『Recustomer』、総額約1.5億円の資金調達を実施

ECのミカタ編集部

カスタマーリテンションプラットフォーム「Recustomer(リカスタマー)」を運営するRecustomer株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:柴田 康弘)は、J-KISS型新株予約権の発行により、Coral Capital・ALL STAR SAAS FUND・G-STARTUPを新規引受先とし、総額約1.5億円の資金調達を実施した。

マーケツールとしての価値を高める

同社は調達した資金により、プロダクト開発およびCTO採用・エンジニア組織体制の強化を行い、返品・交換・注文キャンセル・配送状況確認などのカスタマーサポート業務の効率化だけでなく、購入後の顧客接点からリピーターを生み、売上に繋げていく既存顧客向けのマーケティングツールとしての価値を高めていくとしている。

Recustomerは、小売事業者が既存顧客との関係維持(カスタマーリテンション)と再購入(リマーケティング)を実現するためのプラットフォームだ。商品購入後のカスタマーサポートにおいて、返品や交換・注文キャンセルや配送状況の追跡を可能にする。さらに、クーポンによる再購入を促進し、良質な購入後体験から事業成長を支援する。

◆資金調達概要

調達金額:約1.5億円
調達方法:J-KISS型新株予約権の発行
新規株主:Coral Capital・ALL STAR SAAS FUND・G-STARTUP
既存株主:Gazelle Capital
資金用途:プロダクト開発、CTO採用・エンジニア組織体制の強化

◆当該ラウンドに参画した投資家の概要

[Coral Capital]
Coral Capitalは総額約300億円を運用する、日本のアーリーステージに特化したベンチャーキャピタルだ。核融合やロボティクス、バイオといったディープテックから、SaaSやFintech、化粧品ECまで、B向けやC向けなどにこだわらず多様な領域のスタートアップ約80社に投資している。

[ALL STAR SAAS FUND]
「起業家とともに、100年続くSaaS企業をつくる」をミッションに活動するSaaS特化型ベンチャーキャピタルファンド。SaaSに関する豊富な知識、経験を持つパートナー、アドバイザーと共に、SaaS企業の成長に不可欠な様々な支援プログラムを提供し、社会的インパクトを最大化する一流のSaaS企業を目指す起業家を支援している。

[Gazelle Capital]
創業期のスタートアップ企業で、主に既存産業にインターネットの力で切り込んでいくような起業家の方々を中心に投資をし、支援をさせていただくベンチャーキャピタル。既存産業,デジタル化の遅れている市場に大きな変化を生み出す起業家を生み出すことを目ざす。

[G-STARTUP]
ユニコーン企業を100社輩出するプラットフォームの構築を目指し、将来的に日本を代表するベンチャー企業へ成長することが期待されるスタートアップの起業家を支援するアクセラレータープログラム。成功した起業家のファカルティとの対談や、採択企業がユニコーンを目指すために必要な視点や最新の経営知を授ける講義を実施。現役ベンチャー・キャピタリストのメンターによる伴走を通じて、ユニコーンに向けた資金調達をサポートしている。

当該ラウンドに参画した投資家のコメント

当該ラウンドに参画した投資家のコメント

◆Coral Capital創業パートナー兼CEO James Riney 氏

Recustomerは返品・注文キャンセルの管理をはじめ、EC業界における「カスタマーサクセス」のプラットフォームを構築しています。「カスタマーサクセス」という言葉は、主にSaaSの文脈で耳にするものですが、同じアプローチがECビジネスにも適用できます。購入後のお客様の満足度を維持することは、お客様に何度も繰り返して利用していただくために必要不可欠です。Recustomerチームを支援することで、この業界にとって重要なプロダクトを構築できることを嬉しく思います。

◆ALL STAR SAAS FUND マネージングパートナー 前田ヒロ 氏

Recustomerが提供する、返品・交換、注文キャンセル対応業務を自動化するソリューションは、商品購入後の顧客体験レベルを大きく引き上げる新たなカテゴリを創造しています。ECビジネスでは、返品や交換、注文キャンセルなどのリクエストが発生したとき、どれだけスムーズな対応ができるかがお客様の満足度を大きく左右します。しかしながら、これらの対応業務を大きく改善するソリューションはこれまで存在していませんでした。こうしたペインポイントに注目し、課題解決、そして一層の改善に挑むRecustomerは、Eコマース業界に新しい風を吹き込む可能性を秘めていると感じています。常に進化を止めず野心的であろうという力強い姿勢を持つRecustomerチームとともに「カスタマーリテンションプラットフォーム」の普及を全力でサポートさせていただきます。

◆Gazelle Capital 代表パートナー 石橋孝太郎 氏

Recustomerさんには前回のシードラウンドに引き続き、追加出資をさせて頂きました。まず、彼らの挑戦してる領域は"返品"という一見狭いように捉える方がいるかもしれませんが、それは大きく異なります。現在、多くの小売事業者さまは、返品対応の業務プロセスが最適化がしきれていないケースが多く存在しています。結果、顧客は良い返品対応を享受できず、購買からの離脱に繋がっています。Recustomerでは、返品業務の効率化,最適化を通じ、顧客の返品体験を向上させていくことで、小売事業者さまの売上増加に寄与することが可能になっていきます。返品体験をきっかけにした、顧客体験の最大化による、小売事業者様の売り上げの最大化を、日本からアジアにかけて、最高のチームで、挑戦していくRecustomerに、大きく期待しております。

◆グロービス 代表室 ベンチャー・サポート・チーム 田村菜津紀 氏

G-STARTUP 3rd Batchへのご参加をきっかけとして、この度G-STARTUPファンドよりご支援させていただきました。柴田さん率いるRecustomerのサービスは、これまで課題のあったEC業界における顧客の購買体験を向上させ、その結果としてリピーターを生み出し、小売業者の売上を拡大することを可能としています。今までにない顧客体験をECを利用する全ての人々に届けること、またユニコーン企業を目指して成長を加速されることを心から期待し応援しています!

開発およびエンジニア組織体制の強化に投資

公表に際して同社では次のように述べている。

「当社は、“顧客への愛をビジネスの成長に繋げる”をミッションに、2021年6月よりカスタマーリテンションプラットフォーム『Recustomer』を提供しています。『Recustomer』は、ECの返品・交換・注文キャンセル・配送状況の確認等、購入後のカスタマーサポート業務を効率化するソリューションです。このたび調達した資金は『Recustomer』の開発費およびエンジニア組織体制の強化に投資します。

これにより、購入後の顧客対応業務の自動化・効率化に留まらず、『リカスタマークーポン』という仕組みで同じ販売者からの再購入を促進し、返品・交換・注文キャンセル・配送状況確認という顧客接点から新たなビジネス機会を創出。小売事業者の売上向上に直結するソリューションを提供し、既存顧客との関係維持を実現するマーケティングツールとしての価値を高めてまいります」

小売事業者が既存顧客との関係維持(カスタマーリテンション)と再購入(リマーケティング)を実現するためのプラットフォームRecustomer。商品購入後のカスタマーサポートにおいて、返品や交換・注文キャンセルや配送状況の追跡を可能にし、さらにはクーポンによる再購入を促進し、良質な購入後体験から事業成長へと繋げる。今回の資金調達を通して、さらにその価値を高めることになりそうだ。

ECのミカタ通信21号はこちらから


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事