アリババ、2021年の天猫ダブルイレブンで過去最高の流通総額9兆円超を達成

ECのミカタ編集部

アリババグループは2021年11月12日、今年で13回目となる天猫ダブルイレブン・ショッピングフェスティバル(以下「天猫ダブルイレブン」)が終了し、GMV(流通総額)が5,403億元(約9兆6,173億円)に達したと発表した。

過去最多の29万ブランドが参加

今年の天猫ダブルイレブンには過去最多となる29万ブランドが参加し、そのうち65%が中小企業、工業地帯にある製品メーカー、新ブランドであった。新興地域にある農業地帯は、農業製品のGMV(流通総額)が前年比20%増となるなど、好調な販売を記録した。

開始に先立ち、アリババグループは全システムおよびオペレーションをパブリッククラウドに完全移行した。アリババのECビジネスを支える重要な役割を担っている河北省張北県にあるアリババクラウドのデータセンターでは、再生可能エネルギーの利用により、26,000トン以上の二酸化炭素排出量が削減された。

アリババグループ バイス・プレジデントの楊光氏は次のように述べている。「今年の天猫ダブルイレブンでは、ダイナミックな中国の消費経済を反映して、安定した質の高い成長を実現しました。今年のフェスティバルは、持続可能な未来の構築に向けた当社の取り組みの一環として、意義深い節目となりました」

目立つ新興ブランドの成長と若年顧客の増加

2021年の天猫ダブルイレブンにおいては、78のブランドの売上高が去年の1000万元レベルから1億元を突破し、698のブランドの売上高が100万元レベルから1000万元レベルに増加した。

11月1日~10日には、90の新興ブランドがそれぞれの所属細分化カテゴリにおいて、3年連続で売上高トップブランドとなった。275の新興ブランドの売上高が3年連続で前年比で倍増した。

また、1,600以上のブランドがTモールにおける新規会員獲得キャンペーンに参加し、のべ9,700万人以上の新規会員獲得につながった。商品購入者のうち、45%以上が1990年以降および2000年以降生まれで、2000年以降生まれの消費者は前年比で25%増となった。

中国国外から2,800以上のブランドが初参加

2万9,000以上の海外(中国国外)ブランドが参加し、海外から中国消費者へ商品を販売するためのアリババの越境ECプラットフォーム「Tモール・グローバル」で130万以上の新商品が発売された。海外ブランドのうち、2,800以上のブランドは初参加であった。

エコやラストワンマイルへの取り組み

さらに2,000以上のマーチャントがエコ製品を展示するTモール(アリババのBtoC ECプラットフォーム)内の特設売り場「グリーン会場」に参加し、約50万点の環境負荷が少ないエコ製品を提供。

11月1日~10日にかけては、中国の大学や都市コミュニティでラストワンマイルの配送を担う約350台の自律型配送ロボット「小蛮驢(シャオマンリュ)」が100万個以上の荷物を配達した。これは2020年9月から2021年9月までの過去1年間に小蛮驢が届けた荷物数を上回っている。

流通総額は1年で2兆円伸長

天猫ダブルイレブンは、アリババグループが主催する年間最大のECの祭典。2009年にわずか27社のマーチャントから始まり、今年で13回目を迎えた。

2020年には当時過去最多の25万以上のブランドが参加し、当時過去最高の流通総額7兆円超を達成した。それからわずか1年で出店ブランドが4万も増え、流通総額は2兆円も増えるというめざましい成長を遂げたことになる。

最近の天猫ダブルイレブンは、単なるセールイベントを超えた社会的な側面が見られるようになり、エコロジーへの取り組みや社会的弱者への支援なども行われるようになっている。中国でまた世界において存在感を増せば増すほど、SDGsに貢献するような「社会の公器」としての役割がますます求められていくだろう。

ECのミカタ通信22号はこちらから


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事