企業間取引に最適なBtoB-ECカートは?受発注を効率化する6つのメリットと選び方
BtoB-ECの専用カートとは?
近年コロナウイルスの影響により大手企業だけではなく、中小企業やスタートアップ企業もBtoB-ECの専用カートを利用しています。BtoB-ECの専用カートとは、企業間取引(Business to Business)に使用するカートを指します。既存取引先との受発注処理も、BtoB-ECの専用カートを導入することで効率化可能です。従来までは、受発注システムを導入する際は、オンプレミス型と呼ばれる自社運用型しかありませんでした。
デメリットとしてオンプレミス型では、サーバー構築や運用をすべて自社でおこなう必要があるため、高い初期費用やランニングコストが発生します。そのため、中小企業やスタートアップ企業は費用面で、BtoB-ECの専用カートの導入ができないのが現状でした。しかし、技術革新によりクラウドでBtoB-ECの専用カートを運用できるため、導入コストが安く中小企業やスタートアップ企業でも導入できます。
また、BtoCであれば、商品の販売価格は公開されている価格から変動することはありません。しかし、BtoBの場合、販売価格が公開されていないため、取引先によって商品の販売価格を変更します。そのため、BtoB-ECの専用カートには「取引先別価格設定機能」が必要です。多くのBtoB-ECの専用カーには、「取引先別価格設定機能」が搭載されており、取引先ごとに異なる販売価格の設定が可能です。
BtoB-ECの専用カートだけでは業務をすべて補うことはできません。しかし、多くのサービスではサードパーティーと連携できるものが多く、自社に必要な機能を選んで利用可能です。
BtoB-ECを導入する6つのメリット
BtoB-ECを導入することで、さまざまなメリットが存在します。導入するメリットは大きく分けて以下の6つです。
1.人為的ミスの削減
2.作業時間の短縮
3.コストの削減
4.問い合わせ対応の削減
5.販促強化で既存顧客の受注増
6.新規顧客の獲得
人為的ミスの削減
BtoB-ECを導入することで、人為的ミスを削減できます。手動でおこなっていた電話やFAX・メールでの注文処理は、どうしてもミスが発生してしまいます。しかし、BtoB-ECを採用すれば手動での作業がすべてルーティン化できるため、ミスを防ぐための確認作業自体も削減可能です。
作業時間の短縮
BtoBでは入力作業や確認作業など、固定化された業務が多く存在します。たとえば、入力作業などは量が多ければ多いほど、人がおこなうと時間がかかるのです。単純な入力作業だけでも、かなりの時間を費やすやめ、別の業務対応時間を圧迫してしまいます。しかし、BtoB-ECを導入することで単純作業は自動化できるため、作業時間の短縮が可能です。また、作業時間の短縮は業務効率化に直結しますので、BtoB-ECを導入することで別の業務に力を注げます。
コストの削減
BtoB-ECを導入して人が対応していた作業を自動化することで、作業時間を短縮することで、生産性が向上します。作業時間を短縮できれば、これまで発生していた作業に対するコストを削減可能です。また、作業がデジタルベースになるため、ペーパーレス化を推進できます。
問い合わせ対応の削減
電話対応の場合、商品の単価やスペック情報・注文履歴・在庫状況など、さまざま問い合わせを受けます。その度に担当者が電話で対応していくため、複数の作業に追われることになります。BtoB-ECを導入することで、電話することなく取引先は知りたい情報を確認可能です。また、問い合わせの数自体が減少するため、同様の運営体制で受注量を増やせます。BtoB-EC導入により、無駄な問い合わせを減らせるため、より生産性が高く効率の良い業務をこなせるでしょう。
販促強化で既存顧客の受注増
BtoB-ECを導入することで、顧客との取引状況をリアルタイムで確認できます。また、ECサイトの利用状況に関しても可視化できるため、データ分析をおこない既存顧客の販促強化が可能です。データ化された情報を元に、既存顧客に有効なマーケティング施策の考案ができるでしょう。
新規顧客の獲得
新規顧客の獲得は、スタッフの実力や経験によって大きく異なります。しかし、BtoB-ECを導入すれば実力や経験に左右されることなく、同じ品質で新規顧客に訴求可能です。また、製品情報はすべてWebで管理しているため、顧客に対してスムーズに情報提示できます。
BtoB-ECカート選び方のポイント3選
BtoB-ECカートは導入すれば、業務効率化を推進できます。しかし、BtoB-ECカートを選ぶ際に注目すべきポイントが3つ存在しています。選び方のポイントは以下の3つです。
1.費用間
2.自社に必要なシステムが揃っているか
3.既存システムと連携可能か
費用感
BtoB-ECカートを選ぶ際は自社に合わせた費用で、導入を検討する必要があります。費用間は以下の2つのタイプによって、異なります。
1.ASPクラウド型
2.パッケージ型
ASPクラウド型とは、ECのプラットフォームをレンタルして運用する方法を指します。プラットフォームを自社で構築しないため、比較的安価な初期費用と月額費用で利用が可能です。また、必要最低限のスペックから、複数の機能を搭載したハイスペックモデルまで選択できます。そのため、自社に合わせたプランでBtoB-ECカートを導入できます。しかし、事業規模が拡大していくにつれて、機能面に不足を感じる可能性が高いです。
