楽天が2021年第3四半期の決算を発表、売上収益は1,200,574百万円で前年同期比15.4%増

ECのミカタ編集部

楽天グループ株式会社は、2021年11月11日、2021年12月期第3四半期(2021年7~9月)の決算を発表した。

累計期間の連結業績は1,200,574百万円で前年同期比15.4%増となったが、モバイルにおける自社基地局設置等の先行投資が継続中であることを主因に、Non-GAAP営業損失は148,859百万円となっている。ここでは決算の概要について、ポイントを絞って見ていく。

売上収益は前年同期比15.4%増

2021年12月期第3四半期において、同社では国内外70以上の多様なサービスにより構成される楽天エコシステムを活用した事業経営により、感染症の影響による事業リスクの分散を図るとともに、引き続き、メンバーシップ、データおよびブランドを結集したビジネスの展開、AI等を積極的に活用したサービスの開発・展開を進めてきた。

その結果、連結累計期間の売上収益は1,200,574百万円(前年同期比15.4%増)となった一方で、モバイルにおける自社基地局設置等の先行投資が継続中であることを主因に、Non-GAAP営業損失は148,859百万円(前年同期は79,377百万円の損失)となった。

各セグメントの状況

インターネットサービスにおいては「楽天市場」における共通の送料無料(込み)ライン導入に代表される顧客利便性向上の施策等の奏功により、コロナ禍の「巣ごもり消費」等を背景に増加した顧客の定着が国内EC取扱高の伸長に貢献した。

加えて、前年同期に外出自粛等の影響を大きく受け、宿泊予約の低迷が続いたインターネット旅行予約サービス「楽天トラベル」における安心・安全な旅への取り組み等による宿泊予約の促進が国内EC取扱高の伸長に貢献した。

海外インターネットサービスを含むその他インターネットサービスにおいては、継続的なコスト効率化の施策や人々の消費行動の回復に伴い、コロナ禍で影響を受けた事業の業績改善が営業損失の縮小に寄与。フィンテックにおいては、各サービスにおける顧客基盤の拡大が続き、クレジットカード関連サービス、銀行サービス、証券サービス等において増収増益を達成した。

また、モバイルにおいては、顧客獲得が順調に進捗する中、通信料金を1年間無料とするキャンペーン期間の終了に伴い、一部のユーザーの通信料収入が順次計上され始めた一方、自社ネットワークエリア拡大の前倒しに伴い、減価償却費等のネットワーク関連費用が増加している。

インターネットサービスの概況

主力サービスである国内ECにおいては、流通総額および売上収益のさらなる成長を目指し、ロイヤルカスタマーの醸成や新規顧客の獲得のための販促活動、クロスユースの促進、共通の送料無料(込み)ラインの導入促進に加え、楽天エコシステムのオープン化戦略等に注力した。

「楽天市場」や医療品・日用品等の通信販売等を行う「Rakuten 24」等においては、こうした施策の結果、コロナ禍における「巣ごもり消費」の拡大に伴うオンラインショッピング需要の高まりを背景に増加した顧客の定着が進み、取扱高はコロナ禍における業績の押し上げの影響を受けた前年同期と比較しても伸長している。

その結果、連結累計期間のインターネットサービスセグメントにおける売上収益は702,248百万円(前年同期比15.6%増)、セグメント利益は83,401百万円(前年同期は6,427百万円の利益)となった。

ロイヤリティ向上とともにクロスユースも拡大

2021年第3四半期において、ショッピングECの流通総額は前年同期比+8.7%、国内EC流通総額は前年同期比+7.6%の1.2兆円となった。

また、「楽天市場」では2021年第2四半期に購入したユーザーが同年第3四半期でも購入した割合は75%を達成。購⼊者数やユーザーあたりの購⼊頻度がともに拡⼤しており、⾼いユーザー定着率を維持している。

ユーザーのロイヤリティ向上とともに他サービスへのクロスユースも拡大しており、2021年第3四半期において「楽天市場」と「Rakuten Fashion」のクロスユーザーは前年同期比+30.2%、 「楽天市場」と「楽天西友ネットスーパー」のクロスユーザーは前年同期比+37.1%にのぼった。「楽天市場」の成⻑とともに、グループ内の各ECサービスとのクロスユースが順調に伸びている。

日本のEC市場は今後さらなる成長を見込む

⽇本のEC化率は年々拡⼤しており、2020年時点で8.1%と諸外国と⽐較しても低く、今後さらなる成⻑が⾒込まれる。

ECをはじめとした国内インターネットサービスにおいては、引き続き、ロイヤルカスタマーの醸成、新規顧客の獲得、クロスユースの促進、共通の送料無料(込み)ラインの導入促進に加え、ECプラットフォーム拡大にむけた楽天エコシステムのオープン化戦略等に取り組むとともに、データやAI等の活用を通じた新しい市場の創造により、流通総額および売上収益の成長を目指すという。

「楽天市場」をはじめとする国内ECは長引くコロナ禍もあって堅調な成長を維持しているが、やはり気になるのは148,859百万円ものNon-GAAP営業損失につながったモバイル事業だ。

2020年4月から提供していた「1年間の無料キャンペーン」が終了するユーザーの増加に伴いモバイル通信料収入は徐々に増えているものの、楽天回線エリアの積極的な拡大に伴い、ネットワーク関連費用が増加した。ローミングエリアの自社回線切り替えによる費用削減効果は2022年第2四半期以降を見込んでいるといい、それまでは楽天グループにとって我慢の時期となりそうだ。

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