【モバイル広告市場】2026年に2,691億ドルに達する見込み、6年で2倍弱に
株式会社グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「モバイル広告の世界市場:業界動向、市場シェア・規模・成長率・機会および予測(2021年~2026年)」(IMARC Services Private Limited)の販売を開始したと発表した。
ここではそのレポートの概要を、ポイントを絞って見ていく。
急速に成長するモバイル広告市場
世界中で成長を続けるモバイル広告市場は、2020年に1,358億米ドルに達した。さらに、2026年には2,691億米ドルの市場規模に達すると予想されている。この成長が実現すれば、2020年からわずか6年間で、2倍近い成長を遂げることになる。
消費者のメディアや娯楽への支出が増加する中、企業やサービスプロバイダーは、人気のあるメディアプラットフォームを通じて自社の製品・サービスを宣伝するための投資を増やしている。
近年、モバイル機器の数が大幅に増加し、消費者がスマートフォンやタブレットに費やす時間も増えていることから、モバイル機器は広告のプラットフォームとして最も急速な成長を見せている。
モバイル広告成長の要因
モバイル広告の急激な成長には、いくつかの要因がある。
モバイル技術の急速な進歩により、ゲーム、電子メール、ソーシャルネットワーキング、バンキング、その他の付加価値サービスなど、消費者が自由に使える多くの機能が生まれ、広告主は消費者の行動や購買パターンをより深く理解することができるようになった。その結果、広告主はターゲットとなる消費者に、これまでにはなかった形でアクセスできるようになっている。
また、モバイルアプリの利用時間の増加に伴ってアプリ内広告が成長しており、これがモバイル広告市場の成長の重要な要因の一つとなっている。
また、携帯電話加入者数の増加、安価なスマートフォンやタブレットの登場、手頃なデータプランの利用、3G/4G契約の急増などにより、娯楽や情報収集を目的としたモバイル機器の利用が増加している。
これにより、広告主は、モバイル広告を通じて自社の製品・サービスを宣伝する機会を見出すようになった。
セグメント別に見たモバイル広告市場
世界のモバイル広告市場は、モバイル広告の人気プラットフォームに基づいて分類されている。
現在、モバイル広告の2大セグメントは、モバイルサーチ(検索エンジンに広告を掲載するもの)とモバイルディスプレイ(モバイル端末で広告を表示・閲覧するもの)だ。その他のセグメントには、モバイルビデオ、ソーシャル、モバイルウェブサイト、QRコード、メッセージングなどがある。デバイス別では、世界的な普及率の高さから、スマートフォンが最大のセグメントとなっている。
産業別の分類もされており、モバイル広告を積極的に利用している業界としては、小売業、自動車、金融サービス、通信、旅行などが挙げられる。
地域別に見ると、モバイル広告の最大の市場は北米で、そのほか、アジア太平洋地域、ヨーロッパ、中東・アフリカ、ラテンアメリカが主要な市場となっている。
また、世界のモバイル広告市場における主要企業としては、Google、Millennial Media、Facebook、Microsoft、Twitter、Yahooなどが挙げられる。
世界の総広告費に占めるデジタル広告費のシェアが50%に
電通グループが2021年1月に発表した「世界の広告費成長率予測(2020~2022)」によると、2021年の世界の総広告費は約5,790億ドルになると予測されている。
また、デジタル広告は2021年も2桁成長を見込んでおり、本年中に世界の総広告費に占めるデジタル広告費のシェアが初めて50%に達すると見られている。
成長著しいデジタル広告においてもモバイル広告の躍進は際立っており、当面は、モバイル広告を主役としたデジタル広告の成長が、世界の広告市場の拡大を支える構図になりそうだ。