シニアの高い消費意欲 ペンシル社が「新型コロナの影響によるシニア消費動向調査」の結果を公表

ECのミカタ編集部

研究開発型ウェブコンサルティング事業を展開する株式会社ペンシル(所在地:福岡市中央区、代表取締役社長CEO:倉橋美佳、以下:ペンシル)は、2020年4月に初めて発令された緊急事態宣言から約1年半が経過したいま、高齢者の生活状況の変化や終息後の消費意向など、シニアの消費行動特性の把握を目的とした第三弾の調査について、その結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

調査概要

[調査目的]
日本のシニアの消費行動特性の把握

[調査対象]
ペンシルのシニアモニター登録者 381名(全国の54歳〜103歳の男性197名(52%)、女性184名(48%))

[回答数]
188名(全国の56歳〜85歳の男性93名(49%)、女性93名(49%)、選択なし2名(2%))

[調査期間]
2021年9月8日~9月12日

[調査方法]
インターネットによるアンケート調査

コロナワクチン接種状況

コロナワクチン接種状況

ワクチン接種率は高いにも関わらず、接種後に安心している人は64%と少ない。次々に現れる変異株やワクチン接種済の方の感染(ブレークスルー感染)のニュースによる感染不安が影響していると思われるとしている。

就業形態と意識

就業形態と意識

前回調査との比較では、通常勤務をしている人が増えた。テレワークと時差勤務が若干減少しており、徐々にコロナ禍以前に戻りつつあるようにもみえるとしている。意識・思考の変化では、当初予想に反し、多くのシニアがワクチンの2回接種後も、かなり不安を感じていると分析している。

消費金額・支払い方法

消費金額・支払い方法

クレジットカード(37%)、電子マネー(27%)、スマホ決済(11%)の電子決済が全体の75%を占めた。また電子決済は大きく伸びているが、シニア特有の現金支払いも根強く残っているようだ。

情報収集手段・頻度

情報収集手段・頻度

情報の入手先は前回調査時から大きな変化はなく、テレビニュース、ネットニュース、新聞が70%を超える。新聞の割合が多く、SNSが少ないのがシニアの特徴ともいえるとしている。

前回調査時は、コロナ禍の不安からニュースをみる頻度が急増していたが、今回は「増えた」との回答が減少していた。情報の収集も安定して習慣化していると分析している。

旅行、訪問したい施設

旅行、訪問したい施設

コロナ禍終息後に行きたい施設としては、圧倒的に「温泉施設」が多く、次に「劇場・コンサートホール」「美術館・博物館」など文化施設が続いた。行動の時期は慎重だが、アフターコロナの時期が来れば「まず温泉旅行」というのが、シニアの傾向といえるとしている。

印象の良い企業、その理由

印象の良い企業、その理由

コロナ禍で好印象をもった企業としては、自社の特徴を活かして医療従事者などを直接的に支援している企業の評価が高い結果となった。

消費意欲の高いシニア層

調査結果にあるように、インターネット通販を「よく利用する」と答えた人は前回調査時より11%減っているが、「全く利用しない」と答えた方も10%減少した。

インターネット通販の購入商品は通常の買物と同じ、食品・飲料・日用雑貨が上位を占め、若い年齢層と同様に書籍やデジタルコンテンツの購入も多かった。シニアもインターネットを利用して幅広い商品を選択し購入していると考えられる。

またコロナ禍以前の生活に戻りたいという意思はあるが、政府の終息宣言が出ること、または、まわりの行動をみることを判断基準としている人が多かった。再開したいことは国内旅行が最も多く、外食や趣味の集まりなど、緊急事態宣言の影響を長く受け、なにげない日常の行動に戻すことを望んでいるともとれる。シニアは行動開始には慎重ではあるが消費意欲は強く、アフターコロナの需要のための準備は重要だと言えそうだ。

さらにコロナ禍で自社の特徴を活かして社会的な支援をしている多くの企業がある中で、シニア層が最も好印象をもったケースは、政府・自治体や医療従事者などに直接的に支援している企業の対応だ。理由は、自社の利益ではなく社会の利益となる行動、発想の柔軟性と変化に強い印象であることなどが考えられそうだ。

新型コロナウイルス感染症に対応し、2020年4月に初めて発令された緊急事態宣言から約1年半。コロナワクチン接種も進んでいる現在、高齢者の生活状況はどのように変化しているのか、またアフターコロナにおける活動や消費意向、そして、高齢者が企業に期待することなどについて明らかとなっており、ECにおけるプロモーションやマーケティング施策を考える上でも参考にできそうだ。

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