若年層でEC利用の増加が顕著に、コロナ禍のEC消費・行動変容に関する調査で
ソフトバンク株式会社の子会社であるSBペイメントサービス株式会社は、全国の10~90代の男女3,606人に、コロナ禍における新たなEC消費・行動変容に関するアンケート調査を実施。その結果を公表した(https://www.sbpayment.jp/news/press/2021/20210930_000952/)
10代女性の6割、コロナ禍でEC利用が「増えた」
オンラインで買い物・サービス利用をしたことがある消費者に対し、コロナ禍でオンラインで買い物・サービス利用をする頻度は増えたか尋ねたところ、「変わらない」と回答した人が57.3%で過半数を超えた。一方、「増えた」と回答した人は34.5%で「減った」と回答した人(4.8%)の7倍以上にのぼった。
年代別で比較すると、10代女性の61.6%、10代男性と20~30代女性の40%以上が「増えた」と回答しており、特に若い世代で特にEC利用の頻度が増加していることがわかる。
新たにオンラインで贈るようになったギフトは「誕生日」が最多
コロナ禍において、新たにオンラインで贈るようになったギフト・お祝いはあるか尋ねたところ、「誕生日のギフト」(7.7%)、「母の日・父の日・敬老の日のギフト」(6.7%)、「お中元・お歳暮」(5.9%)が上位を占めた。
新たにオンラインで贈るようになった理由としては、「自宅から贈ることができるため」(53.8%)のほか、自宅訪問を避けるため、帰省できなくなったためなどが挙げられた。
コロナ禍で県をまたぐ移動が制限される中、オンラインでプレゼントを贈る人が増えているようだ。
新たに購入するようになったのものは「ファッション」関連が最多
コロナ禍において、新たにオンラインで購入するようになったものはあるか尋ねたところ、物販カテゴリにおいては「ファッション・インナー・ファッション小物」(21.0%)、「食品・スイーツ・ソフトドリンク」(20.0%)、「家電・PC・通信機器」(17.2%)が上位となった。
新たにオンラインで購入するようになった理由は、「自宅から購入することができるため」(60.6%)のほか「備蓄するため」「いつも行っているお店が緊急事態宣言で営業していないため」などが挙げられた。
コロナ禍の年間EC利用金額は増加傾向
コロナ禍以前の1年間(2019年3月~2020年2月)とコロナ禍における1年間(2020年3月~2021年2月)に、オンラインでの買い物・サービスで利用した合計額を尋ねたところ、コロナ前の1年間のEC利用金額は1万円未満/年の人が15.2%いたのに対し、コロナ禍の1年間のEC利用金額は1万円未満/年の人が9.9%に減少。1万円以上の金額のすべての項目でコロナ前の1年間と比較して割合が高くなっていることがわかった。
コロナ禍で、オンラインでの買い物・サービス利用の頻度の高まりと相まって、年間のEC利用金額も増加傾向にあることがうかがえる。
ECの決済手段は「クレカ」が6割以上
オンラインでの買い物・サービス利用で最も利用している決済手段を尋ねたところ、1位は「クレジットカード決済」で64.1%、2位が「PayPay(オンライン決済)」で7.6%という結果となった。
利用している決済手段を選ぶ理由で比較したところ、「PayPay(オンライン決済)」や「Yahoo!ウォレット決済」は「ポイントやキャンペーンなどの還元率が良いから」が約30%、「代金引換」や「後払い決済」「キャリア決済」は「簡単に利用できるから」が33%以上、「口座振替」は「セキュリティが安心だから」が21%以上であった。
コロナ禍での客層の変化に注目
本調査結果を見ると、コロナ禍前に比べ、特に10~20代男性と10~30代の女性のあいたでオンラインの買い物やサービスの利用頻度が増えている点が興味深い。このことは、コロナ禍以前は積極的に街に出てリアル店舗で買い物をしていた若年層の消費行動の一部が、コロナ禍でオンラインに移行していることをうかがわせる。
EC事業者の中には、コロナ禍以降、売上や客数だけでなく、客層の変化を目の当たりにしている事業者も多いはずだ。コロナ禍になって1年半以上が経ち、「ウィズコロナの消費行動」が定着した今、改めて自社のECサイトの客層の変化を分析してみると興味深い傾向が見えてくるかもしれない。