QVCジャパン 首都圏で当日配送開始、本州四国は翌日配送も
通販専門放送を行うQVCジャパンは10月9日から、当日および翌日配送を開始した。当日配送は首都圏を対象に午前12時から2時間以内の受注に関して、翌日配送は本州・四国を対象に同10時間以内の受注分について実施する。速配希望者には通常料金に加え別途、特別料金を徴収する。テレビ通販事業者が当日配送に対応するのは現状では珍しい。同社では顧客からの速配対応の要望や通販で速配化が進む現状などを勘案し、新たに物流システムの開発を行い、実施に踏み切ったとしている。今後、速配サービスの利用状況や顧客の反応を見ながら、対応時間延長や対象地域の拡充なども検討していくとしている。
QVCジャパンは10月9日から「スピード便」を開始する。同サービスは当日配送を行う「当日便」と翌日配送を行う「翌日便」の2種類でそれぞれ対象地域や対象受注時間を限定して行うもの。「当日便」は東京、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川、山梨の首都圏限定で、当日の午前12時~同2時まで2時間以内の受注分に対して、「翌日便」は本州および四国(※北海道・九州・沖縄・離島は対象外)で、当日の午前12時~同10時まで10時間以内の受注分に対して、希望する顧客に行う。速配は電話受注でもネット販売でも全チャネルで対応する。
なお、スピード便を希望する顧客からは通常配送料金のほかに別途、当日配送は税込315円、翌日配送の場合は同210円を徴収する。
当日配送に対応する受注受付時間を午前12時~同2時としたのは、当日の一押し商品を紹介する「TSV」の放送時間(午前12時から1時間)が含まれており、訴求力の高い商品について速配に対応することでさらなる拡販を図りたい狙いがある模様のほか、「TSV」は1日の中でも最も受注数が増える時間帯であるため、まず当時間帯で導入し、ノウハウ蓄積やニーズ収集および検証を行いたい考えもあるようだ。
なお、対応時間内であっても、受注生産商品やメーカー直送品、食品などについてはスピード便の対象外となる。
当日配送などの速配サービスを実施しているテレビ通販企業は現状では少ない。QVCでも従来から原則、翌々日配送を行っており、「当社の取扱商品は基本的に、不要不急の商品というわけではないために、お客様からは『きちんと届けばよい』と速配への要望はそれほど多くなかった」(同社)ようだが、一部の顧客からの速配を望む要望が根強くあったことや、ネット販売事業者を中心に速配に対応する企業が増えてきたという時流などを勘案し、速配に対応することを決定。新たに物流システムを開発し、同社の千葉・佐倉の物流センターの運用を一部、改めてスピード便をスタートしたもの。
当日・翌日配送導入における利用頻度や効果の見通し、今後の展開については「実施してみないと何とも言えないところ。実際の利用状況を見ながら、対応時間の延長などを含めて判断していきたい」(同)としている。