECサイト表示URL
・表示画像
・在庫状況
・価格
・カテゴリ

必須項目と任意の項目がありますが、できるだけ全ての項目を入力することで費用対効果が上がる傾向があります。手間ではありますが、ここは手間を惜しまずに多くの情報が記載されるように意識しましょう。すべての用意が完了したら、Google Merchant Centerに、アップロードします。

5.ショッピングキャンペーンを作成する


最後の手続きとして、ショッピングキャンペーンをGoogle広告に作成します。作成する際は、表示希望キーワードの予算や入札対応の設定をおこない、カテゴリを選択しましょう。ショッピングキャンペーンの作成が完了した時点で、検索結果に自社広告が反映されます。

Googleショッピング広告で成果を出す運用のポイント

Googleショッピング広告で成果を出す運用ポイントは、以下の通りです。

・商品情報を詳細に記載する
・"画像広告"として魅力的な画像を用意する
・フィードの内容は常に最新情報を保つ
・広告内容は適宜見直しをかけ精査する
・費用対効果を計測する

商品情報を詳細に記載する


Googleショッピング広告で、より幅広いユーザーに自社広告を表示させるためには、フィードデータに詳細な商品情報を入力することが必要です。また、ユーザーの検索意図にそった商品を表示できれば、同じ商品でもクリック率向上が期待できます。たとえば「Aブランドの白い160cmのTシャツが欲しい」といった、ユーザーに商品販売を仮定します。

ブランドとカラーを設定しているだけでは、的確に表示されない可能性が高いです。そのため、ブランドとカラーだけではなく、サイズを追加することで検索意図に沿った商品表示ができます。

"画像広告"として魅力的な画像を用意する


ショッピング広告は商品画像が全面的に押し出されるため、魅力的な商品画像を用意して、「画像広告」を目指しましょう。表示される広告は自社以外にも数種類横並びになるため、他社の商品と差別化するためには、商品画像とタイトル・概要だけです。

そのため、もっとも注目される画像を厳選することで、クリック率向上が狙えます。また、表示画像がユーザーのイメージ通りであれば、そのまま成約にもつなげられます。

フィードの内容は常に最新情報を保つ


設定するフィード内容は、常に最新情報になるように保ちましょう。基本的には在庫状況とフィード内容が異なると、Googleが自動的に表示させなくします。

しかし、在庫状況とフィード内容の更新にはラグが存在しているため、在庫切れの商品も一時的に表示される可能性が高いです。
在庫切れの商品がクリックされると、もちろん購入されず、他社に流れてしまいます。そのため、できるだけ機会損失を減らすように常にフィード内容は更新するのがおすすめです。

広告内容は適宜見直しをかけ精査する


基本的にユーザーがショッピング広告をクリックする判断基準は、商品画像とタイトル・概要です。ユーザーにとって最適な広告内容の設定が必要ですが、ユーザーニーズは常に変化しています。そのため、広告内は定期的に見直しが必要です。

とくにクリック率が低い広告は,競合他社に流れている可能性が高いため、販売商品の市場調査が必要でしょう。たとえば黒いスニーカーのクリック率が低い場合、自社でも同様のキーワードを検索して、競合他社の広告内容を確認し、ユーザーにとってわかりやすい広告内容なのか、魅力的かどうかを判断しましょう。

取り扱っている商品をより多く販売するためにも、カテゴリ登録も含め、定期的に精査が必要です。

費用対効果を計測する


広告の最大の目的は、少ないコストで最大限の成果を上げることです。Google広告には、コンバージョン設定をおこなうことで、Googleショッピング広告の費用対効果の計測が可能です。Googleショッピング広告に限らず、できるだけ全ての広告配信において、コンバージョン設定をし、費用対効果を確認しながら運用していくようにしましょう。

費用対効果は、かけた広告費用が売上としていくらになったかをひとつの見るべき指標としましょう。たとえば、広告費を10万円かけたとして、売上が20万円になれば回収率が200%になっている、と見ることができます。費用対効果や回収率が高い広告に関しては、出来るだけ積極的に露出を高めていき、更に売上が上がるように運用していきましょう。

まとめ

Googleショッピング広告は、フィードデータの作成さえできれば、シンプルで分かりやすく商品画像と併せて訴求できるため、テキスト広告よりも魅力的に配信できる傾向があります。

また、Google自体も日々システムを進化させているため、ユーザーに最適化した広告の表示が可能です。さらにGoogle Merchant Centerの登録は、複雑な部分が存在しましすが、無料で利用できますので活用できれば一定の成果が期待できます。売上を高めていくためにもEC運営者は、Googleショッピング広告を利用してみてはいかがでしょうか。


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