パッケージ型とは、ECプラットフォームをパッケージとして導入、カスタマイズしていく運用方法を指します。ASPクラウド型よりも導入費用は高めですが、自社に合わせた機能をカスタマイズできるため、柔軟性が高い部分が特徴です。そのため、事業規模が拡大したとしても、最適な機能を継ぎ足して運用できます。しかし、パッケージ型は、サーバーインフラの整備に関しても自社でおこなう必要があります。
自社に必要なシステムが揃っているか
BtoB-ECカートを選ぶ際は、自社に必要なシステムが揃っているかがポイントです。とくに請求書などを読み取り文字コードの列へ自動で変換する、OCR機能や顧客別に取引条件を設定などの機能が挙げられます。業務の中でもデータ入力が多い企業であれば、業務効率化を測れるOCR機能の導入が求められます。既存顧客の受注を増加させたいと考える場合、顧客別取引条件を導入すると良いでしょう。
また、対応している決済方法の確認も必要です。近年クレジットカードや銀行振込以外にも、QRコード決済やコンビニ払いの対応も求められます。顧客満足度向上のためにも、対応決済方法は確認しておきましょう。
既存システムと連携可能か
BtoB-ECカートを導入する上では、既存システムとの連携可否の確認が必要です。既存システムには、これまでの商品情報や受注情報が蓄積されているため、連携できなければ業務効率が悪くなります。そのため、BtoB-ECカートを導入する際は各種APIを利用して、基幹システムと連携できるタイプを選択しましょう。
BtoB-ECカートシステム比較5選
以下5つのBtoB-ECカートシステムを比較しながら、具体的な詳細を解説していきます。
1.Bカート
2.楽楽B2B
3.アラジンEC
4.Bee Trade
5.CONNECT
Bカート
Bカートとは株式会社Daiが提供している、受発注業務のEC化を目的とした、ASP型サービスです。600社以上に導入実績が存在しており、BtoB取引に特化した必要な機能が揃っています。主な機能としては、顧客別取引条件設定や取扱商品案内や注文など、複雑な取引に関しても一元管理可能です。BカートではWMSや集客支援サービスなど、幅広いサービス連携も対応します。月額料金は9,800円となり、最短3日からサービス利用が可能です。BtoB-ECカートの中でも、比較的安価な費用設定であるため、簡単に社内導入できます。
楽楽B2B
楽楽B2Bとは、BtoBの受発注業務専門のASP型ECカートです。取引先の際に必要な掛け率や価格を細かく設定可能です。また、取引先別や商品別・商談別に掛け率の変更など、BtoB取引に必要な機能が揃っています。楽楽B2Bでは、決済サービスや物流・ERP・メール共有管理システムなど、他社のEC関連サービスとの連携が充実しています。
複数のサービスと連携できることで、自社に合わせた機能を自由にカスタマイズ可能です。また、楽楽B2Bでは業界初となる、AIによる注文書自動読み込み機能を提供しています。AIによる注文書自動読み込み機能とはOCR機能の1つで、多様なフォーマットでも大量の注文書の読み取りが可能です。
アラジンEC
アラジンECとは、ASPクラウド型とパッケージ型のBtoB-ECカートを利用できる、BtoB専用EC・Web受発注システムです。ASPクラウド型では、低コストで簡単に導入できるためコストを抑えて、スモールスタートしたいと考えている場合に適しています。パッケージ型の場合、ASPクラウド型よりも初期費用や月額費用は発生しますが、フルスクラッチと同等の柔軟性とカスタマイズ性を実現します。
自社の状況に合わせて導入システムの選択が可能です。同社は20年以上基幹システムを自社開発・サポートしてきたため、ECだけではなく基幹業務関連に関しても、豊富なノウハウが蓄積しています。
CONNECT
CONNECTとは、株式会社ハイドアウトクラブが提供するWeb型のBtoB-ECカートです。受発注に特化したサービスとなっており、スマホやPCから簡単に発注可能です。スマホからサービス利用ができるため、出先や移動時間に発注業務に取り組めるため、業務時間を短縮できます。また、CONNECTでは、発注先がサービスを導入していなくても利用可能です。発注先が導入していない場合は、自動でFAXやメールに変換して発注書を送信します。
過去の発注品目はすべて管理されているため、再発注に関してもクリックするだけで完了します。また、発注情報に関してもチームで共有できるため、細かい履歴も自動的に管理可能です。発注状況についても自動的に共有されることで、発注ミス、発注漏れを防げます。LINEと連携機能も備わっているため、商品発注と通知の受け取りが可能です。
Bee Trade
Bee TradeとはBtoB ECに特化したパッケージ型のWeb受注システムです。BtoB業務特有のルーティン業務に対応しており、卸価格の設定や購入時の上長承認設定などのさまざまな機能を備えています。また、BtoB ECに必要な取引先毎に価格・販路・決済方法に関しても設定可能です。運営会社であるアピリッツは、EC支援やASP運営10以上の実績があるため、ノウハウを活かしたサポート体制を整えています。
そのため、はじめてBtoB ECを運営する場合でも、専用のコミュニケーションツールで気軽に相談可能です。また、同社は他のサービスとの連携を想定した設計ですので、最小限のカスタマイズでさまざまなサービスに対応しています。
まとめ
BtoB-ECカートを導入することで、無駄を省き取引業務は効率化できます。また、既存顧客の販促強化や新規顧客獲得にも有効です。しかし、BtoB-ECカートは提供している企業によって特徴が異なります。そのため、本記事で紹介しているBtoB-ECカートの選び方を参考に、自社に合ったBtoB-ECカートを導入してみてはいかがでしょうか。